居住者が、各年において、その有する株式(以下 この項において「旧株」という。)につき、その旧株を発行した法人の行つた株式交換(当該法人の株主に法人税法第二条第十二号の六の三(定義)に規定する株式交換完全親法人(以下 この項において「株式交換完全親法人」という。)又は株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人の発行済株式 若しくは出資(当該株式交換完全親法人が有する自己の株式 又は出資を除く。)の全部を直接 若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式(出資を含む。以下 この項において同じ。)以外の資産(当該株主に対する剰余金の配当として交付された金銭 その他の資産 及び株式交換に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭 その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式交換完全親法人に対し当該旧株の譲渡をし、かつ、当該株式の交付を受けた場合 又は その旧株を発行した法人の行つた特定無対価株式交換(当該法人の株主に株式交換完全親法人の株式 その他の資産が交付されなかつた株式交換で、当該法人の株主に対する株式交換完全親法人の株式の交付が省略されたと認められる株式交換として政令で定めるものをいう。)により当該旧株を有しないこととなつた場合には、第二十七条(事業所得)、第三十三条(譲渡所得)、第三十五条(雑所得)又は第五十九条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用については、これらの旧株の譲渡 又は贈与がなかつたものとみなす。
所得税法
第五款 資産の譲渡に関する総収入金額並びに必要経費及び取得費の計算の特例
居住者が、各年において、その有する株式(以下 この項において「旧株」という。)につき、その旧株を発行した法人の行つた株式移転(当該法人の株主に法人税法第二条第十二号の六の六に規定する株式移転完全親法人(以下 この項において「株式移転完全親法人」という。)の株式以外の資産(株式移転に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭 その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式移転完全親法人に対し当該旧株の譲渡をし、かつ、当該株式移転完全親法人の株式の交付を受けた場合には、第二十七条、第三十三条 又は第三十五条の規定の適用については、当該旧株の譲渡がなかつたものとみなす。
居住者が、各年において、その有する次の各号に掲げる有価証券を当該各号に定める事由により譲渡をし、かつ、当該事由により当該各号に規定する取得をする法人の株式(出資を含む。以下 この項において同じ。)又は新株予約権の交付を受けた場合(当該交付を受けた株式 又は新株予約権の価額が当該譲渡をした有価証券の価額とおおむね同額となつていないと認められる場合を除く。)には、第二十七条、第三十三条 又は第三十五条の規定の適用については、当該有価証券の譲渡がなかつたものとみなす。
取得請求権付株式(法人がその発行する全部 又は一部の株式の内容として株主等が当該法人に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。)
当該取得請求権付株式に係る請求権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該請求権の行使
取得条項付株式(法人がその発行する全部 又は一部の株式の内容として当該法人が一定の事由(以下 この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件として当該株式の取得をすることができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。)
当該取得条項付株式に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合(その取得の対象となつた種類の株式の全てが取得をされる場合には、その取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式 及び新株予約権のみが交付される場合を含む。)の当該取得事由の発生
全部取得条項付種類株式(ある種類の株式について、これを発行した法人が株主総会 その他これに類するものの決議(以下 この号において「取得決議」という。)によつてその全部の取得をする旨の定めがある場合の当該種類の株式をいう。)
当該全部取得条項付種類株式に係る取得決議によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式(当該株式と併せて交付される当該取得をする法人の新株予約権を含む。)以外の資産(当該取得の価格の決定の申立てに基づいて交付される金銭 その他の資産を除く。)が交付されない場合の当該取得決議
新株予約権付社債についての社債
当該新株予約権付社債に付された新株予約権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式が交付される場合の当該新株予約権の行使
取得条項付新株予約権(新株予約権について、これを発行した法人が一定の事由(以下 この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件としてこれを取得することができる旨の定めがある場合の当該新株予約権をいい、当該新株予約権を引き受ける者に特に有利な条件 又は金額で交付された当該新株予約権 その他の政令で定めるものを除く。)
当該取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる新株予約権者に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該取得事由の発生
取得条項付新株予約権(新株予約権について、これを発行した法人が一定の事由(以下 この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件としてこれを取得することができる旨の定めがある場合の当該新株予約権をいう。)が付された新株予約権付社債
当該取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる新株予約権者に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該取得事由の発生
前三項の規定の適用がある場合における居住者が取得した有価証券の取得価額の計算その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者が、各年において、一年以上有していた固定資産で次の各号に掲げるものをそれぞれ 他の者が一年以上有していた固定資産で当該各号に掲げるもの(交換のために取得したと認められるものを除く。)と交換し、その交換により取得した当該各号に掲げる資産(以下この条において「取得資産」という。)をその交換により譲渡した当該各号に掲げる資産(以下この条において「譲渡資産」という。)の譲渡の直前の用途と同一の用途に供した場合には、第三十三条(譲渡所得)の規定の適用については、当該譲渡資産(取得資産とともに金銭 その他の資産を取得した場合には、当該金銭の額 及び金銭以外の資産の価額に相当する部分を除く。)の譲渡がなかつたものとみなす。
土地(建物 又は構築物の所有を目的とする地上権 及び賃借権 並びに農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項(定義)に規定する農地(同法第四十三条第一項(農作物栽培高度化施設に関する特例)の規定により農作物の栽培を耕作に該当するものとみなして適用する同法第二条第一項に規定する農地を含む。)の上に存する耕作(同法第四十三条第一項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。)に関する権利を含む。)
