消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律

# 平成二十五年法律第九十六号 #
略称 : 集団訴訟法  消費者裁判手続特例法  消費者訴訟法 

第三条 # 共通義務確認の訴え

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正

1項

特定適格消費者団体は、事業者が消費者に対して負う金銭の支払義務であって消費者契約に関する第一号から第四号までに掲げる請求 及び第五号イからハまでに掲げる者が消費者に対して負う金銭の支払義務であって消費者契約に関する同号に掲げる請求(これらに附帯する利息、損害賠償、違約金 又は費用の請求を含む。)に係るものについて、共通義務確認の訴えを提起することができる。

一 号
契約上の債務の履行の請求
二 号
不当利得に係る請求
三 号
契約上の債務の不履行による損害賠償の請求
四 号

不法行為に基づく損害賠償の請求(民法明治二十九年法律第八十九号)の規定によるものに限り、次号に係る部分に限る)に掲げるものを除く

五 号

事業者の被用者が消費者契約に関する業務の執行について第三者に損害を加えたことを理由とする次のイからハまでに掲げる者に対する当該イからハまでに定める請求

事業者(当該被用者の選任 及びその事業の監督について故意又は重大な過失により相当の注意を怠ったものに限る。第三項第三号において同じ。

民法第七百十五条第一項の規定による損害賠償の請求

事業監督者(当該被用者の選任 及びその事業の監督について故意 又は重大な過失により相当の注意を怠ったものに限る。第三項第三号ロにおいて同じ。

民法第七百十五条第二項の規定による損害賠償の請求

被用者(第三者に損害を加えたことについて故意 又は重大な過失があるものに限る。第三項第三号ハにおいて同じ。

不法行為に基づく損害賠償の請求(民法の規定によるものに限る。

2項

次に掲げる損害については、前項第三号から第五号までに掲げる請求に係る金銭の支払義務についての共通義務確認の訴えを提起することができない

一 号

契約上の債務の不履行 又は不法行為により、物品、権利 その他の消費者契約の目的となるもの(役務を除く次号において同じ。以外の財産が滅失し、又は損傷したことによる損害

二 号

消費者契約の目的となるものの提供があるとすればその処分 又は使用により得るはずであった利益を喪失したことによる損害

三 号

契約上の債務の不履行 又は不法行為により、消費者契約による製造、加工、修理、運搬 又は保管に係る物品 その他の消費者契約の目的となる役務の対象となったもの以外の財産が滅失し、又は損傷したことによる損害

四 号

消費者契約の目的となる役務の提供があるとすれば当該役務を利用すること 又は当該役務の対象となったものを処分し、若しくは使用することにより得るはずであった利益を喪失したことによる損害

五 号
人の生命 又は身体を害されたことによる損害
六 号

精神上の苦痛を受けたことによる損害(その額の算定の基礎となる主要な事実関係が相当多数の消費者について共通するものであり、かつ、次の 又はいずれかに該当するものを除く

共通義務確認の訴えにおいて一の訴えにより、前項各号に掲げる請求(同項第三号から第五号までに掲げる請求にあっては、精神上の苦痛を受けたことによる損害に係る請求を含まないものに限る。以下このにおいて「財産的請求」という。)と併せて請求されるものであって、財産的請求と共通する事実上の原因に基づくもの

事業者の故意によって生じたもの

3項

次の各号に掲げる請求に係る金銭の支払義務についての共通義務確認の訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。

一 号

第一項第一号から第三号までに掲げる請求

消費者契約の相手方である事業者

二 号

第一項第四号に掲げる請求

消費者契約の相手方である事業者 若しくはその債務の履行をする事業者 又は消費者契約の締結について勧誘をし、当該勧誘をさせ、若しくは当該勧誘を助長する事業者

三 号

第一項第五号に掲げる請求

次に掲げる者

消費者契約の相手方である事業者 若しくはその債務の履行をする事業者 又は消費者契約の締結について勧誘をし、当該勧誘をさせ、若しくは当該勧誘を助長する事業者であって、当該事業者の消費者契約に関する業務の執行について第三者に損害を加えた被用者を使用するもの

に掲げる事業者の事業監督者

に掲げる事業者の被用者であって、当該事業者の消費者契約に関する業務の執行について第三者に損害を加えたもの

4項

裁判所は、共通義務確認の訴えに係る請求を認容する判決をしたとしても、事案の性質、当該判決を前提とする簡易確定手続において予想される主張 及び立証の内容 その他の事情を考慮して、当該簡易確定手続において対象債権の存否 及び内容を適切かつ迅速に判断することが困難であると認めるときは、共通義務確認の訴えの全部 又は一部を却下することができる。