原子力損害の賠償に関する法律

昭和三十六年法律第百四十七号
略称 : 原賠法  原子力損害賠償法 
分類 法律
カテゴリ   工業
@ 施行日 : 令和二年四月一日 ( 2020年 4月1日 )
@ 最終更新 : 平成三十年十二月十二日公布(平成三十年法律第九十号)改正
最終編集日 : 2020年 06月17日 16時33分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 原子力損害賠償責任

  • 第三章 損害賠償措置

    • 第一節 損害賠償措置
    • 第二節 原子力損害賠償責任保険契約
    • 第三節 原子力損害賠償補償契約
    • 第四節 供託
  • 第四章 国の措置

  • 第四章の二 損害賠償の円滑な実施のための措置

    • 第一節 損害賠償実施方針
    • 第二節 特定原子力損害賠償仮払金の支払のための資金の貸付け
  • 第五章 原子力損害賠償紛争審査会

  • 第六章 雑則

  • 第七章 罰則

第一章 総則

1項

この法律は、

原子炉の運転等により
原子力損害が生じた場合における

損害賠償に関する基本的制度を定め、

もつて被害者の保護を図り、

及び原子力事業の
健全な発達に資することを目的とする。

1項

この法律において
原子炉の運転等」とは、

次の各号に掲げるもの
及びこれらに付随してする核燃料物質

又は核燃料物質によつて
汚染された物(原子核分裂生成物を含む。第五号において同じ。)の
運搬、貯蔵 又は廃棄であつて、

政令で定めるものをいう。

一 号
原子炉の運転
二 号
加工
三 号
再処理
四 号
核燃料物質の使用
四の二 号
使用済燃料の貯蔵
五 号

核燃料物質 又は核燃料物質によつて
汚染された物(以下「核燃料物質等」という。)の廃棄

2項

この法律において
原子力損害」とは、

核燃料物質の原子核分裂の過程の作用
又は核燃料物質等の放射線の作用
若しくは毒性的作用(これらを摂取し、又は吸入することにより 人体に中毒 及び その続発症を及ぼすものをいう。)により
生じた損害をいう。


ただし次条の規定により

損害を賠償する責めに任ずべき
原子力事業者の受けた損害を除く

3項

この法律において
原子力事業者」とは、

次の各号に掲げる者(これらの者であつた者を含む。)をいう。

一 号

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律昭和三十二年法律第百六十六号。以下「規制法」という。
第二十三条第一項の許可(規制法第七十六条の規定により 読み替えて適用される同項の規定による 国に対する承認を含む。)を
受けた者(規制法第三十九条第五項の規定により 試験研究用等原子炉設置者とみなされた者を含む。

二 号

規制法第二十三条の二第一項の
許可を受けた者

三 号

規制法第四十三条の三の五第一項の
許可(規制法第七十六条の規定により 読み替えて適用される同項の規定による 国に対する承認を含む。)を受けた者

四 号

規制法第十三条第一項の許可(規制法第七十六条の規定により 読み替えて適用される同項の規定による 国に対する承認を含む。)を
受けた者

五 号

規制法第四十三条の四第一項の
許可(規制法第七十六条の規定により 読み替えて適用される同項の規定による 国に対する承認を含む。)を
受けた者

六 号

規制法第四十四条第一項の
指定(規制法第七十六条の規定により 読み替えて適用される同項の規定による 国に対する承認を含む。)を受けた者

七 号

規制法第五十一条の二第一項の
許可(規制法第七十六条の規定により 読み替えて適用される同項の規定による 国に対する承認を含む。)を受けた者

八 号

規制法第五十二条第一項の
許可(規制法第七十六条の規定により 読み替えて適用される同項の規定による 国に対する承認を含む。)を受けた者

4項

この法律において
原子炉」とは、

原子力基本法昭和三十年法律第百八十六号
第三条第四号に規定する原子炉をいい、

核燃料物質」とは、
同法同条第二号に規定する
核燃料物質(規制法第二条第十項に規定する 使用済燃料を含む。)をいい、

加工」とは、
規制法第二条第九項に規定する
加工をいい、

再処理」とは、
規制法第二条第十項に規定する
再処理をいい、

使用済燃料の貯蔵」とは、
規制法第四十三条の四第一項に規定する
使用済燃料の貯蔵をいい、

核燃料物質 又は核燃料物質によつて汚染された物の廃棄」とは、
規制法第五十一条の二第一項に規定する
廃棄物埋設 又は廃棄物管理をいい、

放射線」とは、
原子力基本法第三条第五号に規定する
放射線をいい、

原子力船」又は
外国原子力船」とは、
規制法第二十三条の二第一項に規定する
原子力船 又は外国原子力船をいう。

第二章 原子力損害賠償責任

1項

原子炉の運転等の際、

当該原子炉の運転等により
原子力損害を与えたときは、

当該原子炉の運転等に係る 原子力事業者が
その損害を賠償する責めに任ずる。


ただし、その損害が

異常に巨大な天災地変

又は社会的動乱によつて
生じたものであるときは、

この限りでない。

2項

前項の場合において、

その損害が

原子力事業者間の核燃料物質等の
運搬により生じたものであるときは、

当該原子力事業者間に書面による
特約がない限り、

当該核燃料物質等の
発送人である原子力事業者が

その損害を賠償する責めに任ずる。

1項

前条の場合においては、

同条の規定により
損害を賠償する責めに任ずべき

原子力事業者以外の者は、

その損害を賠償する責めに任じない。

2項

前条第一項の場合において、

第七条の二第二項に規定する
損害賠償措置を講じて本邦の水域に

外国原子力船を立ち入らせる
原子力事業者が

損害を賠償する責めに任ずべき額は、

同項に規定する 額までとする。

3項

原子炉の運転等により生じた
原子力損害については、

商法明治三十二年法律第四十八号
第七百八十九条同法第七百九十条同法第七百九十一条において準用する 場合を含む。)及び第七百九十一条において準用する 場合を含む。
及び第八百十二条

船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号
並びに製造物責任法平成六年法律第八十五号)の規定は、

適用しない

1項

第三条の場合において、
被害者に重大な過失があつたときは、

裁判所は、これを考慮して、
損害賠償の額を定めることができる。

1項

第三条の場合において、

他に その損害の発生の原因について
責めに任ずべき自然人があるとき(当該損害が当該自然人の故意により生じたものである場合に限る)は、

同条の規定により
損害を賠償した原子力事業者は、

その者に対して求償権を有する。

2項

前項の規定は、

求償権に関し
書面による 特約をすることを妨げない。

第三章 損害賠償措置

第一節 損害賠償措置

1項

原子力事業者は、

原子力損害を賠償するための措置(以下「損害賠償措置」という。)を
講じていなければ、

原子炉の運転等をしてはならない。

1項

損害賠償措置は、
次条の規定の適用がある場合を除き

原子力損害賠償責任保険契約
及び原子力損害賠償補償契約の締結
若しくは供託であつて、

その措置により、
一工場 若しくは一事業所当たり
若しくは一原子力船当たり千二百億円政令で定める原子炉の運転等については、千二百億円以内で政令で定める金額とする。以下「賠償措置額」という。)を

原子力損害の賠償に
充てることができるものとして

文部科学大臣の承認を受けたもの

又はこれらに相当する措置であつて
文部科学大臣の承認を受けたものとする。

2項

文部科学大臣は、

原子力事業者が 第三条の規定により
原子力損害を賠償したことにより

原子力損害の賠償に充てるべき金額が
賠償措置額未満となつた場合において、

原子力損害の賠償の履行を確保するため
必要があると認めるときは、

当該原子力事業者に対し、
期限を指定し、

これを賠償措置額にすることを
命ずることができる。

3項

前項に規定する場合においては、

同項の規定による
命令がなされるまでの間(同項の規定による命令がなされた場合においては、当該命令により 指定された期限までの間)は、

前条の規定は、適用しない

1項

原子力船を外国の水域に
立ち入らせる場合の損害賠償措置は、

原子力損害賠償責任保険契約
及び原子力損害賠償補償契約の締結
その他の措置であつて、

当該原子力船に係る 原子力事業者が

原子力損害を
賠償する責めに任ずべきものとして

政府が当該外国政府と合意した額の
原子力損害を賠償するに足りる措置として

文部科学大臣の承認を受けたものとする。

2項

外国原子力船を本邦の
水域に立ち入らせる場合の損害賠償措置は、

当該外国原子力船に係る 原子力事業者が

原子力損害を
賠償する責めに任ずべきものとして

政府が
当該外国政府と合意した額(原子力損害の発生の原因となつた事実一について 三百六十億円を下らないものとする。)の

原子力損害を
賠償するに足りる措置として

文部科学大臣の承認を受けたものとする。

第二節 原子力損害賠償責任保険契約

1項

原子力損害賠償責任保険契約(以下「責任保険契約」という。)は、

原子力事業者の

原子力損害の賠償の
責任が発生した場合において、

一定の事由による
原子力損害を原子力事業者が

賠償することにより生ずる損失を
保険者(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項に規定する損害保険会社 又は同条第九項に規定する 外国損害保険会社等で、責任保険の引受けを行う者に限る。以下同じ。)が
うめることを約し、

