特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律

# 令和五年法律第二十五号 #
略称 : フリーランス・事業者間取引適正化等法 

第二章 特定受託事業者に係る取引の適正化

分類 法律
カテゴリ   労働
最終編集日 : 2026年 09月22日 10時39分


1項

業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日 その他の事項を、書面 又は電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であって公正取引委員会規則で定めるものをいう。以下この条において同じ。)により特定受託事業者に対し明示しなければならない。


ただし、これらの事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その明示を要しないものとし、この場合には、業務委託事業者は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を書面 又は電磁的方法により特定受託事業者に対し明示しなければならない。

2項

業務委託事業者は、前項の規定により同項に規定する事項を電磁的方法により明示した場合において、特定受託事業者から当該事項を記載した書面の交付を求められたときは、遅滞なく、公正取引委員会規則で定めるところにより、これを交付しなければならない。


ただし、特定受託事業者の保護に支障を生ずることがない場合として公正取引委員会規則で定める場合は、この限りでない。

1項

特定業務委託事業者特定受託事業者に対し業務委託をした場合における報酬の支払期日は、当該特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、当該特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日(第二条第三項第二号に該当する業務委託をした場合にあっては、特定受託事業者から当該役務の提供を受けた日。次項において同じ。)から起算して六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。

2項

前項の場合において、報酬支払期日が定められなかったときは特定業務委託事業者特定受託事業者の給付を受領した日が、同項の規定に違反して報酬の支払期日が定められたときは特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日から起算して六十日を経過する日が、それぞれ報酬の支払期日と定められたものとみなす。

3項

前二項の規定にかかわらず、他の事業者(以下この項 及び第六項において「元委託者」という。)から業務委託を受けた特定業務委託事業者が、当該業務委託に係る業務(以下この項 及び第六項において「元委託業務」という。)の全部 又は一部について特定受託事業者に再委託をした場合(前条第一項の規定により再委託である旨、元委託者の氏名 又は名称、元委託業務の対価の支払期日(以下この項 及び次項において「元委託支払期日」という。)その他の公正取引委員会規則で定める事項を特定受託事業者に対し明示した場合に限る)には、当該再委託に係る報酬の支払期日は、元委託支払期日から起算して三十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。

4項

前項の場合において、報酬の支払期日が定められなかったときは元委託支払期日が、同項の規定に違反して報酬の支払期日が定められたときは元委託支払期日から起算して三十日を経過する日が、それぞれ報酬の支払期日と定められたものとみなす。

5項

特定業務委託事業者は、第一項 若しくは第三項の規定により定められた支払期日 又は第二項 若しくは前項支払期日までに報酬を支払わなければならない。


ただし特定受託事業者の責めに帰すべき事由により支払うことができなかったときは、当該事由が消滅した日から起算して六十日第三項の場合にあっては、三十日)以内に報酬を支払わなければならない。

6項

第三項の場合において、特定業務委託事業者は、元委託者から前払金の支払を受けたときは、元委託業務の全部 又は一部について再委託をした特定受託事業者に対して、資材の調達 その他の業務委託に係る業務の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。

1項

特定業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託(政令で定める期間以上の期間行うもの(当該業務委託に係る契約の更新により当該政令で定める期間以上継続して行うこととなるものを含む。)に限る。以下この条において同じ。)をした場合は、次に掲げる行為(第二条第三項第二号に該当する業務委託をした場合にあっては、第一号 及び第三号に掲げる行為を除く)をしてはならない。

一 号
特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、特定受託事業者の給付の受領を拒むこと。
二 号
特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、報酬の額を減ずること。
三 号
特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、特定受託事業者の給付を受領した後、特定受託事業者にその給付に係る物を引き取らせること。
四 号
特定受託事業者の給付の内容と同種 又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い報酬の額を不当に定めること。
五 号
特定受託事業者の給付の内容を均質にし、又はその改善を図るため必要がある場合 その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させること。
2項

特定業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、次に掲げる行為をすることによって、特定受託事業者の利益を不当に害してはならない。

一 号
自己のために金銭、役務 その他の経済上の利益を提供させること。
二 号

特定受託事業者の責めに帰すべき事由がないのに、特定受託事業者の給付の内容を変更させ、又は特定受託事業者の給付を受領した後(第二条第三項第二号に該当する業務委託をした場合にあっては、特定受託事業者から当該役務の提供を受けた後)に給付をやり直させること。

1項

業務委託事業者から業務委託を受ける特定受託事業者は、この章の規定に違反する事実がある場合には、公正取引委員会 又は中小企業庁長官に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

2項

公正取引委員会 又は中小企業庁長官は、前項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その申出の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置 その他適当な措置をとらなければならない。

3項

業務委託事業者は、特定受託事業者が第一項の規定による申出をしたことを理由として、当該特定受託事業者に対し、取引の数量の削減、取引の停止 その他の不利益な取扱いをしてはならない。

1項

中小企業庁長官は、業務委託事業者について、第三条の規定に違反したかどうか 又は前条第三項の規定に違反しているかどうかを調査し、その事実があると認めるときは、公正取引委員会に対し、この法律の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができる。

2項

中小企業庁長官は、特定業務委託事業者について、第四条第五項 若しくは第五条第一項第一号に係る部分を除く)若しくは第二項の規定に違反したかどうか 又は同条第一項同号に係る部分に限る)の規定に違反しているかどうかを調査し、その事実があると認めるときは、公正取引委員会に対し、この法律の規定に従い適当な措置をとるべきことを求めることができる。

1項

公正取引委員会は、業務委託事業者が第三条の規定に違反したと認めるときは、当該業務委託事業者に対し、速やかに同条第一項の規定による明示 又は同条第二項の規定による書面の交付をすべきこと その他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

2項

公正取引委員会は、特定業務委託事業者が第四条第五項の規定に違反したと認めるときは、当該特定業務委託事業者に対し、速やかに報酬を支払うべきこと その他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

3項

公正取引委員会は、特定業務委託事業者が第五条第一項第一号に係る部分に限る)の規定に違反していると認めるときは、当該特定業務委託事業者に対し、速やかに特定受託事業者の給付を受領すべきこと その他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

4項

公正取引委員会は、特定業務委託事業者が第五条第一項第一号に係る部分を除く)の規定に違反したと認めるときは、当該特定業務委託事業者に対し、速やかにその報酬の額から減じた額を支払い、特定受託事業者の給付に係る物を再び引き取り、その報酬の額を引き上げ、又はその購入させた物を引き取るべきこと その他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

5項

公正取引委員会は、特定業務委託事業者が第五条第二項の規定に違反したと認めるときは、当該特定業務委託事業者に対し、速やかに当該特定受託事業者の利益を保護するため必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

6項

公正取引委員会は、業務委託事業者が第六条第三項の規定に違反していると認めるときは、当該業務委託事業者に対し、速やかに不利益な取扱いをやめるべきこと その他必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

1項

公正取引委員会は、前条の規定による勧告を受けた者が、正当な理由がなく、当該勧告に係る措置をとらなかったときは、当該勧告を受けた者に対し、当該勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

2項

公正取引委員会は、前項の規定による命令をした場合には、その旨を公表することができる。

1項

前条第一項の規定による命令をする場合については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律昭和二十二年法律第五十四号第六十一条第六十五条第一項 及び第二項第六十六条第七十条の三第三項 及び第四項第七十条の六から第七十条の九まで第七十条の十二第七十六条第七十七条第八十五条第一号に係る部分に限る)、第八十六条第八十七条 並びに第八十八条の規定を準用する。

1項

中小企業庁長官は、第七条の規定の施行に必要な限度において、業務委託事業者特定業務委託事業者特定受託事業者 その他の関係者に対し、業務委託に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所 その他の事業場に立ち入り、帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。

2項

公正取引委員会は、第八条 及び第九条第一項の規定の施行に必要な限度において、業務委託事業者特定業務委託事業者特定受託事業者 その他の関係者に対し、業務委託に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所 その他の事業場に立ち入り、帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。

3項

前二項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

4項

第一項 及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。