民事執行法

# 昭和五十四年法律第四号 #
略称 : 民執法 

第百九十七条 # 実施決定

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第十七号による改正

1項

執行裁判所は、次の各号いずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。


ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。

一 号

強制執行 又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く)において、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。

二 号

知れている財産に対する強制執行を実施しても、申立人が当該金銭債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。

2項

執行裁判所は、次の各号いずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、当該債務者について、財産開示手続を実施する旨の決定をしなければならない。

一 号

強制執行 又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より六月以上前に終了したものを除く)において、申立人が当該先取特権の被担保債権の完全な弁済を得ることができなかつたとき。

二 号

知れている財産に対する担保権の実行を実施しても、申立人が前号の被担保債権の完全な弁済を得られないことの疎明があつたとき。

3項

前二項の規定にかかわらず、債務者(債務者に法定代理人がある場合にあつては当該法定代理人、債務者が法人である場合にあつてはその代表者。第一号において同じ。)が前二項の申立ての日前三年以内に財産開示期日(財産を開示すべき期日をいう。以下同じ。)においてその財産について陳述をしたものであるときは、財産開示手続を実施する旨の決定をすることができない


ただし次の各号に掲げる事由のいずれかがある場合は、この限りでない。

一 号

債務者が当該財産開示期日において一部の財産を開示しなかつたとき。

二 号

債務者が当該財産開示期日の後に新たに財産を取得したとき。

三 号

当該財産開示期日の後に債務者と使用者との雇用関係が終了したとき。

4項

第一項 又は第二項の決定がされたときは、当該決定(同項の決定にあつては、当該決定 及び同項の文書の写し)を債務者に送達しなければならない。

5項

第一項 又は第二項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

6項

第一項 又は第二項の決定は、確定しなければその効力を生じない。