性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律

# 令和四年法律第七十八号 #
略称 : AV出演被害防止・救済法 

第一条 # 目的


1項

この法律は、性行為映像制作物の制作公表により出演者の心身 及び私生活に将来にわたって取り返しの付かない重大な被害が生ずるおそれがあり、また、現に生じていることに鑑み、性行為映像制作物への出演に係る被害の発生 及び拡大の防止を図り、並びにその被害を受けた出演者の救済に資するために徹底した対策を講ずることが出演者の個人としての人格を尊重し、あわせてその心身の健康 及び私生活の平穏 その他の利益を保護するために不可欠であるとの認識の下に、性行為の強制の禁止 並びに他の法令による契約の無効 及び性行為 その他の行為の禁止 又は制限をいささかも変更するものではないとのこの法律の実施 及び解釈の基本原則を明らかにした上で、出演契約の締結 及び履行等に当たっての制作公表者等の義務、出演契約の効力の制限 及び解除 並びに差止請求権の創設等の厳格な規制を定める特則 並びに特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律平成十三年法律第百三十七号)の特例を定めるとともに、出演者等のための相談体制の整備等について定め、もって出演者の性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資することを目的とする。