中心市街地の活性化に関する法律

# 平成十年法律第九十二号 #
略称 : 中心市街地活性化法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   都市計画
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第二十四号による改正
最終編集日 : 2024年 05月18日 18時28分


1項

この法律は、中心市街地が地域の経済 及び社会の発展に果たす役割の重要性にかんがみ、近年における急速な少子高齢化の進展、消費生活の変化等の社会経済情勢の変化に対応して、中心市街地における都市機能の増進 及び経済活力の向上(以下「中心市街地の活性化」という。)を総合的かつ一体的に推進するため、中心市街地の活性化に関し、基本理念、政府による基本方針の策定、市町村による基本計画の作成 及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けた基本計画に基づく事業に対する特別の措置、中心市街地活性化本部の設置等について定め、もって地域の振興 及び秩序ある整備を図り、国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

1項

この法律による措置は、都市の中心の市街地であって、次に掲げる要件に該当するもの(以下「中心市街地」という。)について講じられるものとする。

一 号

当該市街地に、相当数の小売商業者が集積し、及び都市機能が相当程度集積しており、その存在している市町村の中心としての役割を果たしている市街地であること。

二 号
当該市街地の土地利用 及び商業活動の状況等からみて、機能的な都市活動の確保 又は経済活力の維持に支障を生じ、又は生ずるおそれがあると認められる市街地であること。
三 号
当該市街地における都市機能の増進 及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進することが、当該市街地の存在する市町村 及びその周辺の地域の発展にとって有効かつ適切であると認められること。
1項
中心市街地の活性化は、中心市街地が地域住民等の生活と交流の場であることを踏まえつつ、地域における社会的、経済的 及び文化的活動の拠点となるにふさわしい魅力ある市街地の形成を図ることを基本とし、地方公共団体、地域住民 及び関連事業者が相互に密接な連携を図りつつ主体的に取り組むことの重要性にかんがみ、その取組に対して国が集中的かつ効果的に支援を行うことを旨として、行われなければならない。
1項

国は、前条の基本理念にのっとり、地域の自主性 及び自立性を尊重しつつ、中心市街地の活性化に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

1項

地方公共団体は、第三条の基本理念にのっとり、地域における地理的 及び自然的特性、文化的所産 並びに経済的環境の変化を踏まえつつ、国の施策と相まって、効果的に中心市街地の活性化を推進するよう所要の施策を策定し、及び実施する責務を有する。

1項

事業者は、第三条の基本理念に配意してその事業活動を行うとともに、国 又は地方公共団体が実施する中心市街地の活性化のための施策の実施に必要な協力をするよう努めなければならない。

1項

この法律において「中小企業者」とは、次の各号いずれかに該当する者をいい、「中小小売商業者」とは、主として小売業に属する事業を営む者であって、第四号から第七号までいずれかに該当するものをいう。

一 号

資本金の額 又は出資の総額が三億円以下の会社 並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社 及び個人であって、製造業建設業運輸業 その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種 及び第五号の政令で定める業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの

二 号

資本金の額 又は出資の総額が一億円以下の会社 並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社 及び個人であって、卸売業第五号の政令で定める業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの

三 号

資本金の額 又は出資の総額が五千万円以下の会社 並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社 及び個人であって、サービス業第五号の政令で定める業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの

四 号

資本金の額 又は出資の総額が五千万円以下の会社 並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社 及び個人であって、小売業次号の政令で定める業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの

五 号

資本金の額 又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社 並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社 及び個人であって、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの

六 号
企業組合
七 号
協業組合
八 号
事業協同組合、協同組合連合会 その他の特別の法律により設立された組合 及びその連合会であって、政令で定めるもの
2項

この法律において「商業基盤施設」とは、顧客 その他の地域住民の利便の増進を図るための施設 及び相当数の小売業の業務を行う者の業務の円滑な実施を図るための施設をいい、「商業施設」とは、小売業の業務を行う者の事業の用に供される施設であって、商業基盤施設以外のものをいう。

3項

この法律において「都市型新事業」とは、中心市街地に集まる一般消費者等の多様かつ高度な需要に即応して、新商品の生産 若しくは新役務の提供 又は商品の生産 若しくは販売 若しくは役務の提供の方式の改善を行う次に掲げる事業であって、中心市街地における事業の構造の高度化 又は国民生活の利便の増進に寄与するものをいう。

一 号
主として一般消費者の生活の用に供される工業製品の製造 又は加工の事業
二 号
役務をその媒体である物の提供を通じて提供する事業
4項

この法律において「都市福利施設」とは、教育文化施設、医療施設、社会福祉施設 その他の都市の居住者等の共同の福祉 又は利便のため必要な施設をいう。

5項

この法律において「公営住宅等」とは、地方公共団体、地方住宅供給公社 その他公法上の法人で政令で定めるものが自ら居住するため住宅を必要とする者に対し賃貸し、又は譲渡する目的で建設する住宅をいう。

6項

この法律において「中心市街地共同住宅供給事業」とは、この法律で定めるところに従って行われる共同住宅の建設 及びその管理 又は譲渡に関する事業 並びにこれらに附帯する事業をいう。

