公益信託に関する法律

# 令和六年法律第三十号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   民事
最終編集日 : 2026年 07月23日 10時20分


1項
この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、公益を目的とする信託による事務の実施が公益の増進のために重要となっていることに鑑み、当該事務が適正に行われるよう公益信託を認可する制度を設けるとともに、当該公益信託の受託者による信託事務の適正な処理を確保するため必要な措置等を定め、もって公益の増進 及び活力ある社会の実現に資することを目的とする。
1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

公益信託

この法律の定めるところによりする受益者の定め(受益者を定める方法の定めを含む。第四条第三項において同じ。)のない信託であって、公益事務を行うことのみを目的とするものをいう。

二 号

公益事務

学術の振興、福祉の向上 その他の不特定かつ多数の者の利益の増進を目的とする事務として別表各号に掲げる事務をいう。

2項

この法律において、「信託」、「信託行為」、「信託財産」、「委託者」、「受託者」、「受益者」、「信託財産責任負担債務」、「信託の併合」、「吸収信託分割」、「新規信託分割」又は「信託の分割」とは、それぞれ信託法平成十八年法律第百八号)第二条に規定する「信託」、「信託行為」、「信託財産」、「委託者」、「受託者」、「受益者」、「信託財産責任負担債務」、「信託の併合」、「吸収信託分割」、「新規信託分割」又は「信託の分割」をいう。

3項

この法律において、信託法の規定を引用する場合における当該規定については、第三十三条第三項の規定により読み替えて適用するものとされたものにあっては、当該読み替えて適用するものとされた規定をいうものとする。

1項

この法律における行政庁は、次の各号に掲げる公益信託の区分に応じ、当該各号に定める内閣総理大臣 又は都道府県知事とする。

一 号

次に掲げる公益信託

内閣総理大臣

公益事務を二以上の都道府県の区域内において行う旨を信託行為で定めるもの

国の事務 又は事業と密接な関連を有する公益事務であって政令で定めるものを行うもの
二 号

前号に掲げる公益信託以外の公益信託

その公益事務を行う区域を管轄する都道府県知事

1項

公益信託は、信託法第三条第一号 又は第二号に掲げる方法によってしなければならない。

2項
公益信託の信託行為においては、公益事務を行うことのみを目的とする旨のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 号

公益信託の名称(公益信託という文字を用いるものに限る第七条第二項第一号において同じ。

二 号

信託管理人(信託法第四章第四節第一款の信託管理人をいう。以下同じ。)となるべき者を指定する定め

三 号

帰属権利者(信託法第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者をいう。第八条第十三号において同じ。)となるべき者(委託者を除く)を指定する定め

四 号
その他内閣府令で定める事項
3項

公益信託においては、受益者の定めを設けることはできない。

1項
何人も、公益信託でないものについて、その名称 又は商号中に、公益信託であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
2項
何人も、不正の目的をもって、他の公益信託であると誤認されるおそれのある名称 又は商号を使用してはならない。
3項

前二項の規定に違反する名称 又は商号の使用によって公益事務に係る利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある公益信託の受託者は、その利益を侵害する者 又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止 又は予防を請求することができる。