指定紛争解決機関は、この法律 及び業務規程の定めるところにより、紛争解決等業務を行うものとする。
信託業法
第二節 業務
指定紛争解決機関(紛争解決委員を含む。)は、当事者である加入信託会社等(手続実施基本契約を締結した相手方である信託会社等をいう。以下この章において同じ。)若しくはその顧客(以下この章において単に「当事者」という。)又は当事者以外の者との手続実施基本契約 その他の契約で定めるところにより、紛争解決等業務を行うことに関し、負担金 又は料金 その他の報酬を受けることができる。
指定紛争解決機関は、他の指定紛争解決機関 又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを受けた者(第八十五条の十三第四項 及び第五項において「受託紛争解決機関」という。)以外の者に対して、苦情処理手続 又は紛争解決手続の業務を委託してはならない。
指定紛争解決機関は、次に掲げる事項に関する業務規程を定めなければならない。
前項第一号の手続実施基本契約は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
紛争解決委員は、紛争解決手続において、前号の和解案の受諾の勧告によっては当事者間に和解が成立する見込みがない場合において、事案の性質、当事者の意向、当事者の手続追行の状況 その他の事情に照らして相当であると認めるときは、手続対象信託業務関連紛争の解決のために必要な特別調停案を作成し、理由を付して当事者に提示することができること。
加入信託会社等は、訴訟が係属している請求を目的とする紛争解決手続が開始された場合には、当該訴訟が係属している旨、当該訴訟における請求の理由 及び当該訴訟の程度を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
加入信託会社等は、紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起された場合には、当該訴訟が提起された旨 及び当該訴訟における請求の理由を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
前二号に規定する場合のほか、加入信託会社等は、紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟に関し、当該訴訟の程度 その他の事項の報告を求められた場合には、当該事項を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
加入信託会社等は、第六号 若しくは第七号の訴訟が裁判所に係属しなくなった場合 又はその訴訟について裁判が確定した場合には、その旨 及びその内容を指定紛争解決機関に報告しなければならないこと。
前各号に掲げるもののほか、手続対象信託業務関連苦情の処理 又は手続対象信託業務関連紛争の解決の促進のために必要であるものとして内閣府令で定める事項
第一項第二号の手続実施基本契約の締結に関する事項に関する業務規程は、信託会社等から手続実施基本契約の締結の申込みがあった場合には、当該信託会社等が手続実施基本契約に係る債務 その他の紛争解決等業務の実施に関する義務を履行することが確実でないと見込まれるときを除き、これを拒否してはならないことを内容とするものでなければならない。
第一項第三号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
指定紛争解決機関の実質的支配者等(指定紛争解決機関の株式の所有、指定紛争解決機関に対する融資 その他の事由を通じて指定紛争解決機関の事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にあるものとして内閣府令で定める者をいう。)又は指定紛争解決機関の子会社等(指定紛争解決機関が株式の所有 その他の事由を通じてその事業を実質的に支配する関係にあるものとして内閣府令で定める者をいう。)を手続対象信託業務関連紛争の当事者とする手続対象信託業務関連紛争について紛争解決手続の業務を行うこととしている指定紛争解決機関にあっては、当該実質的支配者等 若しくは当該子会社等 又は指定紛争解決機関が紛争解決委員に対して不当な影響を及ぼすことを排除するための措置が講じられていること。
紛争解決委員が弁護士でない場合(司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第三条第一項第七号に規定する紛争について行う紛争解決手続において、紛争解決委員が同条第二項に規定する司法書士である場合を除く。)において、紛争解決手続の実施に当たり法令の解釈適用に関し専門的知識を必要とするときに、弁護士の助言を受けることができるようにするための措置を定めていること。
指定紛争解決機関が加入信託会社等の顧客から第七号の紛争解決手続の申立てを受けた場合において、手続対象信託業務関連紛争の他方の当事者となる当該加入信託会社等に対し、速やかにその旨を通知する手続を定めていること。
紛争解決手続において陳述される意見 又は提出され、若しくは提示される帳簿書類 その他の物件に含まれる手続対象信託業務関連紛争の当事者 又は第三者の秘密について、当該秘密の性質に応じてこれを適切に保持するための取扱いの方法を定めていること。