7項

この法律において「中小小売商業高度化事業」とは、次の各号に掲げる者が実施(第一号 又は第二号に掲げる場合にあっては、第一号 又は第二号に掲げる者の組合員 又は所属員による実施を含む。)をする当該各号に定める事業をいう。

一 号

中小小売商業振興法昭和四十八年法律第百一号第四条第一項に規定する商店街振興組合等

主として中小小売商業者である組合員 又は所属員の経営の近代化を図るために行う同項に規定する事業(事業の用に供されていない店舗を賃借する事業を含む。

二 号

事業協同組合、事業協同小組合 又は協同組合連合会

主として中小小売商業者である組合員 又は所属員の経営の近代化を図るために行う店舗を一の団地に集団して設置する中小小売商業振興法第四条第二項に規定する事業

三 号

事業協同組合 又は事業協同小組合

中小小売商業者である組合員のための中小小売商業振興法第四条第三項第一号に規定する共同店舗等(第六号において「共同店舗等」という。)の設置の事業

四 号

協業組合

中小小売商業振興法第四条第三項第二号に定める事業

五 号

二以上の中小小売商業者が合併をして設立された小売業に属する事業を主たる事業として営む会社(合併後存続している会社を含む。

当該会社の店舗等(中小小売商業振興法第四条第三項第二号に規定する店舗等をいう。次号において同じ。)の設置の事業

六 号

二以上の中小小売商業者が資本金の額 又は出資の総額の大部分を出資している会社

当該会社 及び当該会社に出資している中小小売商業者のための共同店舗等の設置の事業 又は小売業に属する事業を主たる事業として営む当該会社の店舗等の設置の事業

七 号

商工会、商工会議所 又は中小企業者が出資している会社であって政令で定める要件に該当するもの(以下「特定会社」という。)若しくは一般社団法人 若しくは一般財団法人(以下「一般社団法人等」という。

商店街の区域、団地 又は建物の内部に集団して事業を営む中小小売商業者の経営の近代化を支援するために行う中小小売商業振興法第四条第六項に規定する事業(事業の用に供されていない店舗を賃借する事業を含む。

8項

この法律において「特定商業施設等整備事業」とは、商業基盤施設 又は相当規模の商業施設を整備する事業(前項に掲げるものを除く)をいう。

9項

この法律において「民間中心市街地商業活性化事業」とは、中心市街地における商業の活性化を促進するために行う次に掲げる事業であって、民間事業者が行うものをいう。

一 号
展示会の開催 その他の顧客の増加に寄与する事業を支援する事業
二 号
小売業の業務を行う者の経営の効率化に寄与する研修 その他の事業
10項

この法律において「特定事業」とは、次に掲げる事業をいう。

一 号
中心市街地における都市型新事業を実施する企業等の立地の促進を図るための施設であって、相当数の企業等が利用するためのものを整備する事業
二 号

食品(飲食料品(花きを含む。)のうち医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律昭和三十五年法律第百四十五号)に規定する医薬品、医薬部外品 及び再生医療等製品以外のものをいう。以下この号において同じ。)の小売業の業務を行う者(以下この号において「食品小売業者」という。)又は事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会 その他の政令で定める法人で食品小売業者を直接 若しくは間接の構成員とするものの出資 又は拠出に係る法人で政令で定めるものが、相当数の食品小売業者の店舗が集積する施設で、当該施設と一体的に駐車場、休憩所 その他の当該施設の利用者の利便の増進に資する施設が整備されているもの(これと一体的に設置される倉庫 その他の食品に係る流通業務用の施設を含む。)を整備する事業で、中心市街地における食品の流通の円滑化に特に資するもの(第五十四条において「中心市街地食品流通円滑化事業」という。

三 号

その全部 又は一部の区間が中心市街地に存する路線に係る一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法昭和二十六年法律第百八十三号第三条第一号イに掲げる一般乗合旅客自動車運送事業をいう。)を経営する者が当該事業の利用者の利便の増進を図るために実施する事業であって、国土交通省令で定めるもの

四 号

中心市街地における貨物の運送の効率化を図るために行う次に掲げる事業を併せて実施する事業(以下「貨物運送効率化事業」という。

特定の中心市街地から集貨された貨物の仕分 又は当該中心市街地への貨物の配達に必要な仕分を専ら行うための次に掲げる施設であって政令で定めるものを整備する事業

(1)
貨物の積卸しのための施設
(2)
上屋 又は荷さばき場
(3)

(1)又は(2)に掲げる施設に附帯する駐車場 又は車庫

に掲げる施設を利用して行う一般貨物自動車運送事業(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)第二条第二項に規定する一般貨物自動車運送事業をいう。)又は第一種貨物利用運送事業(貨物利用運送事業法(平成元年法律第八十二号)第二条第七項に規定する第一種貨物利用運送事業をいう。以下同じ。)であって、国土交通省令で定めるもの

11項

この法律において「特定民間中心市街地活性化事業」とは、中小小売商業高度化事業、特定商業施設等整備事業 及び特定事業であって、民間事業者が行うものをいう。

12項

この法律において「特定民間中心市街地経済活力向上事業」とは、中心市街地への来訪者 又は中心市街地の就業者 若しくは小売業の売上高を相当程度増加させることを目指した中小小売商業高度化事業、特定商業施設等整備事業 及び第十項第一号に掲げる事業であって、民間事業者が行うものをいう。