民法

# 明治二十九年法律第八十九号 #

第二節 意思表示

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百二号による改正
最終編集日 : 2024年 03月28日 14時03分


1項

意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。


ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

2項

前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

1項

相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。

2項

前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

1項

意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的 及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。

一 号

意思表示に対応する意思を欠く錯誤

二 号

表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤

2項

前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。

3項

錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない

一 号

相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。

二 号

相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。

4項

第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

1項

詐欺 又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。

2項

相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

3項

前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

1項

意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。

2項

相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。

3項

意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、意思能力を喪失し、又は行為能力の制限を受けたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。

1項

意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。

2項

前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法平成八年法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載して行う。


ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場 又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。

3項

公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日 又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。


ただし、表意者が相手方を知らないこと 又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。

4項

公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の住所地の、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する。

5項

裁判所は、表意者に、公示に関する費用を予納させなければならない。

1項

意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき 又は未成年者 若しくは成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。


ただし、次に掲げる者がその意思表示を知った後は、この限りでない。

一 号

相手方の法定代理人

二 号

意思能力を回復し、又は行為能力者となった相手方