建物(これに附属する設備 及び構築物を含む。)
鉱業権(租鉱権 及び採石権 その他土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)
前項の規定は、同項の交換の時における取得資産の価額と 譲渡資産の価額との差額がこれらの価額のうちいずれか多い価額の百分の二十に相当する金額を超える場合には、適用しない。
第一項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨、取得資産 及び譲渡資産の価額 その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合 又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出がなかつたこと 又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第一項の規定の適用を受けた居住者が取得資産について行うべき第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算 及び その償却の方法)に規定する償却費の計算及び その者が取得資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。) 又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。
贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。) 若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)
著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)
居住者が前項に規定する資産を個人に対し同項第二号に規定する対価の額により譲渡した場合において、当該対価の額が当該資産の譲渡に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上控除する必要経費 又は取得費 及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は、その山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、なかつたものとみなす。
居住者が次に掲げる事由により取得した前条第一項に規定する資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす。
贈与、相続(限定承認に係るものを除く。) 又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)
前条第二項の規定に該当する譲渡
前項の場合において、同項第一号に掲げる相続 又は遺贈により取得した次の各号に掲げる資産を譲渡したときにおける当該資産の取得費については、同項の規定にかかわらず、当該各号に定めるところによる。
配偶者居住権の目的となつている建物
当該建物に配偶者居住権が設定されていないとしたならば当該建物を譲渡した時において前項の規定により当該建物の取得費の額として計算される金額から 当該建物を譲渡した時において当該配偶者居住権が消滅したとしたならば次項の規定により配偶者居住権の取得費とされる金額を控除する。
配偶者居住権の目的となつている建物の敷地の用に供される土地(土地の上に存する権利を含む。以下 この号 及び次項第二号において同じ。)
当該建物に配偶者居住権が設定されていないとしたならば当該土地を譲渡した時において前項の規定により当該土地の取得費の額として計算される金額から 当該土地を譲渡した時において当該土地を当該配偶者居住権に基づき使用する権利が消滅したとしたならば次項の規定により当該権利の取得費とされる金額を控除する。
第一項の場合において、同項第一号に掲げる相続 又は遺贈により取得した次の各号に掲げる権利が消滅したときにおける譲渡所得の金額の計算については、同項の規定にかかわらず、当該各号に定めるところによる。
この場合において、第三十八条第二項(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)の規定は、適用しない。
配偶者居住権
当該相続 又は遺贈により当該配偶者居住権を取得した時において、その時に当該配偶者居住権の目的となつている建物を譲渡したとしたならば当該建物の取得費の額として計算される金額のうちその時における配偶者居住権の価額に相当する金額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額により当該配偶者居住権を取得したものとし、当該金額から 当該配偶者居住権の存続する期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額をもつて当該配偶者居住権の第三十八条第一項に規定する取得費とする。
配偶者居住権の目的となつている建物の敷地の用に供される土地を当該配偶者居住権に基づき使用する権利
当該相続 又は遺贈により当該権利を取得した時において、その時に当該土地を譲渡したとしたならば当該土地の取得費の額として計算される金額のうちその時における当該権利の価額に相当する金額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額により当該権利を取得したものとし、当該金額から当該配偶者居住権の存続する期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額をもつて当該権利の第三十八条第一項に規定する取得費とする。
居住者が前条第一項第一号に掲げる相続 又は遺贈により取得した資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その者が当該資産をその取得の時における価額に相当する金額により取得したものとみなす。
国外転出(国内に住所 及び居所を有しないこととなることをいう。以下この条において同じ。)をする居住者が、その国外転出の時において有価証券 又は第百七十四条第九号(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する匿名組合契約の出資の持分(株式を無償 又は有利な価額により取得することができる権利を表示する有価証券で第百六十一条第一項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得を生ずべきものその他の政令で定める有価証券を除く。以下 この条から 第六十条の四まで(外国転出時課税の規定の適用を受けた場合の譲渡所得等の特例)において「有価証券等」という。)を有する場合には、その者の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その国外転出の時に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額により、当該有価証券等の譲渡があつたものとみなす。
当該国外転出をする日の属する年分の確定申告書の提出の時までに国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をした場合、同項の規定による納税管理人の届出をしないで当該国外転出をした日以後に当該年分の確定申告書を提出する場合又は当該年分の所得税につき決定がされる場合
当該国外転出の時における当該有価証券等の価額に相当する金額
前号に掲げる場合以外の場合
当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に取得をした有価証券等にあつては、当該取得時)における当該有価証券等の価額に相当する金額
国外転出をする居住者が、その国外転出の時において決済していない金融商品取引法第百五十六条の二十四第一項(免許 及び免許の申請)に規定する信用取引 又は発行日取引(有価証券が発行される前にその有価証券の売買を行う取引であつて財務省令で定める取引をいう。)(以下 この条から 第六十条の四までにおいて「未決済信用取引等」という。)に係る契約を締結している場合には、その者の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その国外転出の時に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額の利益の額 又は損失の額が生じたものとみなす。
前項第一号に掲げる場合
当該国外転出の時に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額
前項第二号に掲げる場合
当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に契約の締結をした未決済信用取引等にあつては、当該締結の時)に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額
国外転出をする居住者が、その国外転出の時において決済していない金融商品取引法第二条第二十項(定義)に規定するデリバティブ取引(以下 この条から 第六十条の四までにおいて「未決済デリバティブ取引」という。)に係る契約を締結している場合には、その者の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その国外転出の時に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額の利益の額 又は損失の額が生じたものとみなす。
第一項第一号に掲げる場合
当該国外転出の時に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額
第一項第二号に掲げる場合
当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に契約の締結をした未決済デリバティブ取引にあつては、当該締結の時)に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額
国外転出の日の属する年分の所得税につき前三項(第八項(第九項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)又は第十項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用を受けた個人(その相続人を含む。)が、当該国外転出の時に有していた有価証券等 又は契約を締結していた未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引の譲渡(これに類するものとして政令で定めるものを含む。第八項において同じ。)又は決済をした場合における事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、次に定めるところによる。
ただし、同日の属する年分の所得税につき確定申告書の提出 及び決定がされていない場合における当該有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引、同日の属する年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上第一項各号、第二項各号 又は前項各号に掲げる場合の区分に応じ第一項各号、第二項各号 又は前項各号に定める金額が総収入金額に算入されていない有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引 並びに第六項本文(第七項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用があつた有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引については、この限りでない。
その有価証券等については、第一項各号に定める金額(第八項の規定により第一項の規定の適用を受けた場合には、当該有価証券等の第八項に規定する譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額)をもつて取得したものとみなす。
その未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済があつた場合には、当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額(以下 この号において「決済損益額」という。)から 当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る第二項各号 若しくは前項各号に定める利益の額に相当する金額を減算し、又は当該決済損益額に当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る第二項各号 若しくは前項各号に定める損失の額に相当する金額を加算するものとする。
前各項の規定は、国外転出をする時に有している有価証券等 並びに契約を締結している未決済信用取引等及び未決済デリバティブ取引の当該国外転出をする時における次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額が一億円未満である居住者又は当該国外転出をする日前十年以内に国内に住所 若しくは居所を有していた期間として政令で定める期間の合計が五年以下である居住者については、適用しない。
第一項第一号に掲げる場合
同号に定める金額、第二項第一号に定める金額 及び第三項第一号に定める金額の合計額
第一項第二号に掲げる場合
同号に定める金額、第二項第二号に定める金額 及び第三項第二号に定める金額の合計額
国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けるべき個人が、当該国外転出の時に有していた有価証券等 又は契約を締結していた未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引のうち次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるものについては、第一項から 第三項までの居住者の当該年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 これらの規定により行われたものとみなされた有価証券等の譲渡、未決済信用取引等の決済 及び未決済デリバティブ取引の決済の全てがなかつたものとすることができる。
ただし、当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額 若しくは雑所得の金額、当該未決済信用取引等の決済による事業所得の金額 若しくは雑所得の金額 又は当該未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 若しくは雑所得の金額(以下 この項において「有価証券等に係る譲渡所得等の金額」という。)につきその計算の基礎となるべき事実の全部 又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき確定申告書を提出し、又は確定申告書を提出していなかつたことにより、当該個人の当該国外転出の日から五年を経過する日までに決定 若しくは更正がされ、又は期限後申告書 若しくは修正申告書を提出した場合(同日までに期限後申告書 又は修正申告書の提出があつた場合において、その提出が、所得税についての調査があつたことにより当該所得税について決定 又は更正があることを予知してなされたものでないときを除く。)における当該隠蔽し、又は仮装した事実に基づく有価証券等に係る譲渡所得等の金額に相当する金額については、この限りでない。
当該個人が、当該国外転出の日から五年を経過する日までに帰国(国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有することとなることをいう。以下 この項 及び次条第六項において同じ。)をした場合
