会社法

# 平成十七年法律第八十六号 #

第六節 剰余金の配当等に関する責任

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年六月十四日 ( 2023年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十三号による改正
最終編集日 : 2024年 10月13日 07時55分


1項

次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下 この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。

一 号

第百三十八条第一号ハ 又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り

二 号

第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合 又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る

三 号

第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得

四 号

第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得

五 号

第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り

六 号

第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り

七 号

第二百三十四条第四項第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による当該株式会社の株式の買取り

八 号
剰余金の配当
2項

前項に規定する「分配可能額」とは、第一号 及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下 この節において同じ。)。

一 号
剰余金の額
二 号

臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額

第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額

第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額

三 号
自己株式の帳簿価額
四 号

最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額

五 号

第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額

六 号

前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額

1項

前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者 並びに当該行為に関する職務を行った業務執行者(業務執行取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役。以下 この項において同じ。)その他当該業務執行取締役の行う業務の執行に職務上関与した者として法務省令で定めるものをいう。以下 この節において同じ。) 及び当該行為が次の各号に掲げるものである場合における当該各号に定める者は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う。

一 号

前条第一項第二号に掲げる行為

次に掲げる者

第百五十六条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役(当該株主総会に議案を提案した取締役として法務省令で定めるものをいう。以下 この項において同じ。

第百五十六条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の金銭等の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役(当該取締役会に議案を提案した取締役(指名委員会等設置会社にあっては、取締役 又は執行役)として法務省令で定めるものをいう。以下 この項において同じ。

二 号

前条第一項第三号に掲げる行為

次に掲げる者

第百五十七条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

第百五十七条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第三号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

三 号

前条第一項第四号に掲げる行為

第百七十一条第一項の株主総会(当該株主総会の決議によって定められた同項第一号に規定する取得対価の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合における当該株主総会に限る)に係る総会議案提案取締役

四 号

前条第一項第六号に掲げる行為

次に掲げる者

第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

第百九十七条第三項後段の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた同項第二号の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

五 号

前条第一項第七号に掲げる行為

次に掲げる者

第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。 )の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

第二百三十四条第四項後段(第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた第二百三十四条第四項第二号第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。 )の総額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

六 号

前条第一項第八号に掲げる行為

次に掲げる者

第四百五十四条第一項の規定による決定に係る株主総会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該株主総会に係る総会議案提案取締役

第四百五十四条第一項の規定による決定に係る取締役会の決議があった場合(当該決議によって定められた配当財産の帳簿価額が当該決議の日における分配可能額を超える場合に限る)における当該取締役会に係る取締役会議案提案取締役

2項

前項の規定にかかわらず、業務執行者 及び同項各号に定める者は、その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したときは、同項の義務を負わない。

3項

第一項の規定により業務執行者 及び同項各号に定める者の負う義務は、免除することができないただし前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額を限度として当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合は、この限りでない。

1項

前条第一項に規定する場合において、株式会社が第四百六十一条第一項各号に掲げる行為により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額が当該行為がその効力を生じた日における分配可能額を超えることにつき善意の株主は、当該株主が交付を受けた金銭等について、前条第一項の金銭を支払った業務執行者及び同項各号に定める者からの求償の請求に応ずる義務を負わない。

2項

前条第一項に規定する場合には、株式会社の債権者は、同項の規定により義務を負う株主に対し、その交付を受けた金銭等の帳簿価額(当該額が当該債権者の株式会社に対して有する債権額を超える場合にあっては、当該債権額)に相当する金銭を支払わせることができる。

1項

株式会社が第百十六条第一項 又は第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じて株式を取得する場合において、当該請求をした株主に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超えるときは、当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は、株式会社に対し、連帯して、その超過額を支払う義務を負う。ただし、その者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

2項

前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない

1項

株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、当該行為をした日の属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた時における第四百六十一条第二項第三号第四号 及び第六号に掲げる額の合計額が同項第一号に掲げる額を超えるときは、当該各号に掲げる行為に関する職務を行った業務執行者は、当該株式会社に対し、連帯して、その超過額(当該超過額が当該各号に定める額を超える場合にあっては、当該各号に定める額)を支払う義務を負う。ただし、当該業務執行者がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。

一 号

第百三十八条第一号ハ 又は第二号ハの請求に応じて行う当該株式会社の株式の買取り

当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

二 号

第百五十六条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得(第百六十三条に規定する場合 又は第百六十五条第一項に規定する場合における当該株式会社による株式の取得に限る

当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

三 号

第百五十七条第一項の規定による決定に基づく当該株式会社の株式の取得

当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

四 号

第百六十七条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得

当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

五 号

第百七十条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得

当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

六 号

第百七十三条第一項の規定による当該株式会社の株式の取得

当該株式の取得により株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

七 号

第百七十六条第一項の規定による請求に基づく当該株式会社の株式の買取り

当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

八 号

第百九十七条第三項の規定による当該株式会社の株式の買取り

当該株式の買取りにより株主に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

九 号

次の 又はに掲げる規定による当該株式会社の株式の買取り

当該株式の買取りにより当該イ 又はロに定める者に対して交付した金銭等の帳簿価額の総額

第二百三十四条第四項

同条第一項各号に定める者

第二百三十五条第二項において準用する第二百三十四条第四項

株主

十 号

剰余金の配当(次のイからハまでに掲げるものを除く

当該剰余金の配当についての第四百四十六条第六号イからハまでに掲げる額の合計額

定時株主総会(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、定時株主総会 又は第四百三十六条第三項の取締役会)において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合における剰余金の配当

第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額 )が第四百四十七条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る)における剰余金の配当

第四百四十八条第一項各号に掲げる事項を定めるための株主総会において第四百五十四条第一項各号に掲げる事項を定める場合(同項第一号の額(第四百五十六条の規定により基準未満株式の株主に支払う金銭があるときは、その額を合算した額 )が第四百四十八条第一項第一号の額を超えない場合であって、同項第二号に掲げる事項についての定めがない場合に限る)における剰余金の配当

2項

前項の義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない