外務大臣は、国際刑事裁判所から通過護送(外国の官憲 又は国際刑事裁判所の指定する者(次条において「外国官憲等」という。)が規程第八十九条1の規定による引渡しの対象となる者(次条において「引渡対象者」という。)を日本国内を通過して護送することをいう。次条において同じ。)の承認の請求があったときは、請求の方式が規程に適合しないと認める場合を除き、これを承認するものとする。
国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律
第五節 雑則
警察官 又は入国警備官は、外国官憲等が護送(前条の規定による承認を受けた通過護送を除く。)中の引渡対象者が搭乗する航空機が天候 その他やむを得ない理由により日本国内に着陸した場合において、当該引渡対象者を発見したときは、外国官憲等に引き渡すため、これを拘束することができる。
入国警備官は、前項の規定により引渡対象者を拘束したときは、これを直ちに警察官に引き渡すものとする。
この場合において、警察官は、当該引渡対象者を引き続き拘束することができる。
前二項の規定による引渡対象者の拘束は、着陸の時から九十六時間を超えて行うことができない。
第一項の規定により引渡対象者を拘束した警察官 又は第二項の規定により引渡対象者の引渡しを受けた警察官は、外務大臣に対し、その旨を通知するものとする。
外務大臣は、前項の通知を受けたときは、国際刑事裁判所に対し、引渡対象者を拘束した旨を通報するものとする。
外務大臣は、国際刑事裁判所から前条の通過護送の承認の請求を受理したときは、第四項の警察官に対し、その旨を通知するものとする。
第三項に規定する期間内に前条の通過護送の承認の請求が受理された場合には、警察官は、同項の規定にかかわらず、引渡対象者の護送を行う外国官憲等に引渡対象者を引き渡すまでの間、当該引渡対象者を引き続き拘束することができる。
ただし、外務大臣から当該通過護送の承認をしない旨の通知を受けた場合には、その拘束を続けることができない。
警察官は、第三項 又は前項の規定により引渡対象者の拘束を続けることができなくなったときは、これを入国警備官に引き渡すものとする。
前各項に定めるもののほか、警察官による引渡対象者の拘束に関する手続について必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
この章に定めるもののほか、証拠の提供に関する令状の発付、証人尋問 及び不服申立てに関する手続、引渡犯罪人の引渡し及び仮拘禁に関する裁判所の審査 及び令状の発付に関する手続 並びに執行協力に関する手続について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。