当該帰国の時まで引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引
当該個人が、当該国外転出の日から五年を経過する日までに当該国外転出の時に有していた有価証券等 又は締結していた未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約を贈与により居住者に移転した場合
当該贈与による移転があつた有価証券等、 未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引
当該国外転出の日から五年を経過する日までに当該個人が死亡したことにより、当該国外転出の時に有していた有価証券等 又は締結していた未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の相続(限定承認に係るものを除く。以下 この号において同じ。) 又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。以下 この号において同じ。)による移転があつた場合において、次に掲げる場合に該当することとなつたとき
当該相続 又は遺贈による移転があつた有価証券等、未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引
当該国外転出の日から五年を経過する日までに、当該相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた相続人 及び受遺者である個人(当該個人から 相続 又は遺贈により当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた個人を含む。ロにおいて同じ。)の全てが居住者となつた場合
当該個人について生じた第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)に規定する遺産分割等の事由により、当該相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた相続人 及び受遺者である個人に非居住者(当該国外転出の日から五年を経過する日までに帰国をした者を除く。)が含まれないこととなつた場合
国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人で第百三十七条の二第二項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けているものに係る前項の規定の適用については、
同項中 「五年」とあるのは、「十年」と
する。
国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人で第百三十七条の二第一項(同条第二項の規定により適用する場合を含む。第十項において同じ。)の規定による納税の猶予を受けているもの(その相続人を含む。)が、その納税の猶予に係る同条第一項に規定する満了基準日までに、当該国外転出の時から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡(その譲渡の時における価額より低い価額によりされる譲渡 その他の政令で定めるものを除く。以下 この項 及び次項において同じ。)若しくは決済 又は限定相続等(贈与、相続(限定承認に係るものに限る。)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)による移転をした場合において、当該譲渡に係る譲渡価額 若しくは当該限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額 又は当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 若しくは当該限定相続等の時に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 若しくは損失の額に相当する金額(次条第八項において「限定相続等時みなし信用取引等損益額」という。)若しくは当該限定相続等の時に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 若しくは損失の額に相当する金額(次条第八項において「限定相続等時みなしデリバティブ取引損益額」という。)が次に掲げる場合に該当するときにおける当該個人の当該国外転出の日の属する年分の所得税に係る第一項から 第三項までの規定の適用については、
第一項中
「次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額」とあるのは
「当該有価証券等の第八項に規定する譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額」と、
第二項中
「次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額の利益の額 又は損失の額」とあるのは
「第八項に規定する決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 又は限定相続等時みなし信用取引等損益額」と、
第三項中
「次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額の利益の額 又は損失の額」とあるのは
「第八項に規定する決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引損益額**」と
することができる。
当該有価証券等の譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額が当該国外転出の時における第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める価額に相当する金額(当該国外転出の時後に当該有価証券等を発行した法人の合併、分割 その他の政令で定める事由が生じた場合には、当該金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額。第十項第一号において同じ。)を下回るとき。
当該未決済信用取引等の決済によつて生じた利益の額に相当する金額 又は限定相続等時みなし信用取引等利益額(当該限定相続等の時に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額をいう。次条第八項第二号において同じ。)が、国外転出時みなし信用取引等利益額(当該国外転出の時における第二項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める利益の額に相当する金額をいう。第四号 並びに第十項第二号 及び第四号において同じ。)を下回るとき。
信用取引等損失額(当該未決済信用取引等の決済によつて生じた損失の額に相当する金額 又は限定相続等時みなし信用取引等損失額(当該限定相続等の時に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額をいう。次条第八項第三号において同じ。)をいう。次号において同じ。)が、国外転出時みなし信用取引等損失額(当該国外転出の時における第二項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める損失の額に相当する金額をいう。第十項第三号において同じ。)を上回るとき。
信用取引等損失額が生じた未決済信用取引等につき、国外転出時みなし信用取引等利益額が生じていたとき。
