障害者の雇用の促進等に関する法律

# 昭和三十五年法律第百二十三号 #
略称 : 障害者雇用促進法 

第五節 障害者の在宅就業に関する特例

分類 法律
カテゴリ   労働
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百四号による改正
最終編集日 : 2024年 07月10日 14時03分


1項

厚生労働大臣は、在宅就業障害者の就業機会の確保を支援するため、事業主で次項の規定に該当するものに対して、同項の在宅就業障害者特例調整金を支給する業務を行うことができる。

2項

厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、各年度ごとに、在宅就業障害者との間で書面により在宅就業契約を締結した事業主(次条第一項に規定する在宅就業支援団体を除く。以下この節において同じ。)であつて、在宅就業障害者に在宅就業契約に基づく業務の対価を支払つたものに対して、調整額に、当該年度に支払つた当該対価の総額(以下「対象額」という。)を評価額で除して得た数(その数に一未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)を乗じて得た額に相当する金額を、当該年度分の在宅就業障害者特例調整金として支給する。


ただし、在宅就業単位調整額に当該年度に属する各月ごとの初日における当該事業主の雇用する対象障害者である労働者の数の合計数を乗じて得た額に相当する金額を超えることができない

3項

この節第四章第五章 及び附則第四条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

在宅就業障害者

対象障害者であつて、自宅 その他厚生労働省令で定める場所において物品の製造、役務の提供 その他これらに類する業務を自ら行うもの(雇用されている者を除く

二 号

在宅就業契約

在宅就業障害者が物品の製造、役務の提供 その他これらに類する業務を行う旨の契約

三 号

在宅就業単位調整額

第五十条第二項に規定する単位調整額以下の額で政令で定める額

四 号

調整額

在宅就業単位調整額に評価基準月数(在宅就業障害者の就業機会の確保に資する程度 その他の状況を勘案して政令で定める月数をいう。以下同じ。)を乗じて得た額

五 号

評価額

障害者である労働者の平均的な給与の状況 その他の状況を勘案して政令で定める額に評価基準月数を乗じて得た額

4項

第五十五条第一項の場合において、当該事業主が当該年度において在宅就業障害者に在宅就業契約に基づく業務の対価を支払つており、かつ、第二項の規定により算定した在宅就業障害者特例調整金の額が算定額に達しないときは、当該事業主が納付すべき納付金の額は、同条第一項の規定にかかわらず、その差額に相当する金額とする。


この場合においては、当該事業主については、第二項の規定にかかわらず、在宅就業障害者特例調整金は支給しない。

5項

第五十五条第一項の場合において、当該事業主が当該年度において在宅就業障害者に在宅就業契約に基づく業務の対価を支払つており、かつ、第二項の規定により算定した在宅就業障害者特例調整金の額が算定額以上であるときは、同項の規定にかかわらず、当該事業主に対して、その差額に相当する金額を、当該年度分の在宅就業障害者特例調整金として支給する。


この場合においては、当該事業主については、同条第一項の規定にかかわらず、納付金は徴収しない。

6項

厚生労働大臣は、第一項に規定する業務の全部 又は一部を機構に行わせるものとする。

7項

機構は、第一項に規定する業務に関し必要があると認めるときは、事業主 又は在宅就業障害者に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。

8項

第六項の場合における第五十三条の規定の適用については、

同条第一項
並びに同項各号に掲げる業務」とあるのは、
「、第七十四条の二第一項の在宅就業障害者特例調整金の支給に要する費用 並びに第四十九条第一項各号に掲げる業務 及び第七十四条の二第一項に規定する業務」と

する。

9項

親事業主、関係親事業主 又は特定組合等に係る第二項第四項 及び第五項 並びに第五十六条第一項 及び第四項の規定の適用については、在宅就業契約に基づく業務の対価として在宅就業障害者に対して支払つた額に関し、当該子会社 及び当該関係会社が支払つた額は当該親事業主のみが支払つた額と、当該関係子会社が支払つた額は当該関係親事業主のみが支払つた額と、当該特定事業主が支払つた額は当該特定組合等のみが支払つた額とみなす。

10項

第四十五条の二第四項から第六項までの規定は第二項の対象障害者である労働者の数の算定について、第五十条第五項 及び第六項の規定は第一項の在宅就業障害者特例調整金について準用する。

11項

第二項の対象障害者である労働者の数の算定に当たつては、前項において準用する第四十五条の二第四項 及び第六項の規定にかかわらず、重度身体障害者、重度知的障害者 又は精神障害者である特定短時間労働者は、その一人をもつて、第四十三条第五項の厚生労働省令で定める数に満たない範囲内において厚生労働省令で定める数の対象障害者である労働者に相当するものとみなす。

1項

各年度ごとに、事業主に在宅就業対価相当額(事業主が厚生労働大臣の登録を受けた法人(以下「在宅就業支援団体」という。)との間で締結した物品の製造、役務の提供 その他これらに類する業務に係る契約に基づき当該事業主が在宅就業支援団体に対して支払つた金額のうち、当該契約の履行に当たり在宅就業支援団体が在宅就業障害者との間で締結した在宅就業契約に基づく業務の対価として支払つた部分の金額に相当する金額をいう。以下同じ。)があるときは、その総額を当該年度の対象額に加算する。


この場合において、前条の規定の適用については、

同条第二項
当該対価の総額」とあるのは
「当該対価の総額と次条第一項に規定する在宅就業対価相当額の総額とを合計した額」と、

同条第九項
に関し、」とあるのは
「に関し」と、

とみなす」とあるのは
「と、当該子会社 及び当該関係会社に係る次条第一項に規定する在宅就業対価相当額(以下この項において「在宅就業対価相当額」という。)は当該親事業主のみに係る在宅就業対価相当額と、当該関係子会社に係る在宅就業対価相当額は当該関係親事業主のみに係る在宅就業対価相当額と、当該特定事業主に係る在宅就業対価相当額は当該特定組合等のみに係る在宅就業対価相当額とみなす」と