保険契約者が保険者に
保険料を支払うことを約する契約とする。

1項

被害者は、
損害賠償請求権に関し、

責任保険契約の保険金について、

他の債権者に優先して
弁済を受ける権利を有する。

2項

被保険者は、
被害者に対する損害賠償額について、

自己が支払つた限度

又は被害者の承諾があつた
限度においてのみ、

保険者に対して
保険金の支払を請求することができる。

3項

責任保険契約の保険金請求権は、

これを譲り渡し、担保に供し、
又は差し押えることができない


ただし、被害者が
損害賠償請求権に関し

差し押える場合は、この限りでない。

1項

保険者は、

責任保険契約を
解除しようとするときは、

あらかじめ、その旨を

文部科学大臣に
届け出なければならない。

2項

文部科学大臣は、

前項の規定による
届出を受理したときは、

その旨を当該責任保険契約の
被保険者に通知しなければならない。

3項

責任保険契約の解除は、

文部科学大臣が当該解除に係る
第一項の規定による

届出を受理した日から
起算して九十日の後に、

将来に向かつて その効力を生ずる。

4項

核燃料物質等の運搬に係る
責任保険契約については、

保険者は、
当該核燃料物質等の運搬の開始後

その終了までの間においては、
これを解除することができない

5項

前二項の規定に反する特約で

被保険者に不利なものは、
無効とする。

第三節 原子力損害賠償補償契約

1項

原子力損害賠償補償契約(以下「補償契約」という。)は、

原子力事業者の原子力損害の
賠償の責任が発生した場合において、

責任保険契約
その他の原子力損害を賠償するための
措置によつてはうめることができない原子力損害を

原子力事業者が 賠償することにより生ずる損失を
政府が補償することを約し、

原子力事業者が
補償料を納付することを約する契約とする。

2項

補償契約に関する事項は、
別に法律で定める。

1項

第九条の規定は、

補償契約に基づく
補償金について準用する。

第四節 供託

1項

損害賠償措置としての供託は、

原子力事業者の主たる事務所のもよりの 法務局
又は地方法務局に、

金銭 又は文部科学省令で定める
有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する 振替債を含む。以下 この節において同じ。)により するものとする。