当該未決済デリバティブ取引の決済によつて生じた利益の額に相当する金額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引利益額(当該限定相続等の時に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額をいう。次条第八項第五号において同じ。)が、国外転出時みなしデリバティブ取引利益額(当該国外転出の時における第三項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める利益の額に相当する金額をいう。第七号 並びに第十項第五号 及び第七号において同じ。)を下回るとき。
デリバティブ取引損失額(当該未決済デリバティブ取引の決済によつて生じた損失の額に相当する金額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引損失額(当該限定相続等の時に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額をいう。次条第八項第六号において同じ。)をいう。次号において同じ。)が、国外転出時みなしデリバティブ取引損失額(当該国外転出の時における第三項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める損失の額に相当する金額をいう。第十項第六号において同じ。)を上回るとき。
デリバティブ取引損失額が生じた未決済デリバティブ取引につき、国外転出時みなしデリバティブ取引利益額が生じていたとき。
前項の規定は、国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けるべき個人でその国外転出の時までに国税通則法第百十七条第二項の規定による納税管理人の届出をしているものが、同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、同日から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした場合について準用する。
国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人で第百三十七条の二第一項の規定による納税の猶予を受けているもの(その相続人を含む。)が、同日から 五年を経過する日(その者が同条第二項の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日。以下 この項において同じ。)においてその国外転出の時から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引が次に掲げる場合に該当するときにおける当該個人の当該国外転出の日の属する年分の所得税に係る第一項から 第三項までの規定の適用については、
これらの規定中
「当該国外転出の時」とあり、
「当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に取得をした有価証券等にあつては、当該取得時)」とあり、「当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に契約の締結をした未決済信用取引等にあつては、当該締結の時)」とあり、
及び「当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に契約の締結をした未決済デリバティブ取引にあつては、当該締結の時)」とあるのは、
「当該国外転出の日から五年を経過する日(その者が第百三十七条の二第二項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日)」と
することができる。
当該五年を経過する日における当該有価証券等の価額に相当する金額が当該国外転出の時における第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める価額に相当する金額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額が、国外転出時みなし信用取引等利益額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額(次号において「五年経過日みなし信用取引等損失額」という。)が、国外転出時みなし信用取引等損失額を上回るとき。
当該五年経過日みなし信用取引等損失額が生じた未決済信用取引等につき、国外転出時みなし信用取引等利益額が生じていたとき。
当該五年を経過する日に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額が、国外転出時みなしデリバティブ取引利益額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額(次号において「五年経過日みなしデリバティブ取引損失額」という。)が、国外転出時みなしデリバティブ取引損失額を上回るとき。
当該五年経過日みなしデリバティブ取引損失額が生じた未決済デリバティブ取引につき、国外転出時みなしデリバティブ取引利益額が生じていたとき。
第六項から 前項までの規定の適用については、個人が国外転出の時後に次に掲げる事由により取得した有価証券等は、その者が引き続き所有していたものとみなす。
第一項の居住者が有する株式を発行した法人の行つた第五十七条の四第一項(株式交換等に係る譲渡所得等の特例)に規定する株式交換又は同条第二項に規定する株式移転
第一項の居住者が有する第五十七条の四第三項第一号に規定する取得請求権付株式、同項第二号に規定する取得条項付株式、同項第三号に規定する全部取得条項付種類株式、同項第四号に規定する新株予約権付社債、同項第五号に規定する取得条項付新株予約権 又は同項第六号に規定する取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債のこれらの号に定める請求権の行使、取得事由の発生、取得決議 又は行使
前二号に掲げるもののほか、政令で定める事由
第六項から 前項までに規定するもののほか、第一項から 第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者の有する有価証券等が、贈与、相続 又は遺贈(以下この条において「贈与等」という。)により非居住者に移転した場合には、その居住者の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、別段の定めがあるものを除き、その贈与等の時に、その時における価額に相当する金額により、当該有価証券等の譲渡があつたものとみなす。
居住者が締結している未決済信用取引等に係る契約が、贈与等により非居住者に移転した場合には、その居住者の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その贈与等の時に、当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額が生じたものとみなす。
居住者が締結している未決済デリバティブ取引に係る契約が、贈与等により非居住者に移転した場合には、その居住者の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その贈与等の時に、当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額が生じたものとみなす。
贈与の日 又は相続の開始の日(以下この条において「贈与等の日」という。)の属する年分の所得税につき前三項(第八項(第十項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)又は第十一項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用を受けた居住者から 有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた個人(その相続人を含む。)が、当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡(前条第四項に規定する譲渡をいう。第九項において同じ。)又は決済をした場合における事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、次に定めるところによる。
