1項
在外資産を有する解散会社は、第二十六条の三第一項の規定に該当しない場合においても、第二十五条の二第一項に規定する資産の処分 及び債権の回収(調整勘定受益権 又は仮勘定受益権を有する場合には、前条第一項の規定によるその譲渡を含む。)を完了した後、命令の定めるところにより、主務大臣の認可を受けて左に掲げる事項を実行したときは、その仮勘定を閉鎖することができる。
但し、特別損失の額を旧債権者に負担させた解散会社が当該事項を実行しようとするときは、あらかじめ仮勘定監理人の同意を得なければならない。
一
号
在外負債を有しない解散会社にあつては、主務大臣の選任する者(以下特殊管財人という。)にその有する在外資産の管理を委託すること。
二
号
在外負債を有する解散会社にあつては、左に掲げる金額に相当する金銭を特殊管財人に引き渡し、当該金銭 及びその有する在外資産の管理を当該特殊管財人に委託すること。
但し、イ 又はロに該当する場合において、仮勘定利益額がないとき、又は仮勘定利益額がその後における在外資産 及び在外負債に係るもの以外の清算事務の執行に要する経費の見積額以下であるときは、イに掲げる金額に相当する部分の金銭の引渡 及びその管理の委託を要しない。
イ
指定時在外負債超過額がない場合には、第二十六条の二第一項第二号ロに掲げる金額(当該金額が引渡の時現在の仮勘定利益額からその後における在外資産 及び在外負債に係るもの以外の清算事務の執行に要する経費の見積額を控除した残額を超える場合には、当該残額)
ロ
指定時在外負債超過額がある場合において、その額が在外負債引当額に満たないときは、指定時在外負債超過額をイに掲げる金額に加算した金額
ハ
指定時在外負債超過額がある場合において、その額が在外負債引当額以上であるときは、在外負債引当額
2項
第二十六条の三第二項前段の規定は、前項の場合に、これを準用する。
この場合における第二十六条の規定の適用については、
同条第一項中
「場合においては、その超過額(以下仮勘定利益額という。)」とあるのは
「場合において、その超過額からその後における在外資産 及び在外負債に係るもの以外の清算事務の執行に要する経費の額として仮勘定監理人の同意を得た金額(第二十六条の六第一項第二号イ 又はロの規定に該当する場合には、同号イに掲げる金額を加算した金額)に相当する額を控除して、なお残額があるときは、その残額(以下本条において帰属範囲額という。)」とし、
同条第二項乃至第四項中
「仮勘定利益額」とあるのは
「帰属範囲額」と
する。
3項
在外負債を有し、在外資産を有しない解散会社は、その仮勘定の額が確定した場合においては、命令の定めるところにより、主務大臣の認可を受けて、その有する在外負債の額に相当する金銭を特殊管財人に引き渡し、その管理を当該特殊管財人に委託することができる。
4項
在外負債 及び在外資産を有する解散会社は、第二十六条の三第一項の規定により仮勘定を閉鎖した場合においては、命令の定めるところにより、主務大臣の認可を受けて、在外負債引当額に相当する金銭を特殊管財人に引き渡し、当該金銭 及びその有する在外資産の管理を当該特殊管財人に委託することができる。
5項
会社法(平成十七年法律第八十六号)第五百七条の規定は、第一項の規定により解散会社が仮勘定を閉鎖した場合 又は前二項の規定により解散会社が特殊管財人に金銭の引渡しをした場合において、在外資産 及び在外負債に係るもの以外の清算事務が終了したときについて準用する。
6項
前項において準用する会社法第五百七条第三項の規定による株主総会の承認があつたときは、清算人は、退任するものとし、当該会社の清算に関するすべての事務は、特殊管財人のする事務を除き、第二十六条の八第一項の規定により主務大臣の選任した清算人が就職する日の前日まで、これを停止する。
この場合においては、当該会社の帳簿 並びにその事業 及び清算に関する重要書類の保存者は、主務大臣が、これを定める。