厚生労働大臣は、感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めなければならない。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
第二章 基本指針等
基本指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
感染症の発生の予防のための施策に関する事項
感染症のまん延の防止のための施策に関する事項
第四十四条の三第二項 又は第五十条の二第二項に規定する宿泊施設の確保に関する事項
第四十四条の三の二第一項に規定する新型インフルエンザ等感染症外出自粛対象者 又は第五十条の三第一項に規定する新感染症外出自粛対象者の療養生活の環境整備に関する事項
第四十四条の五第一項(第四十四条の八において準用する場合を含む。)、第五十一条の四第一項 若しくは第六十三条の三第一項の規定による総合調整 又は第五十一条の五第一項、第六十三条の二 若しくは第六十三条の四の規定による指示の方針に関する事項
第五十三条の十六第一項に規定する感染症対策物資等の確保に関する事項
緊急時における感染症の発生の予防 及びまん延の防止、病原体等の検査の実施 並びに医療の提供のための施策(国と地方公共団体 及び地方公共団体相互間の連絡体制の確保を含む。)に関する事項
厚生労働大臣は、感染症の予防に関する施策の効果に関する評価を踏まえ、前項第五号、第六号、第十号、第十一号、第十三号、第十五号、第十六号 及び第十八号に掲げる事項(以下この項において「特定事項」という。)については少なくとも三年ごとに、特定事項以外の前項各号に掲げる事項については少なくとも六年ごとに、それぞれ再検討を加え、必要があると認めるときは、基本指針を変更するものとする。
厚生労働大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
厚生労働大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
都道府県は、基本指針に即して、感染症の予防のための施策の実施に関する計画(以下この条 及び次条第二項において「予防計画」という。)を定めなければならない。
前項の予防計画は、当該都道府県における次に掲げる事項について定めるものとする。
地域の実情に即した感染症の発生の予防 及びまん延の防止のための施策に関する事項
第四十四条の三第二項 又は第五十条の二第二項に規定する宿泊施設の確保に関する事項
第四十四条の三の二第一項に規定する新型インフルエンザ等感染症外出自粛対象者 又は第五十条の三第一項に規定する新感染症外出自粛対象者の療養生活の環境整備に関する事項
第六十三条の三第一項の規定による総合調整 又は第六十三条の四の規定による指示の方針に関する事項
緊急時における感染症の発生の予防 及びまん延の防止、病原体等の検査の実施 並びに医療の提供のための施策(国との連携 及び地方公共団体相互間の連絡体制の確保を含む。)に関する事項
第一項の予防計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、当該都道府県における感染症に関する知識の普及に関する事項について定めるよう努めるものとする。
都道府県は、基本指針が変更された場合には、当該都道府県が定める予防計画に再検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
都道府県が予防計画の実施状況に関する調査、分析 及び評価を行い、必要があると認めるときも、同様とする。
都道府県は、予防計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、その区域内の感染症の予防に関する施策の整合性の確保 及び専門的知見の活用を図るため、あらかじめ、次条第一項に規定する都道府県連携協議会において協議しなければならない。
都道府県は、予防計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、市町村(保健所を設置する市 及び特別区(以下「保健所設置市等」という。)を除く。)の意見を聴かなければならない。
都道府県は、予防計画を定め、又はこれを変更するに当たっては、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第一項に規定する医療計画 及び新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号)第七条第一項に規定する都道府県行動計画との整合性の確保を図らなければならない。
都道府県は、予防計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを厚生労働大臣に提出しなければならない。
厚生労働大臣は、都道府県に対し、前項の規定により提出を受けた予防計画について、必要があると認めるときは、助言、勧告 又は援助をすることができる。
都道府県は、厚生労働大臣に対し、第二項第六号に掲げる事項の達成の状況を、毎年度、厚生労働省令で定めるところにより、報告しなければならない。
厚生労働大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、必要に応じ、厚生労働省令で定めるところにより、その内容を公表するものとする。
第十項の規定は、第十一項の規定により受けた報告について準用する。
前項の予防計画は、当該保健所設置市等における次に掲げる事項について定めるものとする。
第二項第一号、第三号、第五号、第八号 及び第十号から第十二号までに掲げる事項
病原体等の検査の実施体制の確保 その他感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するための措置に必要なものとして厚生労働省令で定める体制の確保に係る目標に関する事項
第十四項の予防計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、当該保健所設置市等における第二項第二号 及び第七号に掲げる事項 並びに感染症に関する知識の普及に関する事項について定めるよう努めるものとする。
保健所設置市等は、予防計画を定め、又はこれを変更するに当たっては、新型インフルエンザ等対策特別措置法第八条第一項に規定する市町村行動計画との整合性の確保を図らなければならない。
第四項から第六項まで 及び第九項から第十三項までの規定は、保健所設置市等が定める予防計画について準用する。
この場合において、
第四項中
「基本指針」とあるのは
「基本指針 又は当該保健所設置市等の区域を管轄する都道府県が定める予防計画」と、
第九項中
「厚生労働大臣」とあるのは
「都道府県に提出しなければならない。この場合において、当該提出を受けた都道府県は、遅滞なく、これを厚生労働大臣」と、
第十項 及び第十一項中
「厚生労働大臣」とあるのは
「都道府県」と、
同項中
「第二項第六号」とあるのは
「第十五項第二号」と、
「ならない」とあるのは
「ならない。この場合において、当該報告を受けた都道府県は、速やかに、当該報告の内容を厚生労働大臣に報告しなければならない」と、
第十二項中
「前項」とあるのは
「第十八項において読み替えて準用する前項後段」と
読み替えるものとする。
医療機関、病原体等の検査を行っている機関 及び宿泊施設の管理者は、第一項 及び第十四項の予防計画の達成の推進に資するため、地域における必要な体制の確保のために必要な協力をするよう努めなければならない。
都道府県は、感染症の発生の予防 及びまん延の防止のための施策の実施に当たっての連携協力体制の整備を図るため、都道府県、保健所設置市等、感染症指定医療機関、診療に関する学識経験者の団体 及び消防機関(消防組織法(昭和二十二年法律第二百二十六号)第九条各号に掲げる機関をいう。)その他の関係機関により構成される協議会(以下この条において「都道府県連携協議会」という。)を組織するものとする。
都道府県は、第十六条第二項に規定する新型インフルエンザ等感染症等に係る発生等の公表が行われたときは、都道府県連携協議会を開催し、当該感染症の発生の予防 及びそのまん延を防止するために必要な対策の実施について協議を行うよう努めるものとする。
都道府県連携協議会において協議が調った事項については、その構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
前各項に規定するもののほか、都道府県連携協議会に関し必要な事項は、都道府県連携協議会が定める。
厚生労働大臣は、感染症のうち、特に総合的に予防のための施策を推進する必要があるものとして厚生労働省令で定めるものについて、当該感染症に係る原因の究明、発生の予防 及びまん延の防止、医療の提供、研究開発の推進、国際的な連携 その他当該感染症に応じた予防の総合的な推進を図るための指針(次項において「特定感染症予防指針」という。)を作成し、公表するものとする。
厚生労働大臣は、特定感染症予防指針を作成し、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。