民法

# 明治二十九年法律第八十九号 #

第三節 行為能力

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百二号による改正
最終編集日 : 2024年 03月28日 14時03分


1項

年齢十八歳をもって、成年とする。

1項

未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。


ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

2項

前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。

3項

第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。


目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

1項

一種 又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。

2項

前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

1項

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人 又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

1項

後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。

1項

成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。


ただし、日用品の購入 その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

1項

第七条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人(未成年後見人 及び成年後見人をいう。以下同じ。)、後見監督人(未成年後見監督人 及び成年後見監督人をいう。以下同じ。)又は検察官の請求により、後見開始の審判を取り消さなければならない。

1項

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人 又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。


ただし第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。

1項

保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに保佐人を付する。

1項

被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。


ただし第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

一 号
元本を領収し、又は利用すること。
二 号
借財 又は保証をすること。
三 号

不動産 その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。

四 号
訴訟行為をすること。
五 号

贈与、和解 又は仲裁合意(仲裁法平成十五年法律第百三十八号第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。

六 号

相続の承認 若しくは放棄 又は遺産の分割をすること。

七 号

贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。

八 号

新築、改築、増築 又は大修繕をすること。

九 号

第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。

十 号

前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人 及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。

2項

家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者 又は保佐人 若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であっても その保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。


ただし第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

3項

保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

4項

保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意 又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

1項

第十一条本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人 又は検察官の請求により、保佐開始の審判を取り消さなければならない。

2項

家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第二項の審判の全部 又は一部を取り消すことができる。

1項

精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人 又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。


ただし第七条 又は第十一条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。

2項

本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。

3項

補助開始の審判は、第十七条第一項の審判 又は第八百七十六条の九第一項の審判とともにしなければならない。

1項

補助開始の審判を受けた者は、被補助人とし、これに補助人を付する。

1項

家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者 又は補助人 若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。


ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る

2項

本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。

3項

補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。

4項

補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意 又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

1項

第十五条第一項本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、補助人、補助監督人 又は検察官の請求により、補助開始の審判を取り消さなければならない。

2項

家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第一項の審判の全部 又は一部を取り消すことができる。

3項

前条第一項の審判 及び第八百七十六条の九第一項の審判をすべて取り消す場合には、家庭裁判所は、補助開始の審判を取り消さなければならない。

1項

後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人 又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始 又は補助開始の審判を取り消さなければならない。

2項

前項の規定は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人 若しくは被補助人であるとき、又は補助開始の審判をする場合において本人が成年被後見人 若しくは被保佐人であるときについて準用する。

1項

制限行為能力者の相手方は、その制限行為能力者が行為能力者(行為能力の制限を受けない者をいう。以下同じ。)となった後、その者に対し、一箇月以上の期間を定めて、その期間内にその取り消すことができる行為を追認するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。


この場合において、その者がその期間内に確答を発しないときは、その行為を追認したものとみなす。

2項

制限行為能力者の相手方が、制限行為能力者が行為能力者とならない間に、その法定代理人、保佐人 又は補助人に対し、その権限内の行為について前項に規定する催告をした場合において、これらの者が同項の期間内に確答を発しないときも、同項後段と同様とする。

3項

特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

4項

制限行為能力者の相手方は、被保佐人 又は第十七条第一項の審判を受けた被補助人に対しては、第一項の期間内にその保佐人 又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。


この場合において、その被保佐人 又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

1項

制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない