次に掲げる場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てて強制執行の開始 若しくは続行をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。
ただし、強制執行の開始 又は続行をすべき旨の命令は、第三号から第六号までに掲げる場合に限り、することができる。
第三百二十七条第一項(第三百八十条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の上告 又は再審の訴えの提起があった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起 又は上告受理の申立てがあった場合において、原判決の破棄の原因となるべき事情 及び執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起 又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立て(次号の控訴の提起 及び督促異議の申立てを除く。)があった場合において、原判決 若しくは支払督促の取消し 若しくは変更の原因となるべき事情がないとはいえないこと 又は執行により著しい損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
手形 又は小切手による金銭の支払の請求 及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求について、仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起 又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合において、原判決 又は支払督促の取消し 又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。
仮執行の宣言を付した手形訴訟 若しくは小切手訴訟の判決に対する異議の申立て 又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決に対する異議の申立てがあった場合において、原判決の取消し 又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。
第百十七条第一項の訴えの提起があった場合において、変更のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点につき疎明があったとき。