都市緑地法

# 昭和四十八年法律第七十二号 #

第一節 緑地保全地域

分類 法律
カテゴリ   都市計画
@ 施行日 : 令和七年六月一日
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号
最終編集日 : 2026年 08月09日 15時01分


1項

都市計画区域 又は準都市計画区域内の緑地で次の各号いずれかに該当する相当規模の土地の区域については、都市計画に緑地保全地域を定めることができる。

一 号
無秩序な市街地化の防止 又は公害 若しくは災害の防止のため適正に保全する必要があるもの
二 号
地域住民の健全な生活環境を確保するため適正に保全する必要があるもの
1項

緑地保全地域に関する都市計画が定められた場合においては、都道府県(市の区域内にあつては、当該市。以下「都道府県等」という。)は、第八条の規定による行為の規制 又は措置の基準を定め、これを公表しなければならない。


この場合において、当該都道府県にあつては、これを関係町村に通知しなければならない。

2項

都道府県等は、前項に規定する基準を定めるときは、あらかじめ、都道府県にあつては関係町村 及び都道府県都市計画審議会の意見を、市にあつては市町村都市計画審議会(当該市に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、当該市の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の意見を聴かなければならない。

3項

前二項の規定は、都道府県等が第三条の三第二項第五号に掲げる事項を定めた広域計画 又は第四条第二項第五号イに掲げる事項を定めた基本計画を第三条の三第六項同条第七項において準用する場合を含む。)又は第四条第八項同条第九項において準用する場合を含む。)の規定により公表している場合については、適用しない

1項

都道府県等は、緑地保全地域に関する都市計画が定められたときは、その区域内における標識の設置 その他の適切な方法により、その区域が緑地保全地域である旨を明示しなければならない。

2項
緑地保全地域内の土地の所有者 又は占有者は、正当な理由がない限り、前項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
3項

何人も、第一項の規定により設けられた標識を設置者の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。

4項

都道府県等は、第一項の規定による行為(緑地保全地域内における標識の設置に係るものに限る)により損失を受けた者がある場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。

5項

前項の規定による損失の補償については、都道府県知事(市の区域内にあつては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)と損失を受けた者が協議しなければならない。

6項

前項の規定による協議が成立しない場合においては、都道府県知事等 又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法昭和二十六年法律第二百十九号第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。

1項

緑地保全地域(特別緑地保全地区 及び第二十条第二項に規定する地区計画等緑地保全条例により制限を受ける区域を除く。以下この条 及び第六章第二節において同じ。)内において、次に掲げる行為をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、都道府県知事等にその旨を届け出なければならない。

一 号
建築物 その他の工作物の新築、改築 又は増築
二 号
宅地の造成、土地の開墾、土石の採取、鉱物の掘採 その他の土地の形質の変更
三 号
木竹の伐採
四 号
水面の埋立て 又は干拓
五 号

前各号に掲げるもののほか、当該緑地の保全に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

2項

都道府県知事等は、緑地保全地域内において前項の規定により届出を要する行為をしようとする者 又はした者に対して、当該緑地の保全のために必要があると認めるときは、その必要な限度において、第六条第一項に規定する基準(同条第三項に規定する場合にあつては、第三条の三第二項第五号 又は第四条第二項第五号イに規定する基準。第八項において同じ。)に従い、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

3項

前項の規定による処分は、第一項の規定による届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、することができる。

4項

都道府県知事等は、第一項の規定による届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第二項の規定による処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。


この場合においては、同項の期間内に、第一項の規定による届出をした者に対し、その旨、延長する期間 及び延長する理由を通知しなければならない。

5項

第一項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日前項の規定により第三項の期間が延長された場合にあつては、その延長された期間)を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

6項

都道府県知事等は、当該緑地の保全に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。

7項

前各項の規定にかかわらず、国の機関 又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)に規定する港務局を含む。以下この条において同じ。)が行う行為については、第一項の規定による届出をすることを要しない。


この場合において、当該国の機関 又は地方公共団体は、同項の規定により届出を要する行為をするときは、あらかじめ、都道府県知事等にその旨を通知しなければならない。

8項

都道府県知事等は、前項後段の通知があつた場合において、当該緑地の保全のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該国の機関 又は地方公共団体に対し、第六条第一項に規定する基準に従い、当該緑地の保全のためとるべき措置について協議を求めることができる。

9項

次に掲げる行為については、第一項第二項第七項後段 及び前項の規定は、適用しない

一 号
公益性が特に高いと認められる事業の実施に係る行為のうち、当該緑地の保全に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められるものとして政令で定めるもの
二 号
緑地保全地域に関する都市計画が定められた際既に着手していた行為
三 号
非常災害のため必要な応急措置として行う行為
四 号
首都圏保全法第四条第一項の規定による近郊緑地保全計画に基づいて行う行為
五 号
近畿圏保全法第八条第四項第一号の政令で定める行為に該当する行為
六 号
基本計画において定められた当該緑地保全地域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為
七 号
管理協定において定められた当該管理協定区域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為
八 号
市民緑地契約において定められた当該市民緑地内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為
九 号
通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為で政令で定めるもの
1項

都道府県知事等は、前条第二項の規定による処分に違反した者がある場合においては、その者 又はその者から当該土地、建築物 その他の工作物 若しくは物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、当該緑地の保全に対する障害を排除するため必要な限度において、その原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

2項

前項の規定により原状回復 又はこれに代わるべき必要な措置(以下「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、都道府県知事等は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者 若しくは委任した者にこれを行わせることができる。


この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨 及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、都道府県知事等 又はその命じた者 若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。

3項

前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつた場合においては、これを提示しなければならない。

1項

都道府県等は、第八条第二項の規定による処分を受けたため損失を受けた者がある場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。


ただし次の各号いずれかに該当する場合における当該処分に係る行為については、この限りでない。

一 号

第八条第一項の届出に係る行為をするについて、他に、行政庁の許可 その他の処分を受けるべきことを定めている法律(法律に基づく命令 及び条例を含むものとし、当該許可 その他の処分を受けることができないため損失を受けた者に対して、その損失を補償すべきことを定めているものを除く)がある場合において、当該許可 その他の処分の申請が却下されたとき、又は却下されるべき場合に該当するとき。

二 号

第八条第一項の届出に係る行為が、次に掲げるものであると認められるとき。

都市計画法による開発許可を受けた開発行為により確保された緑地 その他これに準ずるものとして政令で定める緑地の保全に支障を及ぼす行為

に掲げるもののほか、社会通念上緑地保全地域に関する都市計画が定められた趣旨に著しく反する行為

2項

第七条第五項 及び第六項の規定は、前項本文の規定による損失の補償について準用する。

1項

都道府県知事等は、緑地保全地域内の緑地の保全のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、第八条第二項の規定により行為を制限され、若しくは必要な措置をとるべき旨を命ぜられた者 又はその者から当該土地、建築物 その他の工作物 若しくは物件についての権利を承継した者に対して、当該行為の実施状況 その他必要な事項について報告を求めることができる。

2項

都道府県知事等は、第八条 及び第九条の規定の施行に必要な限度において、当該職員をして、緑地保全地域内の土地 若しくは建物内に立ち入らせ、又は第八条第一項各号に掲げる行為の実施状況を検査させ、若しくはこれらの行為が当該緑地の保全に及ぼす影響を調査させることができる。

3項

前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつた場合においては、これを提示しなければならない。

4項

第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。