裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律

# 平成十六年法律第百五十一号 #
略称 : ADR法 

第六条 # 認証の基準

@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正

1項

法務大臣は、前条の認証の申請をした者(以下「申請者」という。)が行う当該申請に係る民間紛争解決手続の業務が次に掲げる基準に適合し、かつ、申請者が当該業務を行うのに必要な知識 及び能力 並びに経理的基礎を有するものであると認めるときは、当該業務について 認証をするものとする。

一 号

その専門的な知見を活用して和解の仲介を行う紛争の範囲を定めていること。

二 号

前号の紛争の範囲に対応して、個々の民間紛争解決手続において和解の仲介を行うのにふさわしい者を手続実施者として選任することができること。

三 号

手続実施者の選任の方法 及び手続実施者が紛争の当事者と利害関係を有すること その他の民間紛争解決手続の公正な実施を妨げるおそれがある事由がある場合において、当該手続実施者を排除するための方法を定めていること。

四 号

申請者の実質的支配者等(申請者の株式の所有、申請者に対する融資 その他の事由を通じて申請者の事業を実質的に支配し、又は その事業に重要な影響を与える関係にあるものとして法務省令で定める者をいう。以下 この号において同じ。)又は申請者の子会社等(申請者が 株式の所有 その他の事由を通じて その事業を実質的に支配する関係にあるものとして法務省令で定める者をいう。)を紛争の当事者とする紛争について民間紛争解決手続の業務を行うこととしている申請者にあっては、当該実質的支配者等 又は申請者が 手続実施者に対して不当な影響を及ぼすことを排除するための措置が講じられていること。

五 号

手続実施者が弁護士でない場合(司法書士法昭和二十五年法律第百九十七号第三条第一項第七号に規定する 紛争について行う民間紛争解決手続において、手続実施者が同条第二項に規定する司法書士である場合を除く)において、民間紛争解決手続の実施に当たり法令の解釈適用に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていること。

六 号

民間紛争解決手続の実施に際して行う通知について相当な方法を定めていること。

七 号

民間紛争解決手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行について 定めていること。

八 号

紛争の当事者が申請者に対し民間紛争解決手続の実施の依頼をする場合の要件 及び方式を定めていること。

九 号

申請者が紛争の一方の当事者から前号の依頼を受けた場合において、紛争の他方の当事者に対し、速やかに その旨を通知するとともに、当該紛争の他方の当事者が これに応じて民間紛争解決手続の実施を依頼するか否かを確認するための手続を定めていること。

十 号

民間紛争解決手続において提出された資料の保管、返還 その他の取扱いの方法を定めていること。

十一 号

民間紛争解決手続において陳述される意見 又は提出され、若しくは提示される資料に含まれる紛争の当事者 又は第三者の秘密について、当該秘密の性質に応じてこれを適切に保持するための取扱いの方法を定めていること。


第十六条に規定する手続実施記録に記載されている これらの秘密についても、同様とする。

十二 号

紛争の当事者が民間紛争解決手続を終了させるための要件 及び方式を定めていること。

十三 号

手続実施者が民間紛争解決手続によっては紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないと判断したときは、速やかに当該民間紛争解決手続を終了し、その旨を紛争の当事者に通知することを定めていること。

十四 号

申請者(法人にあっては その役員、法人でない団体で代表者 又は管理人の定めのあるものにあっては その代表者 又は管理人)、その代理人、使用人 その他の従業者 及び手続実施者について、これらの者が民間紛争解決手続の業務に関し知り得た秘密を確実に保持するための措置を定めていること。

十五 号

申請者(手続実施者を含む。)が支払を受ける報酬 又は費用がある場合には、その額 又は算定方法、支払方法 その他 必要な事項を定めており、これが著しく不当なものでないこと。

十六 号

申請者が行う民間紛争解決手続の業務に関する苦情の取扱いについて定めていること。