原子力基本法

昭和三十年法律第百八十六号
分類 法律
カテゴリ   工業
最終編集日 : 2021年 07月16日 18時13分

第一章 総則

1項

この法律は、

原子力の研究、開発
及び利用(以下「原子力利用」という。)を
推進することによつて、

将来における
エネルギー資源を確保し、

学術の進歩と産業の振興とを図り、

もつて人類社会の
福祉と国民生活の水準向上とに

寄与することを目的とする。

1項

原子力利用は、

平和の目的に限り、
安全の確保を旨として、

民主的な運営の下に、
自主的にこれを行うものとし、

その成果を公開し、

進んで
国際協力に資するものとする。

2項

前項の安全の確保については、
確立された国際的な基準を踏まえ、

国民の生命、健康 及び財産の保護、
環境の保全

並びに我が国の
安全保障に資することを目的として、

行うものとする。

1項

この法律において
次に掲げる用語は、

次の定義に従うものとする。

一 号

原子力」とは、

原子核変換の過程において

原子核から 放出される
すべての種類のエネルギーをいう。

二 号

核燃料物質」とは、

ウラン、トリウム等
原子核分裂の過程において

高エネルギーを放出する
物質であつて、

政令で定めるものをいう。

三 号

核原料物質」とは、

  • ウラン鉱、
  • トリウム鉱

その他 核燃料物質の
原料となる物質であつて、

政令で定めるものをいう。

四 号

原子炉」とは、

核燃料物質を
燃料として使用する装置をいう。


ただし

政令で定めるものを除く

五 号

放射線」とは、

電磁波 又は粒子線のうち、

直接 又は間接に
空気を電離する能力をもつもので、

政令で定めるものをいう。

第一章の二 原子力規制委員会

1項

原子力利用における
安全の確保を図るため、

別に法律で
定めるところにより、

環境省の外局として、
原子力規制委員会を置く。

第一章の三 原子力防災会議

1項

内閣に、

原子力防災会議(以下「会議」という。)を
置く。

1項

会議は、

次に掲げる事務をつかさどる。

一 号

原子力災害対策指針(原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第六条の二第一項に規定する原子力災害対策指針をいう。)に
基づく施策の 実施の推進

その他の原子力事故(原子炉の運転等(原子力損害の賠償に関する法律昭和三十六年法律第百四十七号第二条第一項に規定する原子炉の運転等をいう。 )に起因する事故をいう。次号において同じ。)が
発生した場合に備えた

