所得税法

# 昭和四十年法律第三十三号 #

第三章 退職所得に係る源泉徴収

分類 法律
カテゴリ   国税
@ 施行日 : 令和四年十月一日 ( 2022年 10月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2024年 07月14日 11時48分


1項

居住者に対し国内において第三十条第一項退職所得)に規定する退職手当等(以下この章において「退職手当等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その退職手当等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。

1項

常時二人以下の家事使用人のみに対し第二十八条第一項給与所得)に規定する給与等の支払をする者は、前条の規定にかかわらず、その支払う退職手当等について所得税を徴収して納付することを要しない。

1項

第百九十九条源泉徴収義務)の規定により徴収すべき所得税の額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める税額とする。

一 号

退職手当等の支払を受ける居住者が提出した退職所得の受給に関する申告書に、その支払うべきことが確定した年において支払うべきことが確定した他の退職手当等で既に支払がされたもの(次号において「支払済みの他の退職手当等」という。)がない旨の記載がある場合

次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額を課税退職所得金額とみなして第八十九条第一項税率)の規定を適用して計算した場合の税額

その支払う退職手当等が一般退職手当等(第三十条第七項退職所得)に規定する一般退職手当等をいう。次号イ 及び第二百三条第一項第二号(退職所得の受給に関する申告書)において同じ。)に該当する場合

その支払う退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てた金額。次号イにおいて同じ。

その支払う退職手当等が短期退職手当等(第三十条第四項に規定する短期退職手当等をいう。次号ロ 及び第二百三条第一項第二号において同じ。)に該当する場合

次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てた金額

(1)

その支払う退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した残額が三百万円以下である場合

当該残額の二分の一に相当する金額

(2)

(1)に掲げる場合以外の場合

百五十万円とその支払う退職手当等の金額から三百万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額との合計額

その支払う退職手当等が特定役員退職手当等(第三十条第五項に規定する特定役員退職手当等をいう。次号ハ 及び第二百三条第一項第二号において同じ。)に該当する場合

その支払う退職手当等の金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額 又はその全額を切り捨てた金額。次号ハにおいて同じ。

二 号

退職手当等の支払を受ける居住者が提出した退職所得の受給に関する申告書に、支払済みの他の退職手当等がある旨の記載がある場合

次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額を課税退職所得金額とみなして第八十九条第一項の規定を適用して計算した場合の税額から、 その支払済みの他の退職手当等につき第百九十九条の規定により徴収された又は徴収されるべき所得税の額を控除した残額に相当する税額

その支払う退職手当等と その支払済みの他の退職手当等がいずれも一般退職手当等に該当する場合

その支払う退職手当等の金額と その支払済みの他の退職手当等の金額との合計額から 退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額

その支払う退職手当等とその支払済みの他の退職手当等がいずれも短期退職手当等に該当する場合

次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額(当該金額に千円未満の端数があるとき、又は当該金額の全額が千円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てた金額

(1)

その支払う退職手当等の金額とその支払済みの他の退職手当等の金額との合計額から退職所得控除額を控除した残額が三百万円以下である場合

当該残額の二分の一に相当する金額

(2)

(1)に掲げる場合以外の場合

その支払う退職手当等の金額とその支払済みの他の退職手当等の金額との合計額から三百万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額と百五十万円との合計額

その支払う退職手当等とその支払済みの他の退職手当等がいずれも特定役員退職手当等に該当する場合

その支払う退職手当等の金額とその支払済みの他の退職手当等の金額との合計額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額

イからハまでに掲げる場合以外の場合

政令で定めるところにより計算した金額

2項

前項各号に規定する退職所得控除額は、同項の規定による所得税を徴収すべき退職手当等を支払うべきことが確定した時の状況における第三十条第三項第一号に規定する勤続年数に準ずる勤続年数 及び同条第六項第三号に掲げる場合に該当するかどうかに応ずる別表第六に掲げる退職所得控除額(同項第一号に掲げる場合に該当するときは、同項の規定に準じて計算した金額)による。

3項

退職手当等の支払を受ける居住者がその支払を受ける時までに退職所得の受給に関する申告書を提出していないときは、第百九十九条の規定により徴収すべき所得税の額は、その支払う退職手当等の金額に百分の二十の税率を乗じて計算した金額に相当する税額とする。

1項

第三十一条第三号退職手当等とみなす一時金)の規定により退職手当等とみなされる一時金の支払をする場合において、同号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちに同号に規定する加入者の負担した金額があるとき(これに類する場合として政令で定める場合を含む。)は、前条の規定の適用については、その退職一時金の額から その負担した金額(政令で定めるものを含む。)を控除した金額に相当する退職手当等の支払があつたものとみなす。

1項

国内において退職手当等の支払を受ける居住者は、その支払を受ける時までに、次に掲げる事項を記載した申告書を、その退職手当等の支払者を経由して、その退職手当等に係る所得税の第十七条源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地(第十八条第二項納税地の指定)の規定による指定があつた場合には、その指定をされた納税地)の所轄税務署長に提出しなければならない。


この場合において、第二号に規定する支払済みの他の退職手当等がある旨を記載した申告書を提出するときは、当該申告書に当該支払済みの他の退職手当等につき第二百二十六条第二項源泉徴収票)の規定により交付される源泉徴収票を添付しなければならない。

一 号
その退職手当等の支払者の氏名 又は名称
二 号

第二百一条第一項第一号徴収税額)に規定する支払済みの他の退職手当等があるかどうか並びに当該支払済みの他の退職手当等があるときは 当該支払済みの他の退職手当等が一般退職手当等、短期退職手当等 又は特定役員退職手当等のいずれに該当するかの別 及び その金額

三 号

第二百一条第二項に規定する退職所得控除額の計算の基礎となる勤続年数

四 号

その居住者が第三十条第六項第三号退職所得)に掲げる場合に該当するかどうか 及びこれに該当するときは その該当する事実

五 号
その他財務省令で定める事項
2項

第二百条源泉徴収を要しない退職手当等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる退職手当等は、前項に規定する退職手当等に含まれないものとする。

3項

第一項の場合において、同項の規定による申告書がその提出の際に経由すべき退職手当等の支払者に受理されたときは、その申告書は、その受理された時に同項に規定する税務署長に提出されたものとみなす。

4項

第一項の退職手当等の支払を受ける居住者は、同項の規定による申告書の提出の際に経由すべき退職手当等の支払者が電磁的方法(第百九十八条第二項給与所得者の源泉徴収に関する申告書の提出時期等の特例)に規定する電磁的方法をいう。以下 この項において同じ。)による当該申告書に記載すべき事項(以下 この項において「記載事項」という。)の提供を適正に受けることができる措置を講じていること その他の政令で定める要件を満たす場合には、当該申告書の提出に代えて、当該退職手当等の支払者に対し、当該記載事項を電磁的方法により提供することができる。この場合においては、同条第二項後段の規定を準用する。

5項

前項の規定の適用がある場合における第三項の規定の適用については、

同項
申告書が」とあるのは
「申告書に記載すべき事項を」と、

支払者に受理されたとき」とあるのは
「支払者が提供を受けたとき」と、

受理された時」とあるのは
「提供を受けた時」と

する。

6項

第一項の規定による申告書は、退職所得の受給に関する申告書という。