武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律

# 平成十六年法律第百十二号 #
略称 : 国民保護法 

第百二条 # 生活関連等施設の安全確保

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十六号による改正

1項

都道府県知事は、武力攻撃事態等において、武力攻撃災害の発生 又はその拡大を防止するため、次の各号いずれかに該当する施設で政令で定めるもの(以下この条において「生活関連等施設」という。)のうち当該都道府県の区域内に所在するものの安全の確保が特に必要であると認めるときは、関係機関の意見を聴いて、当該生活関連等施設の管理者に対し、当該生活関連等施設の安全の確保のため必要な措置を講ずるよう要請することができる。

一 号

国民生活に関連を有する施設で、その安全を確保しなければ国民生活に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるもの

二 号

その安全を確保しなければ周辺の地域に著しい被害を生じさせるおそれがあると認められる施設

2項

指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長は、武力攻撃事態等において、武力攻撃災害の発生 又はその拡大を防止するため、生活関連等施設の安全の確保が緊急に必要であると認めるときは、関係機関の意見を聴いて、自ら前項の規定による要請を行うことができる。


この場合において、当該要請を行ったときは、直ちに、その旨を当該生活関連等施設の所在する都道府県の知事に通知しなければならない。

3項

指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長 並びに地方公共団体の長等は、武力攻撃事態等においては、武力攻撃災害の発生 又はその拡大を防止するため、それぞれその国民の保護に関する計画で定めるところにより、生活関連等施設のうちその管理に係るものについて、警備の強化 その他当該生活関連等施設の安全の確保に関し必要な措置を講じなければならない。

4項

第一項 若しくは第二項の規定による要請に応じて必要な措置を講じようとする生活関連等施設の管理者 又は前項の規定により必要な措置を講じようとする指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 若しくは地方公共団体の長等は、都道府県警察、消防機関(消防組織法昭和二十二年法律第二百二十六号第九条各号に掲げる機関をいう。第百十九条第三項 及び第四項において同じ。)その他の行政機関に対し、その管理に係る生活関連等施設の安全の確保のため必要な支援を求めることができる。

5項

都道府県公安委員会 又は海上保安部長等は、武力攻撃事態等において、武力攻撃災害の発生 又はその拡大を防止するため、都道府県知事から要請があったとき、又は事態に照らして特に必要があると認めるときは、生活関連等施設の敷地 及びその周辺の区域のうち、当該生活関連等施設の安全を確保するため立入りを制限する必要があるものを、立入制限区域として指定することができる。

6項

都道府県公安委員会 及び海上保安部長等は、前項の立入制限区域を指定したときは、速やかに、その旨を生活関連等施設の管理者に通知するとともに、その立入制限区域の範囲、立入りを制限する期間 その他必要な事項を公示しなければならない。

7項

警察官 又は海上保安官は、第五項の立入制限区域が指定されたときは、特に生活関連等施設の管理者の許可を得た者以外の者に対し、当該立入制限区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該立入制限区域からの退去を命ずることができる。

8項

内閣総理大臣は、武力攻撃事態等において、武力攻撃災害の発生 又はその拡大を防止するため、生活関連等施設 及びその周辺の地域の安全の確保が特に必要であると認めるときは、対処基本方針に基づき、関係大臣を指揮し、危険の防除、周辺住民の避難 その他当該生活関連等施設の安全の確保に関し必要な措置を講じさせることができる。


この場合において、国家公安委員会は、関係都道府県公安委員会に対し、第五項の規定による立入制限区域の指定について必要な指示をすることができる。