1項

被害者は、
損害賠償請求権に関し、

前条の規定により
原子力事業者が 供託した金銭

又は有価証券について、

その債権の弁済を受ける権利を有する。

1項

原子力事業者は、

次の各号に掲げる場合においては、

文部科学大臣の承認を受けて、

第十二条の規定により
供託した金銭 又は有価証券を

取りもどすことができる。

一 号
原子力損害を賠償したとき。
二 号

供託に代えて
他の損害賠償措置を講じたとき。

三 号
原子炉の運転等をやめたとき。
2項

文部科学大臣は、

前項第二号 又は第三号に掲げる場合において
承認するときは、

原子力損害の賠償の
履行を確保するため

必要と認められる限度において、

取りもどすことができる時期
及び取りもどすことができる金銭

又は有価証券の額を指定して
承認することができる。

1項

この節に定めるもののほか

供託に関する事項は、
文部科学省令・法務省令で定める。

第四章 国の措置

1項

政府は、

原子力損害が生じた場合において、

原子力事業者(外国原子力船に係る 原子力事業者を除く)が
第三条の規定により

損害を賠償する責めに任ずべき額が
賠償措置額をこえ、

かつ、この法律の目的を達成するため
必要があると認めるときは、

原子力事業者に対し、

原子力事業者が 損害を賠償するために
必要な援助を行なうものとする。

2項

前項の援助は、

国会の議決により

政府に属させられた権限の
範囲内において行なうものとする。

1項

政府は、

第三条第一項ただし書の場合

又は第七条の二第二項
原子力損害で

同項に規定する 額をこえると認められるものが
生じた場合においては、

被災者の救助
及び被害の拡大の防止のため

必要な措置を講ずるようにするものとする。

第四章の二 損害賠償の円滑な実施のための措置

第一節 損害賠償実施方針

1項

原子炉の運転等を行う
原子力事業者は、

原子力損害の賠償の
迅速かつ適切な実施を図るための方針(以下この条において「損害賠償実施方針」という。)を
作成しなければならない。

2項

損害賠償実施方針には、

損害賠償措置の概要、

原子力損害の賠償に係る
事務の実施方法、

原子力損害の賠償に関する
紛争の解決を図るための方策

その他の原子力損害の賠償の
迅速かつ適切な実施に関し

必要な事項として

文部科学省令で定める事項を
定めなければならない。

3項

原子力事業者は、

損害賠償実施方針を作成し、
又は変更したときは、

遅滞なく、これを
公表しなければならない。

4項

前三項に定めるもののほか

損害賠償実施方針の
作成、変更 及び公表に関し

必要な事項は、

文部科学省令で定める。

第二節 特定原子力損害賠償仮払金の支払のための資金の貸付け

1項

原子力事業者は、

特定原子力損害(原子炉の運転等により生じた原子力損害のうち、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第十五条第三項 又は第二十条第二項の規定により 内閣総理大臣 又は原子力災害対策本部長(同法第十七条第一項に規定する原子力災害対策本部長をいう。)が市町村長(特別区の区長を含む。以下 この項において同じ。)又は都道府県知事に対して行つた指示に基づき 当該市町村長 又は都道府県知事が行つた勧告 又は指示に基づく避難のための立退き 又は事業活動の制限によつて生じた損害 その他これに準ずるものとして政令で定めるものをいう。以下 この節において同じ。)を受けた
被害者に対して、

政令で定める基準に従い、

特定原子力損害賠償仮払金(特定原子力損害を填補するために支払われる金銭であつて、当該特定原子力損害の賠償額の確定前に支払われるものをいう。以下 この節において同じ。)の
支払を行おうとするときは、

政府に対し、

賠償措置額を超えない範囲内において
政令で定める金額を限度として、

政府が当該特定原子力損害賠償仮払金の
支払のために

必要な資金の貸付けを行うことを
申し込むことができる。

2項

前項の規定による
申込みを行う原子力事業者は、

文部科学大臣に対し、

次に掲げる事項を記載した書類を
提出しなければならない。

一 号
特定原子力損害賠償仮払金の支払の内容
二 号

政府が行う

前項の貸付け(以下 この節において 単に「貸付け」という。)を
必要とする理由 及び貸付希望金額

三 号

貸付けに係る

貸付金(以下 この節において 単に「貸付金」という。)の
償還に関する事項

3項

文部科学大臣は、

第一項の規定による
申込みがあつた場合において、

特定原子力損害賠償仮払金の
迅速な支払のために

必要があると認めるときは、

遅滞なく、
当該申込みに係る 貸付けを決定し、

その旨を 当該申込みを行つた
原子力事業者に通知するものとする。

1項

貸付けを受けた
原子力事業者は、

文部科学省令で定めるところにより、

貸付金を その他の資産と分別して
管理しなければならない。

1項

貸付けを受けた原子力事業者は、

文部科学省令で定めるところにより、

貸付金を充てて行う
特定原子力損害賠償仮払金の支払状況について

文部科学大臣に
報告しなければならない。

1項

政府は、

貸付けを受けた原子力事業者が

貸付金を充てて行つた
特定原子力損害賠償仮払金の支払の対象となつた
特定原子力損害の賠償額が確定したときは、

第九条第三項本文(第十一条において準用する 場合を含む。)の
規定にかかわらず

当該特定原子力損害賠償仮払金の額に応じて、

当該原子力事業者が 有する

当該特定原子力損害の賠償に係る
責任保険契約の保険金請求権

又は補償契約の
補償金請求権を取得する。

2項

貸付けを受けた原子力事業者は、

前項に規定する
賠償額が確定したときは、

遅滞なく、
文部科学省令で定めるところにより、

その旨を 文部科学大臣に
届け出なければならない。

3項

貸付けを受けた原子力事業者は、

次の各号に掲げる場合の区分に応じ、

当該各号に定める額の限度で、
貸付金の償還の義務を免れる。

一 号

第一項の規定により

政府が保険金請求権を
取得した場合

当該保険金請求権に係る保険金の額

二 号

第一項の規定により

政府が補償金請求権を
取得した場合

当該補償金請求権に係る 補償金の額

1項

この節に規定する 政府の業務は、

文部科学大臣が管掌する。

1項

文部科学大臣は、

原子力損害賠償・廃炉等支援機構に、
この節に規定する
文部科学大臣の権限に係る事務(第十七条の三第三項の規定による 貸付けの決定を除く)を
行わせることができる。


この場合における
この節の規定の適用については、

同条第一項 及び第二項第二号
政府が」とあるのは
原子力損害賠償・廃炉等支援機構が」と、

第十七条の六第一項 及び第三項各号
政府」とあるのは
原子力損害賠償・廃炉等支援機構」とするほか、

必要な技術的読替えは、
政令で定める。

2項

文部科学大臣は、

前項の規定により

原子力損害賠償・廃炉等支援機構に貸付けに係る
事務を行わせるときは、

その旨を公示しなければならない。

1項

この節に定めるもののほか

貸付金の償還期間 及び償還方法

並びに前条第二項の公示
その他貸付けに関し必要な事項は、

政令で定める。

第五章 原子力損害賠償紛争審査会

1項

文部科学省に、

原子力損害の賠償に関して
紛争が生じた場合における 和解の仲介

及び当該紛争の当事者による

自主的な解決に資する
一般的な指針の策定に係る事務を行わせるため、

政令の定めるところにより、
原子力損害賠償紛争審査会以下 この章において「審査会」という。)を
置くことができる。

2項

審査会は、

次に掲げる事務を処理する。

一 号

原子力損害の賠償に関する
紛争について

和解の仲介を行うこと。

二 号

原子力損害の賠償に関する
紛争について

原子力損害の範囲の判定の指針

その他の当該紛争の当事者による
自主的な解決に資する

一般的な指針を定めること。

三 号

前二号に掲げる事務を行うため

必要な原子力損害の
調査 及び評価を行うこと。

3項

前二項に定めるもののほか

審査会の組織 及び運営
並びに和解の仲介の申立

及び その処理の手続に関し
必要な事項は、政令で定める。

1項

審査会が

和解の仲介を打ち切つた場合(当該打切りが政令で定める理由により行われた場合に限る)において、

当該和解の仲介の申立てをした者が
その旨の通知を受けた日から 一月以内

当該和解の仲介の目的となつた請求について
訴えを提起したときは、

時効の中断に関しては、
当該和解の仲介の申立ての時に、

訴えの提起があつたものとみなす。

第六章 雑則

1項

政府は、

相当規模の原子力損害が生じた場合には、

できる限りすみやかに、

その損害の状況

及び この法律に基づいて
政府のとつた措置を

国会に報告しなければならない。

2項

政府は、
原子力損害が生じた場合において、

原子力委員会が
損害の処理 及び損害の防止等に関する意見書を
内閣総理大臣に提出したときは、

これを国会に
提出しなければならない。

1項

第十条第一項
及び第十六条第一項の規定は、

平成四十一年十二月三十一日まで

第二条第一項各号に掲げる行為を開始した
原子炉の運転等に係る

原子力損害について適用する。

1項

文部科学大臣は、

第六条の規定の実施を確保するため
必要があると認めるときは、

原子力事業者に対し必要な報告を求め、

又は その職員に、

原子力事業者の事務所 若しくは工場
若しくは事業所 若しくは原子力船に立ち入り、

その者の帳簿、書類
その他必要な物件を検査させ、

若しくは関係者に
質問させることができる。

2項

前項の規定により
職員が立ち入るときは、

その身分を示す証明書を携帯し、

かつ、関係者の請求があるときは、
これを提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、

犯罪捜査のために
認められたものと解してはならない。

1項

文部科学大臣は、

第七条第一項 若しくは第七条の二第一項
若しくは第二項の規定による処分
又は第七条第二項の規定による

命令をする場合においては、

あらかじめ、発電の用に供する
原子炉の運転、加工、再処理、
使用済燃料の貯蔵 又は核燃料物質

若しくは核燃料物質によつて汚染された物の
廃棄に係るものについては

経済産業大臣、

船舶に設置する原子炉の
運転に係るものについては

国土交通大臣に

協議しなければならない。

1項

文部科学大臣は、

この法律の目的を達成するため
必要があると認めるときは、

関係行政機関の長に対し、

資料 又は情報の提供、
意見の開陳

その他の必要な協力を
求めることができる。

1項

国については

第三章第十六条第四章の二第二節
及び次章の規定、

独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号
第二条第一項に規定する

独立行政法人、

国立大学法人法平成十五年法律第百十二号
第二条第一項に規定する

国立大学法人

及び同条第三項に規定する
大学共同利用機関法人については

同節の規定は、適用しない

第七章 罰則

1項

第六条の規定に違反した者は、

一年以下の懲役 若しくは百万円以下の罰金に処し、
又はこれを併科する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、

百万円以下の罰金に処する。

一 号

第二十一条第一項の規定による
報告をせず、

又は虚偽の報告をした者

二 号

第二十一条第一項の規定による

立入り 若しくは検査を拒み、
妨げ、

若しくは忌避し、
又は質問に対して陳述をせず、

若しくは虚偽の陳述をした者

1項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人
その他の従業者が、

その法人 又は人の事業に関して
前二条の違反行為をしたときは、

行為者を罰するほか、
その法人 又は人に対しても、

各本条の罰金刑を科する。

1項

第十七条の二第三項の規定による

公表をせず、
又は虚偽の公表をした者は、

二十万円以下の過料に処する。