検察官は第四十条第一項又は第四十二条の決定に対し、指定入院医療機関の管理者は第五十一条第一項 又は第二項の決定に対し、保護観察所の長は第五十六条第一項 若しくは第二項 又は第六十一条第一項から第三項までの決定に対し、それぞれ、決定に影響を及ぼす法令の違反、重大な事実の誤認 又は処分の著しい不当を理由とする場合に限り、二週間以内に、抗告をすることができる。
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律
第六節 抗告
対象者、保護者 又は付添人は、決定に影響を及ぼす法令の違反、重大な事実の誤認 又は処分の著しい不当を理由とする場合に限り、第四十二条第一項、第五十一条第一項 若しくは第二項、第五十六条第一項 若しくは第二項 又は第六十一条第一項 若しくは第三項の決定に対し、二週間以内に、抗告をすることができる。
ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、抗告をすることができない。
第四十一条第一項の合議体による裁判所の裁判は、当該裁判所の同条第八項の決定に基づく第四十条第一項 又は第四十二条第一項の決定に対する抗告があったときは、抗告裁判所の判断を受ける。
抗告は、抗告審の終局決定があるまで、取り下げることができる。
ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、取り下げることができない。
抗告裁判所は、抗告の趣意に含まれている事項に限り、調査をするものとする。
抗告裁判所は、抗告の趣意に含まれていない事項であっても、抗告の理由となる事由に関しては、職権で調査をすることができる。
抗告裁判所は、第四十二条の決定に対して抗告があった場合において、対象者に付添人がないときは、付添人を付さなければならない。
ただし、当該抗告が第六十四条第一項 又は第二項に規定する期間の経過後にあったものであることが明らかなときは、この限りでない。
抗告の手続がその規定に違反したとき、又は抗告が理由のないときは、決定をもって、抗告を棄却しなければならない。
抗告が理由のあるときは、決定をもって、原決定を取り消して、事件を原裁判所に差し戻し、又は他の地方裁判所に移送しなければならない。
ただし、第四十条第一項各号のいずれかに掲げる事由に該当するときは、原決定を取り消して、更に決定をすることができる。
抗告は、執行を停止する効力を有しない。
ただし、原裁判所 又は抗告裁判所は、決定をもって、執行を停止することができる。
検察官、指定入院医療機関の管理者若しくは保護観察所の長又は対象者、保護者 若しくは付添人は、憲法に違反し、若しくは憲法の解釈に誤りがあること、又は最高裁判所 若しくは上訴裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断をしたことを理由とする場合に限り、抗告裁判所のした第六十八条の決定に対し、二週間以内に、最高裁判所に特に抗告をすることができる。
ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、抗告をすることができない。
第六十五条から第六十七条まで 及び前条の規定は、前項の抗告に関する手続について準用する。
前条第一項の抗告の手続がその規定に違反したとき、又は抗告が理由のないときは、決定をもって、抗告を棄却しなければならない。
前条第一項の抗告が理由のあるときは、決定をもって、原決定を取り消さなければならない。
この場合には、地方裁判所の決定を取り消して、事件を地方裁判所に差し戻し、又は他の地方裁判所に移送することができる。
裁判官が第三十四条第一項前段 又は第六十条第一項前段の命令をした場合において、不服がある対象者、保護者 又は付添人は、当該裁判官が所属する地方裁判所に当該命令の取消しを請求することができる。
ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、この請求をすることができない。
前項の請求は、対象者が対象行為を行わなかったこと、心神喪失者 及び心神耗弱者のいずれでもないこと 又は対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するためにこの法律による医療を受けさせる必要がないことを理由としてすることができない。
第一項の規定による不服申立てに関する手続については、刑事訴訟法第四百二十九条第一項に規定する裁判官の裁判の取消し 又は変更の請求に係る手続の例による。
対象者、保護者 又は付添人は、第三十四条第三項ただし書、第三十七条第五項前段、第六十条第三項ただし書 又は第六十二条第二項前段の決定に対し、処遇事件の係属する地方裁判所に異議の申立てをすることができる。
ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、この申立てをすることができない。
前条第二項 及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。