民法

# 明治二十九年法律第八十九号 #

第五節 債務の引受け

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


第一款 併存的債務引受

1項

併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。

2項

併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。

3項

併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができる。


この場合において、併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずる。

4項

前項の規定によってする併存的債務引受は、第三者のためにする契約に関する規定に従う。

1項

引受人は、併存的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。

2項

債務者が債権者に対して取消権 又は解除権を有するときは、引受人は、これらの権利の行使によって債務者がその債務を免れるべき限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。

第二款 免責的債務引受

1項

免責的債務引受の引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。

2項

免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。


この場合において、免責的債務引受は、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる。

3項

免責的債務引受は、債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによってもすることができる。

1項

引受人は、免責的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。

2項

債務者が債権者に対して取消権 又は解除権を有するときは、引受人は、免責的債務引受がなければこれらの権利の行使によって債務者がその債務を免れることができた限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。

1項

免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。

1項

債権者は、第四百七十二条第一項の規定により債務者が免れる債務の担保として設定された担保権を引受人が負担する債務に移すことができる。


ただし、引受人以外の者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。

2項

前項の規定による担保権の移転は、あらかじめ 又は同時に引受人に対してする意思表示によってしなければならない。

3項

前二項の規定は、第四百七十二条第一項の規定により債務者が免れる債務の保証をした者があるときについて準用する。

4項

前項の場合において、同項において準用する第一項の承諾は、書面でしなければ、その効力を生じない。

5項

前項の承諾がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その承諾は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。