する。

2項

前項の登録は、在宅就業障害者の希望に応じた就業の機会を確保し、及び在宅就業障害者に対して組織的に提供することその他の在宅就業障害者に対する援助の業務を行う法人の申請により行う。

3項

次の各号いずれかに該当する法人は、第一項の登録を受けることができない

一 号

この法律の規定 その他労働に関する法律の規定であつて政令で定めるもの又は出入国管理及び難民認定法昭和二十六年政令第三百十九号第七十三条の二第一項の規定 及び同項の規定に係る同法第七十六条の二の規定により、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない法人

二 号

第十八項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人

三 号

役員のうちに、禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定 その他労働に関する法律の規定であつて政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号)の規定(同法第五十条第二号に係る部分に限る)及び第五十二条の規定を除く)により、若しくは刑法明治四十年法律第四十五号第二百四条第二百六条第二百八条第二百八条の二第二百二十二条 若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律大正十五年法律第六十号)の罪 若しくは出入国管理及び難民認定法第七十三条の二第一項の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者のある法人

4項

厚生労働大臣は、第二項の規定により登録を申請した法人が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。


この場合において、登録に関して必要な手続は、厚生労働省令で定める。

一 号

常時五人以上の在宅就業障害者に対して、次に掲げる業務のすべてを継続的に実施していること。

在宅就業障害者の希望に応じた就業の機会を確保し、及び在宅就業障害者に対して組織的に提供すること。

在宅就業障害者に対して、その業務を適切に行うために必要な知識 及び技能を習得するための職業講習 又は情報提供を行うこと。

在宅就業障害者に対して、その業務を適切に行うために必要な助言 その他の援助を行うこと。

雇用による就業を希望する在宅就業障害者に対して、必要な助言 その他の援助を行うこと。

二 号

前号イからニまでに掲げる業務(以下「実施業務」という。)の対象である障害者に係る障害に関する知識 及び当該障害に係る障害者の援助を行う業務に従事した経験 並びに在宅就業障害者に対して提供する就業の機会に係る業務の内容に関する知識を有する者(次号において「従事経験者」という。)が実施業務を実施していること。

三 号

前号に掲げる者のほか、実施業務を適正に行うための管理者(従事経験者である者に限る)が置かれていること。

四 号

実施業務を行うために必要な施設 及び設備を有すること。

5項

登録は、在宅就業支援団体登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。

一 号
登録年月日 及び登録番号
二 号

在宅就業支援団体の名称 及び住所 並びにその代表者の氏名

三 号

在宅就業支援団体が在宅就業障害者に係る業務を行う事業所の所在地

6項

第一項の登録は、三年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

7項

第二項から第五項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。

8項

在宅就業支援団体は、物品の製造、役務の提供 その他これらに類する業務に係る契約に基づき事業主から対価の支払を受けたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業主に対し、在宅就業対価相当額を証する書面を交付しなければならない。

9項

在宅就業支援団体は、前項に定めるもののほか第四項各号に掲げる要件 及び厚生労働省令で定める基準に適合する方法により在宅就業障害者に係る業務を行わなければならない。

10項

在宅就業支援団体は、第五項第二号 又は第三号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

11項

在宅就業支援団体は、在宅就業障害者に係る業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、当該業務の開始前に、厚生労働大臣に届け出なければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

12項

業務規程には、在宅就業障害者に係る業務の実施方法 その他の厚生労働省令で定める事項を定めておかなければならない。

13項

在宅就業支援団体は、在宅就業障害者に係る業務の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

14項

在宅就業支援団体は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表 及び損益計算書 又は収支計算書 並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備えて置かなければならない。

15項

在宅就業障害者 その他の利害関係人は、在宅就業支援団体の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。


ただし第二号 又は第四号の請求をするには、在宅就業支援団体の定めた費用を支払わなければならない。

一 号

財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求

二 号

前号の書面の謄本 又は抄本の請求

三 号

財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求

四 号

前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求

16項

厚生労働大臣は、在宅就業支援団体が第四項各号いずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該在宅就業支援団体に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

17項

厚生労働大臣は、在宅就業支援団体が第九項の規定に違反していると認めるときは、当該在宅就業支援団体に対し、在宅就業障害者に係る業務を行うべきこと 又は当該業務の実施の方法 その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

18項

厚生労働大臣は、在宅就業支援団体が次の各号いずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて在宅就業障害者に係る業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第三項第一号 又は第三号に該当するに至つたとき。

二 号

第八項第十項から第十四項まで 又は次項の規定に違反したとき。

三 号

正当な理由がないのに第十五項各号の規定による請求を拒んだとき。

四 号

前二項の規定による命令に違反したとき。

五 号

不正の手段により第一項の登録を受けたとき。

19項

在宅就業支援団体は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え、在宅就業障害者に係る業務に関し厚生労働省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

20項

機構は、第一項において読み替えて適用する前条第二項の場合における同条第一項の業務に関し必要があると認めるときは、事業主、在宅就業障害者 又は在宅就業支援団体に対し、必要な事項についての報告を求めることができる。

21項

在宅就業支援団体は、毎年一回、厚生労働省令で定めるところにより、在宅就業障害者に係る業務に関し厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。

22項

厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

一 号

第一項の登録をしたとき。

二 号

第十項の規定による届出があつたとき。

三 号

第十三項の規定による届出があつたとき。

四 号

第十八項の規定により第一項の登録を取り消し、又は在宅就業障害者に係る業務の停止を命じたとき。