労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

# 昭和六十年法律第八十八号 #
略称 : 労働者派遣法  人材派遣法 

第四十六条 # じん肺法の適用に関する特例等

@ 施行日 : 令和四年十月一日 ( 2022年 10月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第五十八号による改正

1項

労働者がその事業における派遣就業のために派遣されている派遣先の事業で、じん肺法昭和三十五年法律第三十号)第二条第一項第三号に規定する粉じん作業(以下この条において単に「粉じん作業」という。)に係るものに関しては、当該派遣先の事業を行う者を当該派遣中の労働者(当該派遣先の事業において、常時粉じん作業に従事している者 及び常時粉じん作業に従業したことのある者に限る。以下第四項まで 及び第七項において同じ。)を使用する同法第二条第一項第五号に規定する事業者(以下この条において単に「事業者」という。)と、当該派遣中の労働者を当該派遣先の事業を行う者に使用される労働者とみなして、同法第五条から 第九条の二まで、第十一条から 第十四条まで、第十五条第三項、第十六条から 第十七条まで及び第三十五条の二の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。


この場合において、

同法第九条の二第一項中
、離職」とあるのは
「、離職(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律以下「労働者派遣法」という。第四十六条第一項に規定する派遣中の労働者については、当該派遣中の労働者に係る労働者派遣法第二条第一号に規定する労働者派遣の役務の提供の終了。以下 この項において同じ。)」と、

同法第三十五条の二中
この法律」とあるのは
「この法律(労働者派遣法第四十六条の規定を含む。)」と

する。

2項

その事業に使用する労働者が派遣先の事業(粉じん作業に係るものに限る)における派遣就業のために派遣されている派遣元の事業(粉じん作業に係るものに限る)に関する前項前段に掲げる規定の適用については、当該派遣元の事業の事業者は当該派遣中の労働者を使用しないものと、当該派遣中の労働者は当該派遣元の事業の事業者に使用されないものとみなす。

3項

第一項の規定によりじん肺法の規定を適用する場合には、

同法第十条中
事業者は、じん肺健康診断を」とあるのは
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第四十四条第一項に規定する派遣先の事業(以下単に「派遣先の事業」という。)を行う者が同法第四十六条第一項に規定する派遣中の労働者に対してじん肺健康診断を」と、

労働安全衛生法第六十六条第一項 又は第二項の」とあるのは
同法第四十四条第三項に規定する派遣元の事業を行う者にあつては労働安全衛生法第六十六条第一項 又は第二項の、派遣先の事業を行う者にあつては同条第二項の」として、

同条の規定を適用する。

4項

粉じん作業に係る事業における派遣中の労働者の派遣就業に関しては、当該派遣元の事業を行う者(事業者に該当する者を除く次項 及び第六項において同じ。)を事業者と、 当該派遣先の事業を行う者も また当該派遣中の労働者を使用する事業者と、当該派遣中の労働者を当該派遣先の事業を行う者にも また使用される労働者とみなして、じん肺法第二十条の二から 第二十一条まで及び第二十二条の二の規定(同法第二十一条の規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。

5項

粉じん作業に係る事業における派遣中の労働者の派遣就業に関しては、派遣元の事業を行う者を事業者とみなして、じん肺法第二十二条の規定(同条の規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。

6項

派遣先の事業において常時粉じん作業に従事したことのある労働者であつて現に派遣元の事業を行う者に雇用されるもののうち、常時 粉じん作業に従事する労働者以外の者(当該派遣先の事業において現に粉じん作業以外の作業に常時従事している者を除く)については、当該派遣元の事業を行う者を事業者とみなして、じん肺法第八条から 第十四条まで、第十五条第三項、第十六条から 第十七条まで、第二十条の二、第二十二条の二 及び第三十五条の二の規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。


この場合において、

同法第十条中
事業者は、じん肺健康診断を」とあるのは
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律以下「労働者派遣法」という。第四十四条第三項に規定する派遣元の事業(以下単に「派遣元の事業」という。)を行う者が同条第一項に規定する派遣中の労働者 又は同項に規定する派遣中の労働者であつた者に対してじん肺健康診断を」と、

労働安全衛生法第六十六条第一項 又は第二項の」とあるのは
「派遣元の事業を行う者にあつては労働安全衛生法第六十六条第一項 又は第二項の、労働者派遣法第四十四条第一項に規定する派遣先の事業を行う者にあつては労働安全衛生法第六十六条第二項の」と、

同法第三十五条の二中
この法律」とあるのは
「この法律(労働者派遣法第四十六条の規定を含む。)」と

する。

7項

第一項の規定により派遣中の労働者を使用する事業者とみなされた者は、当該派遣中の労働者に対してじん肺健康診断を行つたとき又は同項の規定により適用されるじん肺法第十一条ただし書の規定により当該派遣中の労働者から じん肺健康診断の結果を証明する書面 その他の書面の提出を受けたときにあつては、厚生労働省令で定めるところにより、当該派遣中の労働者に係る同項の規定により適用される同法第十七条第一項の規定により作成した記録に基づいて当該じん肺健康診断の結果を記載した書面を作成し、第一項の規定により適用される同法第十四条第一項(同法第十五条第三項、第十六条第二項 及び第十六条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知を受けたときにあつては、厚生労働省令で定めるところにより、当該通知の内容を記載した書面を作成し、遅滞なく、当該派遣元の事業を行う者に送付しなければならない。

8項

前項の規定により同項の書面の送付を受けた派遣元の事業を行う者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該書面を保存しなければならない。

9項

派遣元の事業を行う者は、粉じん作業に係る事業における派遣就業に従事する派遣中の労働者で常時 粉じん作業に従事するもの(じん肺管理区分が管理二、管理三 又は管理四と決定された労働者を除く)が労働安全衛生法第六十六条第一項 又は第二項の健康診断(当該派遣先の事業を行う者の行うものを除く)において、じん肺法第二条第一項第一号に規定するじん肺(以下単に「じん肺」という。)の所見があり、又は じん肺にかかつている疑いがあると診断されたときは、遅滞なく、その旨を当該派遣先の事業を行う者に通知しなければならない。

10項

前三項の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

11項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関して、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対しても、同項の罰金刑を科する。

12項

前各項の規定によるじん肺法の特例については、

同法第三十二条第一項中
事業者」とあるのは
「事業者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律以下「労働者派遣法」という。第四十六条の規定により事業者とみなされた者を含む。第三十五条の三第一項、第二項 及び第四項、第四十三条の二第二項 並びに第四十四条において「事業者等」という。)」と、

同法第三十五条の三第一項、第二項 及び第四項中
事業者」とあるのは
「事業者等」と、

同条第一項中
この法律 又はこれに基づく命令の規定」とあるのは
「この法律 若しくはこれに基づく命令の規定(労働者派遣法第四十六条の規定により適用される場合を含む。)又は同条第七項から 第九項までの規定 若しくは これらの規定に基づく命令の規定」と、

同法第三十九条第二項 及び第三項中
この法律」とあるのは
「この法律(労働者派遣法第四十六条の規定により適用される場合を含む。)」と、

同条第三項中
第二十一条第四項」とあるのは
「第二十一条第四項(労働者派遣法第四十六条第四項の規定により適用される場合を含む。)」と、

同法第四十条第一項中
粉じん作業を行う事業場」とあるのは
「粉じん作業を行う事業場(労働者派遣法第四十六条の規定により事業者とみなされた者の事業場を含む。第四十二条第一項において同じ。)」と、

同法第四十一条 及び第四十二条第一項中
この法律」とあるのは
「この法律 及び労働者派遣法第四十六条の規定」と、

同法第四十三条中
この法律の規定に違反する罪」とあるのは
「この法律の規定(労働者派遣法第四十六条の規定により適用される場合を含む。)に違反する罪 並びに同条第十項 及び第十一項の罪」と、

同法第四十三条の二第一項中
この法律 又はこれに基づく命令の規定」とあるのは
「この法律 若しくはこれに基づく命令の規定(労働者派遣法第四十六条の規定により適用される場合を含む。)又は同条第七項から 第九項までの規定 若しくは これらの規定に基づく命令の規定」と、

同条第二項 及び同法第四十四条中
事業者」とあるのは
「事業者等」として、

これらの規定(これらの規定に係る罰則の規定を含む。)を適用する。

13項

派遣元の事業を行う者が事業者に該当する場合であつてその者が派遣中の労働者に対してじん肺健康診断を行つたときにおけるじん肺法第十条の規定の適用については、

同条中
事業者は、」とあるのは
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律以下「労働者派遣法」という。第四十四条第三項に規定する派遣元の事業(以下単に「派遣元の事業」という。)を行う者が」と、

労働安全衛生法第六十六条第一項 又は第二項の」とあるのは
「派遣元の事業を行う者にあつては労働安全衛生法第六十六条第一項 又は第二項の、労働者派遣法第四十四条第一項に規定する派遣先の事業を行う者にあつては労働安全衛生法第六十六条第二項の」と

する。

14項

この条の規定によりじん肺法 及び同法に基づく命令の規定を適用する場合における技術的読替え その他 必要な事項は、命令で定める。