破産法

# 平成十六年法律第七十五号 #

第二節 最後配当

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十三号
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

破産管財人は、一般調査期間の経過後 又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下 この章 及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。

2項
破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。
3項

裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。

1項

破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。

一 号
最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名 又は名称 及び住所
二 号
最後配当の手続に参加することができる債権の額
三 号
最後配当をすることができる金額
2項

前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権 及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。

3項

破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。


この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。

4項

前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る)を有する者について準用する。

1項

破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額 及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。

2項

前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

3項

第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。

1項

異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日 又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続 又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。

2項

停止条件付債権 又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下 この節 及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。

3項

別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部 若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。

4項

第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。

5項

第三項の規定は、準別除権者について準用する。

1項

次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。

一 号
破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。
二 号

前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。

三 号

前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。

2項

前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。

1項

届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。

2項

裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。

3項

第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。


この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。

4項

第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判 及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

1項

破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。

2項

破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。

3項

解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。

4項

第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者 又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない

5項

第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号 及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。


この場合においては、当該配当額について、当該 他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。

6項

次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。

7項

破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く)に通知しなければならない。

1項

破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。

一 号

異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項 若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続 又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額

二 号

租税等の請求権 又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く) その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額

三 号
破産債権者が受け取らない配当額
1項

第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない