都市再開発法

# 昭和四十四年法律第三十八号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   都市計画
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号
最終編集日 : 2024年 10月22日 11時43分


1項

この法律は、市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定めることにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り、もつて公共の福祉に寄与することを目的とする。

1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 号

市街地再開発事業 市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、都市計画法昭和四十三年法律第百号)及びこの法律(第七章除く)で定めるところに従つて行われる建築物 及び建築敷地の整備 並びに公共施設の整備に関する事業 並びにこれに附帯する事業をいい、第三章の規定により行われる第一種市街地再開発事業と第四章の規定により行われる第二種市街地再開発事業とに区分する。

二 号

施行者

市街地再開発事業を施行する者をいう。

三 号

施行地区

市街地再開発事業を施行する土地の区域をいう。

四 号

公共施設

道路、公園、広場 その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。

五 号

宅地

公共施設の用に供されている国、地方公共団体 その他政令で定める者の所有する土地以外の土地をいう。

六 号

施設建築物

市街地再開発事業によつて建築される建築物をいう。

七 号

施設建築敷地

市街地再開発事業によつて造成される建築敷地をいう。

八 号

施設建築物の一部

建物の区分所有等に関する法律昭和三十七年法律第六十九号第二条第一項に規定する区分所有権の目的たる施設建築物の部分(同条第四項に規定する共用部分の共有持分を含む。)をいう。

九 号

施設建築物の一部等

施設建築物の一部 及び当該施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分をいう。

十 号

建築施設の部分

施設建築物の一部 及び当該施設建築物の存する施設建築敷地の共有持分をいう。

十一 号

借地権

建物の所有を目的とする地上権 及び賃借権をいう。

十二 号

借地

借地権の目的となつている宅地をいう。

十三 号

借家権

建物の賃借権(一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。以下同じ。)及び配偶者居住権をいう。

1項

次に掲げる区域内の宅地について所有権 若しくは借地権を有する者 又はこれらの宅地について所有権 若しくは借地権を有する者の同意を得た者は、一人で、又は数人共同して、当該権利の目的である宅地について、又はその宅地 及び一定の区域内の宅地以外の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。

一 号

高度利用地区(都市計画法第八条第一項第三号の高度利用地区をいう。以下同じ。)の区域

二 号

都市再生特別地区(都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第三十六条第一項の規定による都市再生特別地区をいう。第三条において同じ。)の区域

三 号

特定用途誘導地区(都市再生特別措置法第百九条第一項の規定による特定用途誘導地区をいい、建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。以下同じ。)の最低限度 及び建築物の建築面積の最低限度が定められているものに限る第三条において同じ。)の区域

四 号

都市計画法第十二条の四第一項第一号の地区計画、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律平成九年法律第四十九号。以下「密集市街地整備法」という。)第三十二条第一項の規定による防災街区整備地区計画 又は幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第九条第一項の規定による沿道地区計画の区域(次に掲げる条件の全てに該当するものに限る第三条第一号において「特定地区計画等区域」という。

地区整備計画(都市計画法第十二条の五第二項第一号の地区整備計画をいう。以下同じ。)、密集市街地整備法第三十二条第二項第一号に規定する特定建築物地区整備計画 若しくは同項第二号に規定する防災街区整備地区整備計画 又は幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第二項第一号の沿道地区整備計画(において「地区整備計画等」という。)が定められている区域であること。

地区整備計画等において都市計画法第八条第三項第二号チに規定する高度利用地区について定めるべき事項(特定建築物地区整備計画において建築物の特定地区防災施設に係る間口率(密集市街地整備法第三十二条第三項に規定する建築物の特定地区防災施設に係る間口率をいう。)の最低限度 及び建築物の高さの最低限度が定められている場合 並びに沿道地区整備計画において建築物の沿道整備道路に係る間口率(幹線道路の沿道の整備に関する法律第九条第六項第二号に規定する建築物の沿道整備道路に係る間口率をいう。)の最低限度 及び建築物の高さの最低限度が定められている場合にあつては、建築物の容積率の最低限度を除く)が定められていること。

建築基準法昭和二十五年法律第二百一号第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で、に規定する事項に関する制限が定められていること。

2項

市街地再開発組合は、第一種市街地再開発事業の施行区域内の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。

3項

次に掲げる要件のすべてに該当する株式会社は、市街地再開発事業の施行区域内の土地について市街地再開発事業を施行することができる。

一 号

市街地再開発事業の施行を主たる目的とするものであること。

二 号

公開会社(会社法平成十七年法律第八十六号第二条第五号に規定する公開会社をいう。)でないこと。

三 号

施行地区となるべき区域内の宅地について所有権 又は借地権を有する者が、総株主の議決権の過半数を保有していること。

四 号

前号の議決権の過半数を保有している者 及び当該株式会社が所有する施行地区となるべき区域内の宅地の地積とそれらの者が有するその区域内の借地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地の総地積との合計の三分の二以上であること。


この場合において、所有権 又は借地権が数人の共有に属する宅地 又は借地について前段に規定する者が共有持分を有しているときは、当該宅地 又は借地の地積に当該者が有する所有権 又は借地権の共有持分の割合を乗じて得た面積を、当該宅地 又は借地について当該者が有する宅地 又は借地の地積とみなす。

4項

地方公共団体は、市街地再開発事業の施行区域内の土地について市街地再開発事業を施行することができる。

5項

独立行政法人都市再生機構は、国土交通大臣が次に掲げる事業を施行する必要があると認めるときは、市街地再開発事業の施行区域内の土地について当該事業を施行することができる。

一 号

一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区の計画的な整備改善を図るため当該地区の全部 又は一部について行う市街地再開発事業

二 号

前号に規定するもののほか、国の施策上特に供給が必要な賃貸住宅の建設と併せてこれと関連する市街地の再開発を行うための市街地再開発事業

6項

地方住宅供給公社は、国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては、都道府県知事)が地方住宅供給公社の行う住宅の建設と併せてこれと関連する市街地の再開発を行うための市街地再開発事業を施行する必要があると認めるときは、市街地再開発事業の施行区域内の土地について当該市街地再開発事業を施行することができる。

1項

人口の集中の特に著しい政令で定める大都市を含む都市計画区域内の市街化区域(都市計画法第七条第一項に規定する市街化区域をいう。以下同じ。)においては、都市計画に、次の各号に掲げる事項を明らかにした都市再開発の方針を定めるよう努めるものとする。

一 号

当該都市計画区域内にある計画的な再開発が必要な市街地に係る再開発の目標 並びに当該市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用 及び都市機能の更新に関する方針

二 号

前号の市街地のうち特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区 及び当該地区の整備 又は開発の計画の概要

2項

前項の都市計画区域以外の都市計画区域内の市街化区域においては、都市計画に、当該市街化区域内にある計画的な再開発が必要な市街地のうち特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区 及び当該地区の整備 又は開発の計画の概要を明らかにした都市再開発の方針を定めることができる。

3項

国 及び地方公共団体は、前二項の都市再開発の方針に従い、第一項第二号 又は前項の地区の再開発を促進するため、市街地の再開発に関する事業の実施 その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。