心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律

# 平成十五年法律第百十号 #
略称 : 心神喪失者等医療観察法 

第九十九条 # 無断退去者に対する措置

@ 施行日 : 令和五年十一月十五日 ( 2023年 11月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第二十八号による改正

1項

第四十二条第一項第一号 又は第六十一条第一項第一号の決定により指定入院医療機関に入院している者が無断で退去した場合(第百条第一項 又は第二項の規定により外出 又は外泊している者が同条第一項に規定する医学的管理の下から無断で離れた場合を含む。)には、当該指定入院医療機関の職員は、これを連れ戻すことができる。

2項

前項の場合において、当該指定入院医療機関の職員による連戻しが困難であるときは、当該指定入院医療機関の管理者は、警察官に対し、連戻しについて必要な援助を求めることができる。

3項

第一項の場合において、当該無断で退去し、又は離れた者の行方が不明になったときは、当該指定入院医療機関の管理者は、所轄の警察署長に対し、次の事項を通知してその所在の調査を求めなければならない。

一 号

退去者の住所、氏名、性別 及び生年月日

二 号

退去の年月日 及び時刻

三 号

症状の概要

四 号

退去者を発見するために参考となるべき人相、服装 その他の事項

五 号

入院年月日

六 号

退去者が行った対象行為の内容

七 号

保護者 又はこれに準ずる者の住所 及び氏名

4項

警察官は、前項の所在の調査を求められた者を発見したときは、直ちに、その旨を当該指定入院医療機関の管理者に通知しなければならない。


この場合において、警察官は、当該指定入院医療機関の管理者がその者を引き取るまでの間、二十四時間を限り、その者を、警察署、病院、救護施設 その他の精神障害者を保護するのに適当な場所に、保護することができる。

5項

指定入院医療機関の職員は、第一項に規定する者が無断で退去した時(第百条第一項 又は第二項の規定により外出 又は外泊している者が同条第一項に規定する医学的管理の下から無断で離れた場合においては、当該無断で離れた時)から四十八時間を経過した後は、裁判官のあらかじめ発する連戻状によらなければ、第一項に規定する連戻しに着手することができない

6項

前項の連戻状は、指定入院医療機関の管理者の請求により、当該指定入院医療機関の所在地を管轄する地方裁判所の裁判官が発する。

7項

第二十八条第四項から第六項まで 及び第三十四条第六項の規定は、第五項の連戻状について準用する。


この場合において、

第二十八条第四項
指定された裁判所 その他の場所」とあるのは、
「指定入院医療機関」と

読み替えるものとする。

8項

前三項に規定するもののほか、連戻状について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。