刑事訴訟法

# 昭和二十三年法律第百三十一号 #
略称 : 刑訴法 

第三百一条の二

@ 施行日 : 令和六年二月十五日 ( 2024年 2月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十六号による改正

1項

次に掲げる事件については、検察官は、第三百二十二条第一項の規定により証拠とすることができる書面であつて、当該事件についての第百九十八条第一項の規定による取調べ(逮捕 又は勾留されている被疑者の取調べに限る第三項において同じ。)又は第二百三条第一項第二百四条第一項 若しくは第二百五条第一項第二百十一条 及び第二百十六条においてこれらの規定を準用する場合を含む。第三項において同じ。)の弁解の機会に際して作成され、かつ、被告人に不利益な事実の承認を内容とするものの取調べを請求した場合において、被告人 又は弁護人が、その取調べの請求に関し、その承認が任意にされたものでない疑いがあることを理由として異議を述べたときは、その承認が任意にされたものであることを証明するため、当該書面が作成された取調べ 又は弁解の機会の開始から終了に至るまでの間における被告人の供述 及びその状況を第四項の規定により記録した記録媒体の取調べを請求しなければならない。


ただし同項各号のいずれかに該当することにより同項の規定による記録が行われなかつたこと その他やむを得ない事情によつて当該記録媒体が存在しないときは、この限りでない。

一 号

死刑 又は無期の懲役 若しくは禁錮に当たる罪に係る事件

二 号

短期一年以上の有期の懲役 又は禁錮に当たる罪であつて故意の犯罪行為により被害者を死亡させたものに係る事件

三 号

司法警察員が送致し 又は送付した事件以外の事件(前二号に掲げるものを除く

○2項

検察官が前項の規定に違反して同項に規定する記録媒体の取調べを請求しないときは、裁判所は、決定で、同項に規定する書面の取調べの請求を却下しなければならない。

○3項

前二項の規定は、第一項各号に掲げる事件について、第三百二十四条第一項において準用する第三百二十二条第一項の規定により証拠とすることができる被告人以外の者の供述であつて、当該事件についての第百九十八条第一項の規定による取調べ 又は第二百三条第一項第二百四条第一項 若しくは第二百五条第一項の弁解の機会に際してされた被告人の供述(被告人に不利益な事実の承認を内容とするものに限る)をその内容とするものを証拠とすることに関し、被告人 又は弁護人が、その承認が任意にされたものでない疑いがあることを理由として異議を述べた場合にこれを準用する。

○4項

検察官 又は検察事務官は、第一項各号に掲げる事件(同項第三号に掲げる事件のうち、関連する事件が送致され 又は送付されているものであつて、司法警察員が現に捜査していること その他の事情に照らして司法警察員が送致し又は送付することが見込まれるものを除く)について、逮捕 若しくは勾留されている被疑者を第百九十八条第一項の規定により取り調べるとき 又は被疑者に対し第二百四条第一項 若しくは第二百五条第一項第二百十一条 及び第二百十六条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定により弁解の機会を与えるときは、次の各号いずれかに該当する場合を除き、被疑者の供述 及びその状況を録音 及び録画を同時に行う方法により記録媒体に記録しておかなければならない。


司法警察職員が、第一項第一号 又は第二号に掲げる事件について、逮捕 若しくは勾留されている被疑者を第百九十八条第一項の規定により取り調べるとき 又は被疑者に対し第二百三条第一項第二百十一条 及び第二百十六条において準用する場合を含む。)の規定により弁解の機会を与えるときも、同様とする。

一 号

記録に必要な機器の故障 その他のやむを得ない事情により、記録をすることができないとき。

二 号

被疑者が記録を拒んだこと その他の被疑者の言動により、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき。

三 号

当該事件が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号第三条の規定により都道府県公安委員会の指定を受けた暴力団の構成員による犯罪に係るものであると認めるとき。

四 号

前二号に掲げるもののほか、犯罪の性質、関係者の言動、被疑者がその構成員である団体の性格 その他の事情に照らし、被疑者の供述 及びその状況が明らかにされた場合には被疑者 若しくはその親族の身体 若しくは財産に害を加え 又はこれらの者を畏怖させ 若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあることにより、記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき。