国家公務員制度改革基本法

# 平成二十年法律第六十八号 #
略称 : 公務員改革法 

第五条 # 議院内閣制の下での国家公務員の役割等


1項

政府は、議院内閣制の下、政治主導を強化し、国家公務員が内閣、内閣総理大臣及び各大臣を補佐する役割を適切に果たすこととするため、次に掲げる措置を講ずるものとする。

一 号

内閣官房に、内閣総理大臣の命を受け、内閣の重要政策のうち特定のものに係る企画立案に関し、内閣総理大臣を補佐する職(以下 この項において「国家戦略スタッフ」という。)を、各府省に、大臣の命を受け、特定の政策の企画立案 及び政務に関し、大臣を補佐する職(以下 この項において「政務スタッフ」という。)を置くものとすること。

二 号

国家戦略スタッフ 及び政務スタッフ(以下 この号において「国家戦略スタッフ等」という。)の任用等については、次に定めるところによるものとすること。

国家戦略スタッフ等は、特別職の国家公務員とするとともに、公募を活用するなど、国の行政機関の内外から 人材を機動的に登用できるものとすること。

国家戦略スタッフ等を有効に活用できるものとするため、給与 その他の処遇 及び退任後の扱いについて、それぞれの職務の特性に応じた適切なものとすること。

2項

政府は、縦割り行政の弊害を排除するため、 内閣の人事管理機能を強化し、並びに多様な人材の登用 及び弾力的な人事管理を行えるよう、次に掲げる措置を講ずるものとする。

一 号

事務次官、局長、部長 その他の幹部職員(地方支分部局等の職員を除く。以下単に「幹部職員」という。)を対象とした新たな制度を設けるものとすること。

二 号

課長、室長、企画官その他の管理職員(地方支分部局等の職員を除く。以下単に「管理職員」という。)を対象とした新たな制度を設けるものとすること。

三 号

幹部職員の任用については、内閣官房長官が、その適格性を審査し、その候補者名簿の作成を行うとともに、各大臣が人事を行うに当たって、任免については、内閣総理大臣 及び内閣官房長官と 協議した上で行うものとすること。

四 号

幹部職員 及び管理職員(以下「幹部職員等」という。)の任用に当たっては、国の行政機関の内外から 多様かつ高度な能力 及び経験を有する人材の登用に努めるものとすること。

五 号

幹部職員等の任用、給与 その他の処遇については、任命権者が、それぞれ幹部職員 又は管理職員の範囲内において、その昇任、降任、昇給、降給等を適切に行うことができるようにする等 その職務の特性 並びに能力 及び実績に応じた弾力的なものとするための措置を講ずるものとすること。

3項

政府は、政官関係の透明化を含め、政策の立案、決定 及び実施の各段階における国家公務員としての責任の所在をより明確なものとし、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資するため、次に掲げる措置を講ずるものとする。

一 号

職員が国会議員と接触した場合における当該接触に関する記録の作成、保存 その他の管理をし、及び その情報を適切に公開するために必要な措置を講ずるものとすること。


この場合において、当該接触が個別の事務 又は事業の決定 又は執行に係るものであるときは、当該接触に関する記録の適正な管理 及び その情報の公開の徹底に特に留意するものとすること。

二 号

前号の措置のほか、各般の行政過程に係る記録の作成、保存 その他の管理が適切に行われるようにするための措置 その他の措置を講ずるものとすること。

4項

政府は、職員の育成 及び活用を府省横断的に行うとともに、幹部職員等について、適切な人事管理を徹底するため、次に掲げる事務を内閣官房において一元的に行うこととするための措置を講ずるものとする。

一 号

幹部職員等に係る各府省ごとの定数の設定 及び改定

二 号

次条第三項に規定する幹部候補育成課程に関する統一的な基準の作成及び運用の管理

三 号

次条第三項第三号に規定する研修のうち政府全体を通ずるものの企画立案 及び実施

四 号

次条第三項に規定する課程対象者の府省横断的な配置換えに係る調整

五 号

管理職員を任用する場合の選考に関する統一的な基準の作成 及び運用の管理

六 号

管理職員の府省横断的な配置換えに係る調整

七 号

幹部職員等以外の職員の府省横断的な配置に関する指針の作成

八 号

第二項第三号に規定する適格性の審査 及び候補者名簿の作成

九 号

幹部職員等 及び次条第三項に規定する課程対象者の人事に関する情報の管理

十 号

次条第四項第二号に規定する目標の設定等を通じた公募による任用の推進

十一 号
官民の人材交流の推進