この法律は、原子炉の運転等により原子力損害が生じた場合における損害賠償に関する基本的制度を定め、もつて被害者の保護を図り、及び原子力事業の健全な発達に資することを目的とする。
原子力損害の賠償に関する法律
第一章 総則
この法律において「原子炉の運転等」とは、次の各号に掲げるもの 及びこれらに付随してする核燃料物質 又は核燃料物質によつて汚染された物(原子核分裂生成物を含む。第五号において同じ。)の運搬、貯蔵 又は廃棄であつて、政令で定めるものをいう。
核燃料物質 又は核燃料物質によつて汚染された物(以下「核燃料物質等」という。)の廃棄
この法律において「原子力損害」とは、核燃料物質の原子核分裂の過程の作用 又は核燃料物質等の放射線の作用 若しくは毒性的作用(これらを摂取し、又は吸入することにより人体に中毒 及びその続発症を及ぼすものをいう。)により生じた損害をいう。
ただし、次条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき原子力事業者の受けた損害を除く。
この法律において「原子力事業者」とは、次の各号に掲げる者(これらの者であつた者を含む。)をいう。
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「規制法」という。)第二十三条第一項の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者(規制法第三十九条第五項の規定により試験研究用等原子炉設置者とみなされた者を含む。)
規制法第二十三条の二第一項の許可を受けた者
規制法第四十三条の三の五第一項の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
規制法第十三条第一項の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
規制法第四十三条の四第一項の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
規制法第四十四条第一項の指定(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
規制法第五十一条の二第一項の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
規制法第五十二条第一項の許可(規制法第七十六条の規定により読み替えて適用される同項の規定による国に対する承認を含む。)を受けた者
この法律において「原子炉」とは、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第四号に規定する原子炉をいい、「核燃料物質」とは、同法同条第二号に規定する核燃料物質(規制法第二条第十項に規定する使用済燃料を含む。)をいい、「加工」とは、規制法第二条第九項に規定する加工をいい、「再処理」とは、規制法第二条第十項に規定する再処理をいい、「使用済燃料の貯蔵」とは、規制法第四十三条の四第一項に規定する使用済燃料の貯蔵をいい、「核燃料物質 又は核燃料物質によつて汚染された物の廃棄」とは、規制法第五十一条の二第一項に規定する廃棄物埋設 又は廃棄物管理をいい、「放射線」とは、原子力基本法第三条第五号に規定する放射線をいい、「原子力船」又は「外国原子力船」とは、規制法第二十三条の二第一項に規定する原子力船 又は外国原子力船をいう。