労働者派遣契約(当事者の一方が相手方に対し労働者派遣をすることを約する契約をいう。以下同じ。)の当事者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣契約の締結に際し、次に掲げる事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣労働者の人数を定めなければならない。
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
第一節 労働者派遣契約
派遣労働者が従事する業務の内容
派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所の名称 及び所在地 その他派遣就業の場所 並びに組織単位(労働者の配置の区分であつて、配置された労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者が当該労働者の業務の配分に関して直接の権限を有するものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)
労働者派遣の役務の提供を受ける者のために、就業中の派遣労働者を直接指揮命令する者に関する事項
労働者派遣の期間 及び派遣就業をする日
派遣就業の開始 及び終了の時刻 並びに休憩時間
派遣労働者から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項
派遣労働者の新たな就業の機会の確保、派遣労働者に対する休業手当(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第二十六条の規定により使用者が支払うべき手当をいう。第二十九条の二において同じ。)等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担に関する措置 その他の労働者派遣契約の解除に当たつて講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
労働者派遣契約が紹介予定派遣に係るものである場合にあつては、当該職業紹介により従事すべき業務の内容 及び労働条件 その他の当該紹介予定派遣に関する事項
前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
前項に定めるもののほか、派遣元事業主は、労働者派遣契約であつて海外派遣に係るものの締結に際しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該海外派遣に係る役務の提供を受ける者が次に掲げる措置を講ずべき旨を定めなければならない。
第四十一条の派遣先責任者の選任
第四十二条第一項の派遣先管理台帳の作成、同項各号に掲げる事項の当該台帳への記載 及び同条第三項の厚生労働省令で定める条件に従つた通知
その他 厚生労働省令で定める当該派遣就業が適正に行われるため必要な措置
派遣元事業主は、第一項の規定により労働者派遣契約を締結するに当たつては、あらかじめ、当該契約の相手方に対し、第五条第一項の許可を受けている旨を明示しなければならない。
派遣元事業主から 新たな労働者派遣契約に基づく労働者派遣(第四十条の二第一項各号のいずれかに該当するものを除く。次項において同じ。)の役務の提供を受けようとする者は、第一項の規定により当該労働者派遣契約を締結するに当たつては、あらかじめ、当該派遣元事業主に対し、当該労働者派遣の役務の提供が開始される日以後当該労働者派遣の役務の提供を受けようとする者の事業所 その他派遣就業の場所の業務について同条第一項の規定に抵触することとなる最初の日を通知しなければならない。
派遣元事業主は、新たな労働者派遣契約に基づく労働者派遣の役務の提供を受けようとする者から前項の規定による通知がないときは、当該者との間で、当該者の事業所 その他派遣就業の場所の業務に係る労働者派遣契約を締結してはならない。
労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。
労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、第一項の規定により労働者派遣契約を締結するに当たつては、あらかじめ、派遣元事業主に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣に係る派遣労働者が従事する業務ごとに、比較対象労働者の賃金 その他の待遇に関する情報 その他の厚生労働省令で定める情報を提供しなければならない。
前項の「比較対象労働者」とは、当該労働者派遣の役務の提供を受けようとする者に雇用される通常の労働者であつて、その業務の内容 及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)並びに当該職務の内容 及び配置の変更の範囲が、当該労働者派遣に係る派遣労働者と同一であると見込まれるものその他の当該派遣労働者と待遇を比較すべき労働者として厚生労働省令で定めるものをいう。
派遣元事業主は、労働者派遣の役務の提供を受けようとする者から第七項の規定による情報の提供がないときは、当該者との間で、当該労働者派遣に係る派遣労働者が従事する業務に係る労働者派遣契約を締結してはならない。
派遣先は、第七項の情報に変更があつたときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、派遣元事業主に対し、当該変更の内容に関する情報を提供しなければならない。
労働者派遣の役務の提供を受けようとする者 及び派遣先は、当該労働者派遣に関する料金の額について、派遣元事業主が、第三十条の四第一項の協定に係る労働者派遣以外の労働者派遣にあつては第三十条の三の規定、同項の協定に係る労働者派遣にあつては同項第二号から 第五号までに掲げる事項に関する協定の定めを遵守することができるものとなるように配慮しなければならない。
労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派遣労働者の国籍、信条、性別、社会的身分、派遣労働者が労働組合の正当な行為をしたこと等を理由として、労働者派遣契約を解除してはならない。
労働者派遣をする事業主は、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者が、当該派遣就業に関し、この法律 又は第四節の規定により適用される法律の規定(これらの規定に基づく命令の規定を含む。第三十一条 及び第四十条の六第一項第五号において同じ。)に違反した場合においては、当該労働者派遣を停止し、又は当該労働者派遣契約を解除することができる。
労働者派遣契約の解除は、将来に向かつてのみ その効力を生ずる。
労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その者の都合による労働者派遣契約の解除に当たつては、当該労働者派遣に係る派遣労働者の新たな就業の機会の確保、労働者派遣をする事業主による当該派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担 その他の当該派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければならない。