この法律は、近年の情報通信技術の分野における技術革新の進展により、データを活用した新たな産業が創出され、世界的規模で社会経済構造の変化が生じ、デジタルプラットフォームの果たす役割の重要性が増大している中で、デジタルプラットフォーム提供者の自主性 及び自律性に配慮しつつ、商品等提供利用者等の利益の保護を図ることが課題となっている状況に鑑み、特定デジタルプラットフォーム提供者の指定、特定デジタルプラットフォーム提供者による提供条件等の開示、特定デジタルプラットフォームの透明性 及び公正性についての評価 その他の措置を講ずることにより、特定デジタルプラットフォームの透明性 及び公正性の向上を図り、もって特定デジタルプラットフォームに関する公正かつ自由な競争の促進を通じて、国民生活の向上 及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律
第一章 総則
この法律において「デジタルプラットフォーム」とは、多数の者が利用することを予定して電子計算機を用いた情報処理により構築した場であって、当該場において商品、役務 又は権利(以下「商品等」という。)を提供しようとする者の当該商品等に係る情報を表示することを常態とするもの(次の各号のいずれかに掲げる関係を利用したものに限る。)を、多数の者にインターネット その他の高度情報通信ネットワーク(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第一号に規定する放送に用いられるものを除く。)を通じて提供する役務をいう。
当該役務を利用して商品等を提供しようとする者(以下 この号 及び次号において「提供者」という。)の増加に伴い、当該商品等の提供を受けようとする者(以下 この号において「被提供者」という。)の便益が著しく増進され、これにより被提供者が増加し、その増加に伴い 提供者の便益が著しく増進され、これにより提供者が更に増加する関係
当該役務を利用する者(提供者を除く。以下 この号において同じ。)の増加に伴い、他の当該役務を利用する者の便益が著しく増進され、これにより当該役務を利用する者が更に増加するとともに、その増加に伴い 提供者の便益も著しく増進され、これにより提供者も増加する関係
この法律において「利用者」とは、デジタルプラットフォームを利用する者をいう。
この法律において「商品等提供利用者」とは、デジタルプラットフォームを商品等を提供する目的で利用する者をいう。
この法律において「一般利用者」とは、商品等提供利用者以外の利用者をいう。
この法律において「デジタルプラットフォーム提供者」とは、デジタルプラットフォームを単独で又は共同して提供する事業者をいう。
この法律において「特定デジタルプラットフォーム」とは、第四条第一項の規定により指定されたデジタルプラットフォーム提供者(以下「特定デジタルプラットフォーム提供者」という。)の当該指定に係るデジタルプラットフォームをいう。
デジタルプラットフォームの透明性 及び公正性の向上に関する施策は、デジタルプラットフォームが、利用者の便益の増進に寄与し、我が国の経済社会の活力の向上 及び持続的発展にとって重要な役割を果たすものであることに鑑み、デジタルプラットフォーム提供者がデジタルプラットフォームの透明性 及び公正性の向上のための取組を自主的かつ積極的に行うことを基本とし、国の関与 その他の規制を必要最小限のものとすることによりデジタルプラットフォーム提供者の創意と工夫が十分に発揮されること及びデジタルプラットフォーム提供者と 商品等提供利用者との間の取引関係における相互理解の促進を図ることを旨として、行われなければならない。