第八十五条の十三第九項に規定する手続実施記録に記載されているこれらの秘密についても、同様とする。
第一項第四号 及び第五号に掲げる事項に関する業務規程は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
第一項第四号に規定する負担金 及び同項第五号に規定する料金の額 又は算定方法 及び支払方法(次号において「負担金額等」という。)を定めていること。
第二項第五号の「特別調停案」とは、和解案であって、次に掲げる場合を除き、加入信託会社等が受諾しなければならないものをいう。
当事者である加入信託会社等の顧客(以下この項において単に「顧客」という。)が当該和解案を受諾しないとき。
当該和解案の提示の時において当該紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起されていない場合において、顧客が当該和解案を受諾したことを加入信託会社等が知った日から一月を経過する日までに当該請求に係る訴訟が提起され、かつ、同日までに当該訴訟が取り下げられないとき。
当該和解案の提示の時において当該紛争解決手続の目的となった請求に係る訴訟が提起されている場合において、顧客が当該和解案を受諾したことを加入信託会社等が知った日から一月を経過する日までに当該訴訟が取り下げられないとき。
顧客が当該和解案を受諾したことを加入信託会社等が知った日から一月を経過する日までに、当該紛争解決手続が行われている手続対象信託業務関連紛争について、当事者間において仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意がされ、又は当該和解案によらずに和解 若しくは調停が成立したとき。
業務規程の変更は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
内閣総理大臣は、前項の規定による認可をしようとするときは、当該認可に係る業務規程が第四項各号 及び第五項各号に掲げる基準(紛争解決手続の業務に係る部分に限る。)に適合していることについて、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
指定紛争解決機関は、手続実施基本契約により加入信託会社等が負担する義務の不履行が生じた場合において、当該加入信託会社等の意見を聴き、当該不履行につき正当な理由がないと認めるときは、遅滞なく、当該加入信託会社等の商号 又は名称 及び当該不履行の事実を公表するとともに、内閣総理大臣に報告しなければならない。
指定紛争解決機関は、手続対象信託業務関連苦情 及び手続対象信託業務関連紛争を未然に防止し、並びに手続対象信託業務関連苦情の処理 及び手続対象信託業務関連紛争の解決を促進するため、加入信託会社等 その他の者に対し、情報の提供、相談 その他の援助を行うよう努めなければならない。
指定紛争解決機関は、暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この条において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者をいう。)を紛争解決等業務に従事させ、又は紛争解決等業務の補助者として使用してはならない。
指定紛争解決機関は、特定の加入信託会社等に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
指定紛争解決機関は、第八十五条の十三第九項の規定によるもののほか、内閣府令で定めるところにより、紛争解決等業務に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
指定紛争解決機関は、加入信託会社等の顧客から手続対象信託業務関連苦情について解決の申立てがあったときは、その相談に応じ、当該顧客に必要な助言をし、当該手続対象信託業務関連苦情に係る事情を調査するとともに、当該加入信託会社等に対し、当該手続対象信託業務関連苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
加入信託会社等に係る手続対象信託業務関連紛争の解決を図るため、当事者は、当該加入信託会社等が手続実施基本契約を締結した指定紛争解決機関に対し、紛争解決手続の申立てをすることができる。
指定紛争解決機関は、前項の申立てを受けたときは、紛争解決委員を選任するものとする。
紛争解決委員は、人格が高潔で識見の高い者であって、次の各号のいずれかに該当する者(第一項の申立てに係る当事者と利害関係を有する者を除く。)のうちから選任されるものとする。
この場合において、紛争解決委員のうち少なくとも一人は、第一号 又は第三号(当該申立てが司法書士法第三条第一項第七号に規定する紛争に係るものである場合にあっては、第一号、第三号 又は第四号)のいずれかに該当する者でなければならない。
弁護士であってその職務に従事した期間が通算して五年以上である者
手続対象信託業務に従事した期間が通算して十年以上である者
当該申立てが司法書士法第三条第一項第七号に規定する紛争に係るものである場合にあっては、同条第二項に規定する司法書士であって同項に規定する簡裁訴訟代理等関係業務に従事した期間が通算して五年以上である者
