労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律

# 昭和四十一年法律第百三十二号 #
略称 : 雇対法  労働施策総合推進法 

第四条 # 国の施策

@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正

1項

国は、第一条第一項の目的を達成するため、前条に規定する基本的理念に従つて、次に掲げる事項について、総合的に取り組まなければならない。

一 号

各人が生活との調和を保ちつつ その意欲 及び能力に応じて就業することを促進するため、労働時間の短縮 その他の労働条件の改善、多様な就業形態の普及 及び雇用形態 又は就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保に関する施策を充実すること。

二 号

各人がその有する能力に適合する職業に就くことをあつせんするため、及び産業の必要とする労働力を充足するため、職業指導 及び職業紹介に関する施策を充実すること。

三 号

各人がその有する能力に適し、かつ、技術の進歩、産業構造の変動等に即応した技能 及びこれに関する知識を習得し、これらにふさわしい評価を受けることを促進するため、職業訓練 及び職業能力検定に関する施策を充実すること。

四 号

就職が困難な者の就職を容易にし、かつ、労働力の需給の不均衡を是正するため、労働者の職業の転換、地域間の移動、職場への適応等を援助するために必要な施策を充実すること。

五 号

事業規模の縮小等(事業規模 若しくは事業活動の縮小 又は事業の転換 若しくは廃止をいう。以下同じ。)の際に、失業を予防するとともに、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職を促進するために必要な施策を充実すること。

六 号

労働者の職業選択に資するよう、雇用管理 若しくは採用の状況 その他の職場に関する事項 又は職業に関する事項の情報の提供のために必要な施策を充実すること。

七 号

女性の職業 及び子の養育 又は家族の介護を行う者の職業の安定を図るため、雇用の継続、円滑な再就職の促進、母子家庭の母 及び父子家庭の父 並びに寡婦の雇用の促進 その他のこれらの者の就業を促進するために必要な施策を充実すること。

八 号

青少年の職業の安定を図るため、職業についての青少年の関心と理解を深めるとともに、雇用管理の改善の促進、実践的な職業能力の開発 及び向上の促進 その他の青少年の雇用を促進するために必要な施策を充実すること。

九 号

高年齢者の職業の安定を図るため、高年齢者雇用確保措置等の円滑な実施の促進、再就職の促進、多様な就業機会の確保 その他の高年齢者がその年齢にかかわりなく その意欲 及び能力に応じて就業することができるようにするために必要な施策を充実すること。

十 号

疾病、負傷 その他の理由により治療を受ける者の職業の安定を図るため、雇用の継続、離職を余儀なくされる労働者の円滑な再就職の促進 その他の治療の状況に応じた就業を促進するために必要な施策を充実すること。

十一 号

障害者の職業の安定を図るため、雇用の促進、職業リハビリテーションの推進 その他の障害者がその職業生活において自立することを促進するために必要な施策を充実すること。

十二 号

不安定な雇用状態の是正を図るため、雇用形態 及び就業形態の改善等を促進するために必要な施策を充実すること。

十三 号

高度の専門的な知識 又は技術を有する外国人(日本の国籍を有しない者をいう。以下この条において同じ。)の我が国における就業を促進するとともに、労働に従事することを目的として在留する外国人について、適切な雇用機会の確保が図られるようにするため、雇用管理の改善の促進 及び離職した場合の再就職の促進を図るために必要な施策を充実すること。

十四 号

地域的な雇用構造の改善を図るため、雇用機会が不足している地域における労働者の雇用を促進するために必要な施策を充実すること。

十五 号

職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実すること。

十六 号

前各号に掲げるもののほか、職業の安定、産業の必要とする労働力の確保等に資する雇用管理の改善の促進 その他 労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な施策を充実すること。

2項

国は、前項各号に掲げる施策 及びこれに関連する施策の充実に取り組むに際しては、国民経済の健全な発展、それに即応する企業経営の基盤の改善、地域振興等の諸施策と相まつて、雇用機会の着実な増大 及び地域間における就業機会等の不均衡の是正を図るとともに、労働者がその有する能力を有効に発揮することの妨げとなつている雇用慣行の是正を期するように配慮しなければならない。

3項

国は、第一項第十三号に規定する施策の充実に取り組むに際しては、外国人の入国 及び在留の管理に関する施策と相まつて、外国人の不法就労活動(出入国管理及び難民認定法昭和二十六年政令第三百十九号第二十四条第三号の四イに規定する不法就労活動をいう。)を防止し、労働力の不適正な供給が行われないようにすることにより、労働市場を通じた需給調整の機能が適切に発揮されるよう努めなければならない。