ただし、当該贈与等の日の属する年分の所得税につき確定申告書の提出 及び決定がされていない場合における当該有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引、当該贈与等の日の属する年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上有価証券等の当該贈与等の時における価額に相当する金額 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引の利益の額 若しくは損失の額に相当する金額が総収入金額に算入されていない当該有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引 並びに第六項前段(第七項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用があつた有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引については、この限りでない。
その有価証券等については、第一項の贈与等があつた時における当該有価証券等の価額に相当する金額(第八項の規定により第一項の規定の適用を受けた場合には当該有価証券等の第八項に規定する譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額とし、第十一項の規定により第一項の規定の適用を受けた場合には第十一項に規定する五年を経過する日における当該有価証券等の価額に相当する金額とする。)をもつて取得したものとみなす。
その未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済があつた場合には、当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額(以下 この号において「決済損益額」という。)から当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る第二項 若しくは前項に規定する利益の額に相当する金額を減算し、又は当該決済損益額に当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る第二項 若しくは前項に規定する損失の額に相当する金額を加算するものとする。
前各項の規定は、贈与等の時に有している有価証券等 並びに契約を締結している未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引の当該贈与等の時における有価証券等の価額に相当する金額並びに未決済信用取引等の第二項に規定する利益の額 若しくは損失の額に相当する金額及び未決済デリバティブ取引の第三項に規定する利益の額 若しくは損失の額に相当する金額の合計額が一億円未満である居住者又は当該贈与等の日前十年以内に国内に住所 若しくは居所を有していた期間として政令で定める期間の合計が五年以下である居住者については、適用しない。
贈与等の日の属する年分の所得税につき第一項から第三項までの規定の適用を受けるべき居住者から、当該贈与等により非居住者である受贈者、相続人 又は受遺者に移転した有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約のうち、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるものについては、第一項から 第三項までの居住者の当該年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 これらの規定により行われたものとみなされた有価証券等の譲渡、未決済信用取引等の決済 及び未決済デリバティブ取引の決済の全てがなかつたものとすることができる。
この場合においては、前条第六項ただし書の規定を準用する。
当該非居住者である受贈者 又は同一の被相続人から 相続 若しくは遺贈により財産を取得した全ての非居住者(以下 この号において「受贈者等」という。)が、当該贈与等の日から五年を経過する日までに帰国をした場合
当該受贈者等が当該帰国の時まで引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引
当該贈与等に係る非居住者である受贈者、相続人 又は受遺者が、当該贈与等の日から五年を経過する日までに当該贈与等により移転を受けた有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約を贈与により居住者に移転した場合
当該贈与による移転があつた有価証券等、未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引
当該贈与等の日から五年を経過する日までに当該贈与等に係る非居住者である受贈者、相続人 又は受遺者が死亡したことにより、当該贈与等により移転を受けた有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の相続(限定承認に係るものを除く。以下 この号において同じ。) 又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。以下 この号において同じ。)による移転があつた場合において、次に掲げる場合に該当することとなつたとき
当該相続 又は遺贈による移転があつた有価証券等、未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引
当該贈与等の日から五年を経過する日までに、当該相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた相続人 及び受遺者である個人(当該個人から 相続 又は遺贈により当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた個人を含む。ロにおいて同じ。)の全てが居住者となつた場合
当該非居住者について生じた第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)に規定する遺産分割等の事由により、当該相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた相続人 及び受遺者である個人に非居住者(当該贈与等の日から五年を経過する日までに帰国をした者を除く。)が含まれないこととなつた場合
贈与の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人(次項において「適用贈与者」という。)で第百三十七条の三第三項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けているもの又は相続の開始の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人(次項 及び第十一項において「適用被相続人等」という。)でその者の相続人が同条第三項の規定により同条第二項の規定による納税の猶予を受けているものに係る前項の規定の適用については、
同項中
「五年」とあるのは、
「十年」と
する。
適用贈与者で第百三十七条の三第一項(同条第三項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による納税の猶予を受けているもの(次項 及び第十一項において「猶予適用贈与者」という。)の受贈者 又は適用被相続人等の相続人で同条第二項(同条第三項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による納税の猶予を受けているもの(第十一項 及び第十二項において「猶予適用相続人」という。)が、その納税の猶予に係る基準日(同条第一項に規定する贈与満了基準日 又は同条第二項に規定する相続等満了基準日をいう。次項において同じ。)までに、その贈与等により非居住者に移転があつた有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡(前条第八項に規定する譲渡をいう。以下 この項 及び第十項において同じ。)若しくは決済 又は前条第八項に規定する限定相続等(以下 この項から 第十項までにおいて「限定相続等」という。)による移転をした場合において、当該譲渡に係る譲渡価額 若しくは当該限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額 又は当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 若しくは当該限定相続等に係る限定相続等時みなし信用取引等損益額 若しくは限定相続等時みなしデリバティブ取引損益額が次に掲げる場合に該当するときにおける当該適用贈与者 又は適用被相続人等の当該贈与等の日の属する年分の所得税に係る第一項から 第三項までの規定の適用については、
第一項中
「その時における価額に相当する金額」とあるのは
「当該有価証券等の第八項に規定する譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額」と、
第二項中
「当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額」とあるのは
「第八項に規定する決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 又は限定相続等時みなし信用取引等損益額」と、
第三項中
「当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額」とあるのは
「第八項に規定する決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引損益額」と
することができる。
当該有価証券等の譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額が当該贈与等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額(当該贈与等の時後に前条第八項第一号に規定する事由が生じた場合には、当該金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額。第十一項第一号において同じ。)を下回るとき。
当該未決済信用取引等の決済によつて生じた利益の額に相当する金額 又は限定相続等時みなし信用取引等利益額が、贈与等時みなし信用取引等利益額(当該贈与等の時における第二項に規定する利益の額に相当する金額をいう。第四号 並びに第十一項第二号 及び第四号において同じ。)を下回るとき。
信用取引等損失額(当該未決済信用取引等の決済によつて生じた損失の額に相当する金額 又は限定相続等時みなし信用取引等損失額をいう。次号において同じ。)が、贈与等時みなし信用取引等損失額(当該贈与等の時における第二項に規定する損失の額に相当する金額をいう。第十一項第三号において同じ。)を上回るとき。
信用取引等損失額が生じた未決済信用取引等につき、贈与等時みなし信用取引等利益額が生じていたとき。
当該未決済デリバティブ取引の決済によつて生じた利益の額に相当する金額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引利益額が、贈与等時みなしデリバティブ取引利益額(当該贈与等の時における第三項に規定する利益の額に相当する金額をいう。第七号 並びに第十一項第五号 及び第七号において同じ。)を下回るとき。
デリバティブ取引損失額(当該未決済デリバティブ取引の決済によつて生じた損失の額に相当する金額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引損失額をいう。次号において同じ。)が、贈与等時みなしデリバティブ取引損失額(当該贈与等の時における第三項に規定する損失の額に相当する金額をいう。第十一項第六号において同じ。)を上回るとき。
デリバティブ取引損失額が生じた未決済デリバティブ取引につき、贈与等時みなしデリバティブ取引利益額が生じていたとき。
猶予適用贈与者から贈与により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた非居住者で当該猶予適用贈与者(その相続人を含む。以下 この項において同じ。)からその贈与の日の属する年分の所得税につき第百三十七条の三第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている旨 及び当該納税の猶予に係る基準日の通知を受けたもの(その相続人を含む。)が、当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約を、その贈与の日から当該納税の猶予に係る基準日までの間に、譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした場合には、その者は、その譲渡 若しくは決済 又は限定相続等の日(当該限定相続等に係る相続人にあつては、その相続の開始があつたことを知つた日)から二月以内に、当該猶予適用贈与者に、当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした旨、その譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の種類、銘柄 及び数 その他参考となるべき事項を通知しなければならない。
前二項の規定は、次の各号に掲げる者が、それぞれ当該各号に定める期限までに、その贈与等により非居住者に移転があつた有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした場合について準用する。
この場合において、
前項中
「猶予適用贈与者から」とあるのは
「次項第一号に規定する個人から」と、
「受けた非居住者で当該猶予適用贈与者(その相続人を含む。以下 この項において同じ。)から その贈与の日の属する年分の所得税につき第百三十七条の三第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている旨 及び当該納税の猶予に係る基準日の通知を受けたもの」とあるのは
「受けた非居住者」と、
「当該納税の猶予に係る基準日まで」とあるのは
「同号に定める期限まで」と、
「当該猶予適用贈与者に」とあるのは
「当該個人に」と
読み替えるものとする。
贈与の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けるべき個人の受贈者
当該個人の同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限
相続の開始の日の属する年分の所得税につき第一項から第三項までの規定の適用を受けるべき個人(当該譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転の時において、当該個人から 相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた非居住者の全てが政令で定めるところにより国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしている場合における当該個人に限る。)の相続人
当該個人の同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限
猶予適用贈与者の受贈者 又は猶予適用相続人が、その贈与等の日から五年を経過する日(当該猶予適用贈与者 又は猶予適用相続人が第百三十七条の三第三項の規定により同条第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日。以下 この項において同じ。)においてその贈与等の日から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引が次に掲げる場合に該当するときにおける当該猶予適用贈与者 又は猶予適用相続人の適用被相続人等の当該贈与等の日の属する年分の所得税に係る第一項から 第三項までの規定の適用については、
これらの規定中
「その贈与等の時」とあるのは、
「当該贈与等の日から五年を経過する日(当該贈与等に係る第十一項に規定する猶予適用贈与者 又は猶予適用相続人が第百三十七条の三第三項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日)」と
することができる。
当該五年を経過する日における当該有価証券等の価額に相当する金額が当該贈与等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額が、贈与等時みなし信用取引等利益額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額(次号において「五年経過日みなし信用取引等損失額」という。)が、贈与等時みなし信用取引等損失額を上回るとき。
当該五年経過日みなし信用取引等損失額が生じた未決済信用取引等につき、贈与等時みなし信用取引等利益額が生じていたとき。
当該五年を経過する日に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額が、贈与等時みなしデリバティブ取引利益額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額(次号において「五年経過日みなしデリバティブ取引損失額」という。)が、贈与等時みなしデリバティブ取引損失額を上回るとき。
当該五年経過日みなしデリバティブ取引損失額が生じた未決済デリバティブ取引につき、贈与等時みなしデリバティブ取引利益額が生じていたとき。
第六項から 前項までの規定の適用については、これらの規定に規定する受贈者、相続人、受遺者 又は猶予適用相続人がこれらの規定に規定する贈与等の日後に前条第十一項各号に掲げる事由により取得した有価証券等は、当該受贈者、相続人、受遺者 又は猶予適用相続人が引き続き所有していたものとみなす。
第六項から 前項までに規定するもののほか、第一項から 第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者が外国転出時課税の規定の適用を受けた有価証券等の第六十条の二第四項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する譲渡をした場合における事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その外国転出時課税の規定により課される外国所得税(第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する外国所得税をいう。次項 及び第三項において同じ。)の額の計算において当該有価証券等の譲渡をしたものとみなして当該譲渡に係る所得の金額の計算上収入金額に算入することとされた金額をもつて、当該有価証券等の取得に要した金額とする。
居住者が外国転出時課税の規定の適用を受けた未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済をした場合における事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額(以下 この項において「決済損益額」という。)から その外国転出時課税の規定により課される外国所得税の額の計算において当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引の決済をしたものとみなして算出された利益の額に相当する金額を減算し、又は当該決済損益額に当該外国所得税の額の計算において当該決済をしたものとみなして算出された損失の額に相当する金額を加算する。
前二項に規定する外国転出時課税の規定とは、外国における第六十条の二第一項に規定する国外転出に相当する事由 その他政令で定める事由が生じた場合に同項から 同条第三項までの規定に相当する当該外国の法令の規定によりその有している有価証券等 又は契約を締結している未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引の譲渡 又は決済があつたものとみなして外国所得税を課することとされている場合における当該外国の法令の規定をいう。
第一項 及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
山林所得の基因となる山林が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた山林である場合には、その山林に係る山林所得の金額の計算上控除する必要経費は、その山林の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額と その山林につき同日以後に支出した管理費、伐採費 その他 その山林の育成 又は譲渡に要した費用の額との合計額とする。
譲渡所得の基因となる資産(次項 及び第四項に規定する資産を除く。)が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた資産である場合には、その資産に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その資産の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額(当該金額がその資産の取得に要した金額と同日前に支出した設備費 及び改良費の額との合計額に満たないことが証明された場合には、当該合計額)と その資産につき同日以後に支出した設備費 及び改良費の額との合計額とする。
譲渡所得の基因となる資産が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた資産で、第三十八条第二項(使用 又は期間の経過により減価する資産の取得費)の規定に該当するものである場合には、その資産に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その資産の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額(当該金額がその資産の取得に要した金額と同日前に支出した設備費 及び改良費の額との合計額を基礎として政令で定めるところにより計算した同日におけるその資産の価額に満たないことが証明された場合には、当該価額)と その資産につき同日以後に支出した設備費 及び改良費の額との合計額から、その資産を同日において当該計算した金額をもつて取得したものとみなした場合に計算される同項各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。
有価証券につき譲渡所得の金額を計算する場合において、譲渡所得の金額の計算上控除する有価証券の取得費の計算の基礎となる金額のうちに昭和二十七年十二月三十一日以前に取得した有価証券の取得に要した金額が含まれているときは、その取得した有価証券の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額(当該金額がその有価証券の取得に要した金額に満たないことが証明された場合には、その取得に要した金額)をもつて、その取得した有価証券の取得に要した金額とする。
居住者が、災害 又は盗難 若しくは横領により、生活に通常必要でない資産として政令で定めるものについて受けた損失の金額(保険金、損害賠償金 その他 これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)は、政令で定めるところにより、その者のその損失を受けた日の属する年分 又は その翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなす。
前項に規定する損失の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。