偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律

# 平成十七年法律第九十四号 #
略称 : 預金者保護法 

第五条 # 盗難カード等を用いて行われた不正な機械式預貯金払戻し等の額に相当する金額の補てん等


1項

預貯金者は、自らの預貯金等契約に係る真正カード等が盗取されたと認める場合において、次の各号いずれにも該当するときは、当該預貯金等契約を締結している金融機関に対し、当該盗取に係る盗難カード等を用いて行われた機械式預貯金払戻しの額に相当する金額の補てんを求めることができる。

一 号

当該真正カード等が盗取されたと認めた後、速やかに、当該金融機関に対し盗取された旨の通知を行ったこと。

二 号

当該金融機関の求めに応じ、遅滞なく、当該盗取が行われるに至った事情 その他の当該盗取に関する状況について十分な説明を行ったこと。

三 号

当該金融機関に対し、捜査機関に対して当該盗取に係る届出を提出していることを申し出たこと その他当該盗取が行われたことが推測される事実として内閣府令で定めるものを示したこと。

2項

前項の規定による補てんの求めを受けた金融機関は、当該補てんの求めに係る機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて行われた不正なものでないこと 又は当該機械式預貯金払戻しが当該補てんの求めをした預貯金者の故意により行われたことを証明した場合を除き、当該補てんの求めをした預貯金者に対して、当該機械式預貯金払戻しの額に相当する金額(基準日以後において行われた当該機械式預貯金払戻しの額に相当する金額に限る。以下「補てん対象額」という。)の補てんを行わなければならない。


ただし、当該金融機関が、当該機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて不正に行われたことについて善意でかつ過失がないこと 及び当該機械式預貯金払戻しが当該預貯金者の過失(重大な過失を除く)により行われたことを証明した場合は、その補てんを行わなければならない金額は、補てん対象額の四分の三に相当する金額とする。

3項

第一項の規定による補てんの求めを受けた金融機関は、前項の規定にかかわらず次の各号いずれかに該当することを証明した場合には、当該補てんの求めをした預貯金者に対して、補てんを行うことを要しない。

一 号

当該補てんの求めに係る機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて不正に行われたことについて金融機関が善意でかつ過失がないこと 及び次のいずれかに該当すること。

当該機械式預貯金払戻しが当該預貯金者の重大な過失により行われたこと。

当該機械式預貯金払戻しが当該預貯金者の配偶者、二親等内の親族、同居の親族 その他の同居人 又は家事使用人によって行われたこと。

当該預貯金者が、第一項第二号に規定する金融機関に対する説明において、重要な事項について偽りの説明を行ったこと。

二 号

当該盗難カード等に係る盗取が戦争、暴動等による著しい社会秩序の混乱に乗じ、又はこれに付随して行われたこと。

4項

預貯金者が自らの預貯金等契約に係る真正カード等が盗取されたと認める場合において第一項各号いずれにも該当するときは、当該預貯金等契約を締結している金融機関は、当該盗取に係る盗難カード等を用いて行われた機械式金銭借入れについて、当該金融機関が当該機械式金銭借入れが盗難カード等を用いて行われた不正なものでないこと 又は当該機械式金銭借入れが当該預貯金者の故意により行われたものであることを証明した場合を除き、当該機械式金銭借入れ(基準日以後において行われた当該機械式金銭借入れに限る。以下「対象借入れ」という。)について、その支払を求めることができない


ただし、当該金融機関が、当該機械式金銭借入れが盗難カード等を用いて不正に行われたことについて善意でかつ過失がないこと 及び当該機械式金銭借入れが当該預貯金者の過失(重大な過失を除く)により行われたことを証明した場合は、その支払を求めることができない金額は、対象借入れに係る額の四分の三に相当する金額とする。

5項

第三項の規定は、前項の場合について準用する。


この場合において、

第三項
第一項の規定による補てんの求めを受けた金融機関は、前項の規定にかかわらず、」とあるのは
第四項の規定は、同項の金融機関が」と、

当該補てんの求めをした預貯金者に対して、補てんを行うことを要しない」とあるのは
「適用しない」と、

同項第一号
当該補てんの求めに係る機械式預貯金払戻し」とあるのは
第四項の機械式金銭借入れ」と、

当該機械式預貯金払戻し」とあるのは
「当該機械式金銭借入れ」と

読み替えるものとする。

6項

第二項 及び第四項に規定する基準日とは、第一項第一号に規定する通知を行った日の三十日預貯金者が、同項 又は第四項の盗取が行われた日(当該盗取が行われた日が明らかでないときは、当該盗取に係る盗難カード等を用いて行われた不正な機械式預貯金払戻し 又は機械式金銭借入れが最初に行われた日。以下 この項 及び第七条において同じ。)以後三十日を経過する日までの期間内に当該盗取が行われたことを知ることができなかったこと その他の当該通知をすることができなかったことについて やむを得ない特別の事情がある期間があることを証明したときは、三十日に当該特別の事情が継続している期間の日数を加えた日数)前の日(その日が当該盗取が行われた日前の日であるときは、当該盗取が行われた日)をいう。