この法律は、労働者 又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第七条第一項第一号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷 若しくは死亡 又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。
健康保険法
第一章 総則
健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、高齢化の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度 及び後期高齢者医療制度 並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して常に検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の運営の効率化、給付の内容 及び費用の負担の適正化 並びに国民が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない。
この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者 及び任意継続被保険者をいう。
ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。
船員保険の被保険者(船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第二条第二項に規定する疾病任意継続被保険者を除く。)
臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(イに掲げる者にあっては一月を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる定めた期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。)
二月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの
事業所 又は事務所(第八十八条第一項 及び第八十九条第一項を除き、以下単に「事業所」という。)で所在地が一定しないものに使用される者
季節的業務に使用される者(継続して四月を超えて使用されるべき場合を除く。)
臨時的事業の事業所に使用される者(継続して六月を超えて使用されるべき場合を除く。)
後期高齢者医療の被保険者(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第五十条の規定による被保険者をいう。)及び同条各号のいずれかに該当する者で同法第五十一条の規定により後期高齢者医療の被保険者とならないもの(以下「後期高齢者医療の被保険者等」という。)
厚生労働大臣、健康保険組合 又は共済組合の承認を受けた者(健康保険の被保険者でないことにより国民健康保険の被保険者であるべき期間に限る。)
事業所に使用される者であって、その一週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者(当該事業所に使用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業所に使用される者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該者と同種の業務に従事する当該通常の労働者。以下この号において単に「通常の労働者」という。)の一週間の所定労働時間の四分の三未満である短時間労働者(一週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の一週間の所定労働時間に比し短い者をいう。以下この号において同じ。)又はその一月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の一月間の所定労働日数の四分の三未満である短時間労働者に該当し、かつ、イからハまでのいずれかの要件に該当するもの
一週間の所定労働時間が二十時間未満であること。
報酬(最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第四条第三項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものを除く。)について、厚生労働省令で定めるところにより、第四十二条第一項の規定の例により算定した額が、八万八千円未満であること。
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第五十条に規定する高等学校の生徒、同法第八十三条に規定する大学の学生 その他の厚生労働省令で定める者であること。
この法律において「日雇特例被保険者」とは、適用事業所に使用される日雇労働者をいう。
ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者 又は次の各号のいずれかに該当する者として厚生労働大臣の承認を受けたものは、この限りでない。
適用事業所において、引き続く二月間に通算して二十六日以上使用される見込みのないことが明らかであるとき。
この法律において「適用事業所」とは、次の各号のいずれかに該当する事業所をいう。
次に掲げる事業の事業所であって、常時五人以上の従業員を使用するもの
社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める社会福祉事業 及び更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)に定める更生保護事業
前号に掲げるもののほか、国、地方公共団体 又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの
この法律において「任意継続被保険者」とは、適用事業所に使用されなくなったため、又は第一項ただし書に該当するに至ったため被保険者(日雇特例被保険者を除く。)の資格を喪失した者であって、喪失の日の前日まで継続して二月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者 又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であったもののうち、保険者に申し出て、継続して当該保険者の被保険者となった者をいう。
ただし、船員保険の被保険者 又は後期高齢者医療の被保険者等である者は、この限りでない。
この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与 その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。
ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与 その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。
この法律において「被扶養者」とは、次に掲げる者で、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生 その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的 その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。
ただし、後期高齢者医療の被保険者等である者 その他この法律の適用を除外すべき特別の理由がある者として厚生労働省令で定める者は、この限りでない。
被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。以下この項において同じ。)の直系尊属、配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、子、孫 及び兄弟姉妹であって、主としてその被保険者により生計を維持するもの
被保険者の三親等内の親族で前号に掲げる者以外のものであって、その被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
前号の配偶者の死亡後におけるその父母 及び子であって、引き続きその被保険者と同一の世帯に属し、主としてその被保険者により生計を維持するもの
この法律において「日雇労働者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(同一の事業所において、イに掲げる者にあっては一月を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる定めた期間を超え、引き続き使用されるに至った場合(所在地の一定しない事業所において引き続き使用されるに至った場合を除く。)を除く。)
二月以内の期間を定めて使用される者であって、当該定めた期間を超えて使用されることが見込まれないもの
季節的業務に使用される者(継続して四月を超えて使用されるべき場合を除く。)
臨時的事業の事業所に使用される者(継続して六月を超えて使用されるべき場合を除く。)
この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与 その他いかなる名称であるかを問わず、日雇労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。
ただし、三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
この法律において「共済組合」とは、法律によって組織された共済組合をいう。
この法律において「保険者番号」とは、厚生労働大臣が健康保険事業において保険者を識別するための番号として、保険者ごとに定めるものをいう。
この法律において「被保険者等記号・番号」とは、保険者が被保険者 又は被扶養者の資格を管理するための記号、番号 その他の符号として、被保険者 又は被扶養者ごとに定めるものをいう。
この法律において「電子資格確認」とは、保険医療機関等(第六十三条第三項各号に掲げる病院 若しくは診療所 又は薬局をいう。以下同じ。)から療養を受けようとする者 又は第八十八条第一項に規定する指定訪問看護事業者から同項に規定する指定訪問看護を受けようとする者が、保険者に対し、個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。)に記録された利用者証明用電子証明書(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第二十二条第一項に規定する利用者証明用電子証明書をいう。)を送信する方法 その他の厚生労働省令で定める方法により、被保険者 又は被扶養者の資格に係る情報(保険給付に係る費用の請求に必要な情報を含む。)の照会を行い、電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法により、保険者から回答を受けて当該情報を当該保険医療機関等 又は指定訪問看護事業者に提供し、当該保険医療機関等 又は指定訪問看護事業者から被保険者 又は被扶養者であることの確認を受けることをいう。