この法律は、国土の自然的条件を考慮して、経済、社会、文化等に関する施策の総合的見地から国土の利用、整備 及び保全を推進するため、国土形成計画の策定 その他の措置を講ずることにより、国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)による措置と相まつて、現在 及び将来の国民が安心して豊かな生活を営むことができる経済社会の実現に寄与することを目的とする。
この法律において「国土形成計画」とは、国土の利用、整備 及び保全(以下「国土の形成」という。)を推進するための総合的かつ基本的な計画で、次に掲げる事項に関するものをいう。
土地、水 その他の国土資源の利用 及び保全に関する事項
海域の利用 及び保全(排他的経済水域及び大陸棚に関する法律(平成八年法律第七十四号)第一条第一項の排他的経済水域 又は同法第二条の大陸棚における同法第三条第一項第一号から 第三号までに規定する行為を含む。)に関する事項
震災、水害、風害 その他の災害の防除 及び軽減に関する事項
都市 及び農山漁村の規模 及び配置の調整 並びに整備に関する事項
産業の適正な立地に関する事項
交通施設、情報通信施設、科学技術に係る研究施設 その他の重要な公共的施設の利用、整備 及び保全に関する事項
文化、厚生 及び観光に関する資源の保護 並びに施設の利用 及び整備に関する事項
国土における良好な環境の創出 その他の環境の保全 及び良好な景観の形成に関する事項
前項の国土形成計画は、第六条第二項に規定する全国計画 及び第九条第二項に規定する広域地方計画とする。
国土形成計画は、我が国 及び世界における人口、産業 その他の社会経済構造の変化に的確に対応し、その特性に応じて自立的に発展する地域社会、国際競争力の強化 及び科学技術の振興等による活力ある経済社会、安全が確保された国民生活 並びに地球環境の保全にも寄与する豊かな環境の基盤となる国土を実現するよう、我が国の自然的、経済的、社会的 及び文化的諸条件を維持向上させる国土の形成に関する施策を、当該施策に係る国内外の連携の確保に配意しつつ、適切に定めるものとする。
国土形成計画は、総合的な国土の形成に関する施策の実施に関し、地方公共団体の主体的な取組を尊重しつつ、全国的な規模で又は全国的な視点に立つて行わなければならない施策の実施 その他の国が本来果たすべき役割を踏まえ、国の責務が全うされることとなるよう定めるものとする。