競争の導入による公共サービスの改革に関する法律

# 平成十八年法律第五十一号 #
略称 : 市場化テスト法  公共サービス改革法 

第三十三条の二 # 不動産登記法等の特例

@ 施行日 : 令和六年三月一日 ( 2024年 3月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第十七号による改正

1項

法務大臣は、次に掲げる登記所の業務(以下この条において「特定業務」という。)を、官民競争入札 又は民間競争入札の対象とすることができる。

一 号

不動産登記法平成十六年法律第百二十三号第百十九条第一項の規定に基づく同項に規定する登記事項証明書の交付 及び同条第二項の規定に基づく同項の書面の交付に係る業務

二 号

不動産登記法第百二十条第一項の規定に基づく同項に規定する地図等(以下この号において単に「地図等」という。)の全部 又は一部の写し(地図等が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付 及び同法第百二十条第二項の規定に基づく地図等(地図等が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧に係る業務

三 号

不動産登記法第百二十一条第一項の規定に基づく同項の図面の全部 又は一部の写し(当該図面が電磁的記録に記録されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付 及び同条第二項の規定に基づく同項の図面の閲覧に係る業務

四 号

不動産登記法第百二十一条第三項 又は第四項の規定に基づくこれらの規定の登記簿の附属書類の閲覧に係る業務(同条第三項の正当な理由の有無の審査に係るものを除く

五 号

不動産登記法第百四十九条第一項の規定に基づく同項に規定する筆界特定書等(以下この号において単に「筆界特定書等」という。)の写し(筆界特定書等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付 及び同条第二項の規定に基づく筆界特定書等(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの。次号において同じ。)の閲覧に係る業務

六 号

不動産登記法第百四十九条第二項の規定に基づく同法第百四十五条に規定する筆界特定手続記録(電磁的記録にあっては、記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したもの)の閲覧(前号の筆界特定書等の閲覧を除く)に係る業務(同項ただし書の利害関係の有無の審査に係るものを除く

七 号

商業登記法昭和三十八年法律第百二十五号第十条第一項他の法令において準用する場合を含む。)の規定に基づく同項に規定する登記事項証明書の交付 及び同法第十一条他の法令において準用する場合を含む。)の規定に基づく同条の書面の交付に係る業務

八 号

商業登記法第十一条の二他の法令において準用する場合を含む。)の規定に基づく同条の登記簿の附属書類の閲覧に係る業務(同条の利害関係の有無の審査に係るものを除く

九 号

商業登記法第十二条第一項他の法令において準用する場合を含む。)の規定に基づく同項の印鑑の証明書の交付に係る業務

十 号

外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律明治三十一年法律第十四号第八条において準用する不動産登記法第百十九条第一項の規定に基づく同項に規定する登記事項証明書の交付 及び外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第八条において準用する不動産登記法第百十九条第二項の規定に基づく同項の書面の交付 並びに外国法人の登記及び夫婦財産契約の登記に関する法律第八条において準用する不動産登記法第百二十一条第三項 又は第四項の規定に基づくこれらの規定の登記簿の附属書類の閲覧に係る業務(閲覧については、同条第三項の正当な理由の有無の審査に係るものを除く

十一 号

抵当証券法昭和六年法律第十五号)第四十一条において読み替えて準用する不動産登記法第百十九条第一項の規定に基づく同項の抵当証券の控えの謄本 又は抄本の交付 並びに抵当証券法第四十一条において読み替えて準用する不動産登記法第百二十一条第三項 又は第四項の規定に基づくこれらの規定の抵当証券の控え 及びその附属書類の閲覧に係る業務(閲覧については、同条第三項の正当な理由の有無の審査に係るものを除く

十二 号

動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律平成十年法律第百四号第十三条第一項の規定に基づく同項に規定する概要記録事項証明書の交付に係る業務

十三 号

前各号に掲げるもののほか、登記所において公開される帳簿、書類 若しくは電磁的記録の閲覧 又はこれらに記載され、若しくは記録された事項を記載した書面の交付に係る業務であって法務省令で定めるもの

2項

特定業務を実施する公共サービス実施民間事業者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する者でなければならない。

一 号
その人的構成に照らして、特定業務を適正かつ確実に実施することができる知識 及び能力を有していること。
二 号
個人情報の適正な取扱いを確保するための措置 その他特定業務を適正かつ確実に実施するために必要な措置として法務省令で定める措置が講じられていること。
三 号
その他法務省令で定める要件に適合するものであること。
3項

公共サービス実施民間事業者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員 その他の特定業務に従事する者(以下この条において「特定業務従事者」という。)又は特定業務従事者であった者は、第二十五条第一項に規定する秘密を漏らし、又は盗用することとならない場合であっても、特定業務の実施に関して知り得た情報を、特定業務の用に供する目的以外に利用してはならない。

4項
特定業務従事者は、登記官が管理する帳簿、書類 及び電磁的記録 その他の国が管理する設備 及び物品であって、特定業務の用に供するものについて、使用、保管 その他の取扱いをするときは、これを適正に行わなければならない。
5項

公共サービス実施民間事業者は、特定業務の実施状況を、法務省令で定めるところにより、定期的に、法務大臣に報告しなければならない。

6項

法務大臣は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、期間を定めて、公共サービス実施民間事業者の実施する特定業務の全部 又は一部の停止を命ずることができる。

一 号

公共サービス実施民間事業者が、第二項各号に掲げる要件を満たさなくなったとき。

二 号

特定業務従事者が、第三項 又は第四項の規定に違反したとき。

三 号

公共サービス実施民間事業者が、前項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

四 号

公共サービス実施民間事業者が、第二十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

五 号

公共サービス実施民間事業者が、第二十七条第一項の規定による指示に違反したとき。

7項

法務大臣は、前項の規定により特定業務の全部 又は一部の停止を命じたときは、その旨、その理由、当該公共サービス実施民間事業者の氏名 又は名称 並びに当該停止を命じた特定業務の内容 及びその期間を、官民競争入札等監理委員会に通知するとともに、遅滞なく、公表しなければならない。

8項

法務大臣は、第六項第二号 又は第三号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、第二十条第一項の契約を解除することができる。

9項

前各項に定めるもののほか、公共サービス実施民間事業者による特定業務の実施に関し必要な事項は、法務省令で定める。