武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律

# 平成十六年法律第百十二号 #
略称 : 国民保護法 

第百二十五条 # 文化財保護の特例

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十六号による改正

1項

文化庁長官は、武力攻撃災害による重要文化財等(重要文化財(文化財保護法昭和二十五年法律第二百十四号第二十七条第一項の重要文化財をいう。)、重要有形民俗文化財(同法第七十八条第一項の重要有形民俗文化財をいう。)又は史跡名勝天然記念物(同法第百九条第一項の史跡名勝天然記念物をいう。)をいう。以下この項 及び第三項において同じ。)の滅失、き損 その他の被害を防止するため特に必要があると認めるときは、当該重要文化財等の所有者、管理責任者(同法第三十一条第二項同法第八十条において準用する場合を含む。)及び同法第百十九条第二項の管理責任者をいう。)、管理団体(同法第三十二条の二第五項同法第八十条において準用する場合を含む。)及び同法第百十五条第一項の管理団体をいう。)又は同法第百七十二条第一項の規定により重要文化財等を管理する地方公共団体 その他の法人(以下この条において「所有者等」という。)に対し、当該重要文化財等について、所在の場所 又は管理の方法の変更 その他その保護に関し必要な措置を講ずべきことを命じ、又は勧告することができる。

2項

文化財保護法第三十六条第二項 及び第三項 並びに第百八十八条第三項の規定は、前項の場合について準用する。

3項

第一項の規定による命令 又は勧告に従って必要な措置を講じようとする重要文化財等の所有者等は、文化庁長官に対し、当該重要文化財等の保護のため必要な支援を求めることができる。

4項

第一項の場合において、国宝(文化財保護法第二十七条第二項の国宝をいう。以下この条 及び第百九十二条第三号において同じ。)若しくは特別史跡名勝天然記念物(同法第百九条第二項の特別史跡名勝天然記念物をいう。以下この条 及び第百九十二条第三号において同じ。)の所有者等が第一項の規定による命令に従わないとき、又は所有者等に国宝 若しくは特別史跡名勝天然記念物の滅失、き損 その他の被害を防止するための措置を講じさせることが適当でないと認めるときは、文化庁長官は、当該国宝 又は特別史跡名勝天然記念物について、自ら滅失、き損 その他の被害を防止するため必要な措置を講ずることができる。

5項

文化財保護法第三十八条第二項第三十九条第一項 及び第二項 並びに第百八十六条第一項の規定は、前項の場合について準用する。

6項

文化財保護法第三十九条第一項 及び第二項の規定は、都道府県の教育委員会(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十三条第一項の条例の定めるところによりその長が文化財の保護に関する事務を管理し、及び執行することとされた都道府県にあっては、当該都道府県の知事。次項において同じ。)が前項において準用する文化財保護法第百八十六条第一項の規定による委託に基づいて第四項の措置を講ずる場合について準用する。

7項

国宝 又は特別史跡名勝天然記念物の所有者等は、正当な理由がなくて、第四項の規定に基づいて文化庁長官が講ずる措置 又は第五項において準用する文化財保護法第百八十六条第一項の規定による委託に基づいて都道府県の教育委員会が講ずる措置を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。