前各号に掲げる者に準ずる者として内閣府令で定める者
指定紛争解決機関は、第一項の申立てを第二項の規定により選任した紛争解決委員(以下この条 及び次条第一項において単に「紛争解決委員」という。)による紛争解決手続に付するものとする。
ただし、紛争解決委員は、当該申立てに係る当事者である加入信託会社等の顧客が当該手続対象信託業務関連紛争を適切に解決するに足りる能力を有する者であると認められること その他の事由により紛争解決手続を行うのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりに第一項の申立てをしたと認めるときは、紛争解決手続を実施しないものとし、紛争解決委員が当該申立てを受託紛争解決機関における紛争解決手続に相当する手続に付することが適当と認めるときは、指定紛争解決機関は、受託紛争解決機関に紛争解決手続の業務を委託するものとする。
前項ただし書の規定により紛争解決委員が紛争解決手続を実施しないこととしたとき、又は受託紛争解決機関に業務を委託することとしたときは、指定紛争解決機関は、第一項の申立てをした者に対し、その旨を理由を付して通知するものとする。
紛争解決委員は、当事者 若しくは参考人から意見を聴取し、若しくは報告書の提出を求め、又は当事者から参考となるべき帳簿書類 その他の物件の提出を求め、和解案を作成して、その受諾を勧告し、又は特別調停(第八十五条の七第六項に規定する特別調停案を提示することをいう。)をすることができる。
紛争解決手続は、公開しない。
ただし、紛争解決委員は、当事者の同意を得て、相当と認める者の傍聴を許すことができる。
指定紛争解決機関は、紛争解決手続の開始に先立ち、当事者である加入信託会社等の顧客に対し、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項について、これを記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供して説明をしなければならない。
第八十五条の七第四項第六号に規定する紛争解決手続の開始から終了に至るまでの標準的な手続の進行
指定紛争解決機関は、内閣府令で定めるところにより、その実施した紛争解決手続に関し、次に掲げる事項を記載した手続実施記録を作成し、保存しなければならない。
紛争解決手続の結果(紛争解決手続の終了の理由 及びその年月日を含む。)
前各号に掲げるもののほか、実施した紛争解決手続の内容を明らかにするために必要な事項であって内閣府令で定めるもの
紛争解決手続によっては手続対象信託業務関連紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないことを理由に紛争解決委員が当該紛争解決手続を終了した場合において、当該紛争解決手続の申立てをした当該手続対象信託業務関連紛争の当事者がその旨の通知を受けた日から一月以内に当該紛争解決手続の目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の完成猶予に関しては、当該紛争解決手続における請求の時に、訴えの提起があったものとみなす。
指定紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第八十五条の二十三第一項の規定により認可され、又は第八十五条の二第一項の規定による指定が第八十五条の二十四第一項の規定により取り消され、かつ、その認可 又は取消しの日に紛争解決手続が実施されていた手続対象信託業務関連紛争がある場合において、当該紛争解決手続の申立てをした当該手続対象信託業務関連紛争の当事者が第八十五条の二十三第三項 若しくは第八十五条の二十四第三項の規定による通知を受けた日 又は当該認可 若しくは取消しを知った日のいずれか早い日から一月以内に当該紛争解決手続の目的となった請求について訴えを提起したときも、前項と同様とする。
手続対象信託業務関連紛争について当該手続対象信託業務関連紛争の当事者間に訴訟が係属する場合において、次の各号のいずれかに掲げる事由があり、かつ、当該手続対象信託業務関連紛争の当事者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、四月以内の期間を定めて訴訟手続を中止する旨の決定をすることができる。
前号の場合のほか、当該手続対象信託業務関連紛争の当事者間に紛争解決手続によって当該手続対象信託業務関連紛争の解決を図る旨の合意があること。
受訴裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
第一項の申立てを却下する決定 及び前項の規定により第一項の決定を取り消す決定に対しては、不服を申し立てることができない。
指定紛争解決機関は、加入信託会社等の名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
指定紛争解決機関でない者(金融商品取引法第百五十六条の三十九第一項の規定による指定を受けた者 その他これに類する者として政令で定めるものを除く。)は、その名称 又は商号のうちに指定紛争解決機関であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。