政府の総合的な取組を確保するための
施策の実施の推進

二 号

原子力事故が
発生した場合において

多数の関係者による
長期にわたる総合的な取組が必要となる施策の

実施の推進

1項

会議は、

議長、副議長
及び議員をもつて組織する。

2項

議長は、

内閣総理大臣をもつて充てる。

3項

副議長は、

  • 内閣官房長官、
  • 環境大臣、
  • 内閣官房長官

及び環境大臣以外の
国務大臣のうちから

内閣総理大臣が指名する者

並びに原子力規制委員会委員長を
もつて 充てる。

4項

議員は、

次に掲げる者をもつて
充てる。

一 号

議長 及び副議長以外の
全ての国務大臣

並びに内閣危機管理監

二 号

内閣官房副長官、
環境副大臣

若しくは関係府省の副大臣、
環境大臣政務官

若しくは関係府省の
大臣政務官

又は国務大臣以外の関係行政機関の
長のうちから、

内閣総理大臣が任命する者

1項

会議に、

その事務を処理させるため、
事務局を置く。

2項

事務局に、

事務局長
その他の職員を置く。

3項

事務局長は、

環境大臣をもつて充てる。

4項

事務局長は、
議長の命を受け、

命を受けた内閣官房副長官補

及び内閣府設置法平成十一年法律第八十九号
第四条第三項に規定する

事務を分担管理する
大臣たる内閣総理大臣の協力を得て、

局務を掌理する。

1項

この法律に定めるもののほか

会議に関し必要な事項は、
政令で定める。

第二章 原子力委員会

1項

原子力利用に関する
国の施策を計画的に遂行し、

原子力行政の
民主的な運営を図るため、

内閣府に
原子力委員会を置く。

1項

原子力委員会は、

原子力利用に関する
事項(安全の確保のうち その実施に関するものを除く)について

企画し、審議し、及び決定する。

1項

原子力委員会の組織、
運営 及び権限については、

別に法律で定める。

第三章 原子力の開発機関

1項

原子力に関する基礎的研究
及び応用の研究

並びに核燃料サイクルを確立するための
高速増殖炉

及びこれに必要な
核燃料物質の開発

並びに核燃料物質の
再処理等に関する技術の開発

並びに これらの成果の普及等は、

第二条に規定する
基本方針に基づき、

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構において
行うものとする。

第四章 原子力に関する鉱物の開発取得

1項

核原料物質に関する
鉱業権 又は租鉱権に関しては、

別に法律をもつて、

鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の
特例を定めるものとする。

1項

政府は、
別に法律で定めるところにより、

その指定する者に対し、

核原料物質を
買い取るべきことを命じ、

又は核原料物質の
生産者 又は所有者
若しくは管理者に対し、

政府の指定する者に

核原料物質を
譲渡すべきことを命ずることができる。

1項

核原料物質の

  • 輸入、
  • 輸出、
  • 譲渡、
  • 譲受

及び精錬は、

別に法律で
定めるところにより、

政府の指定する者に限つて
これを行わしめるものとする。

1項

政府は、

核原料物質の
開発に寄与する者に対し、

予算の範囲内において

奨励金 又は賞金を
交付することができる。

第五章 核燃料物質の管理

1項

核燃料物質を

  • 生産し、
  • 輸入し、
  • 輸出し、
  • 所有し、
  • 所持し、
  • 譲渡し、
  • 譲り受け、
  • 使用し、

又は輸送しようとする者は、

別に法律で定めるところにより

政府の行う
規制に従わなければならない。

1項

政府は、

前条に規定する
規制を行う場合において、

別に法律で定めるところにより、

核燃料物質を所有し、
又は所持する者に対し、

譲渡先 及び価格を指示して

これを譲渡すべきことを
命ずることができる。

第六章 原子炉の管理

1項

原子炉を
建設しようとする者は、

別に法律で定めるところにより

政府の行う規制に
従わなければならない。


これを改造し、
又は移動しようとする者も、

同様とする。

1項

原子炉を譲渡し、
又は譲り受けようとする者は、

別に法律で
定めるところにより

政府の行う規制に
従わなければならない。

1項

前二条に規定する 規制に従つて

原子炉を

  • 建設し、
  • 改造し、
  • 移動し、

又は譲り受けた者は、

別に法律で定めるところにより、
操作開始前に運転計画を定めて、

政府の認可を受けなければならない。

第七章 特許発明等に対する措置

1項

政府は、

原子力に関する特許発明につき、
公益上 必要があると認めるときは、

特許法昭和三十四年法律第百二十一号
第九十三条の規定により

措置するものとする。

1項

原子力に関する特許発明、
技術等の国外流出に係る契約の締結は、

別に法律で定めるところにより
政府の行う規制に従わなければならない。

1項

政府は、

原子力に関する特許出願に係る
発明 又は特許発明に関し、

予算の範囲内において

奨励金 又は賞金を
交付することができる。

第八章 放射線による障害の防止

1項

放射線による

障害を防止し、
公共の安全を確保するため、

放射性物質
及び放射線発生装置に係る

  • 製造、
  • 販売、
  • 使用、

測定等に対する規制

その他保安
及び保健上の措置に関しては、

別に法律で定める。

第九章 補償

1項

政府 又は政府の指定する者は、

この法律 及び この法律を施行する法律に基き、
核原料物質の開発のため

その権限を行う場合において、

  • 土地に関する権利、
  • 鉱業権

又は租鉱権 その他の権利に関し、

権利者 及び関係人に
損失を与えた場合においては、

それぞれ法律で定めるところにより、
正当な補償を行わなければならない。