昭和二十二年法律第五十四号(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)

# 昭和二十二年法律第五十四号 #
略称 : 独禁法  独占禁止法 

第十条

@ 施行日 : 令和六年六月十九日 ( 2024年 6月19日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第五十八号による改正

1項

会社は、他の会社の株式を取得し、又は所有することにより、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該株式を取得し、又は所有してはならず、及び不公正な取引方法により他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。

○2項

会社であつて、その国内売上高(国内において供給された商品 及び役務の価額の最終事業年度における合計額として公正取引委員会規則で定めるものをいう。以下同じ。)と当該会社が属する企業結合集団(会社 及び当該会社の子会社 並びに当該会社の親会社であつて他の会社の子会社でないもの及び当該親会社の子会社(当該会社 及び当該会社の子会社を除く)から成る集団をいう。以下同じ。)に属する当該会社以外の会社等(会社、組合(外国における組合に相当するものを含む。以下この条において同じ。)その他これらに類似する事業体をいう。以下この条において同じ。)の国内売上高を公正取引委員会規則で定める方法により合計した額(以下「国内売上高合計額」という。)が二百億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるもの(以下この条において「株式取得会社」という。)は、他の会社であつて、その国内売上高と当該他の会社の子会社の国内売上高を公正取引委員会規則で定める方法により合計した額が五十億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるもの(以下この条において「株式発行会社」という。)の株式の取得をしようとする場合(金銭 又は有価証券の信託に係る株式について、自己が、委託者 若しくは受益者となり議決権を行使することができる場合 又は議決権の行使について受託者に指図を行うことができる場合において、受託者に株式発行会社の株式の取得をさせようとする場合を含む。)において、当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる当該株式発行会社の株式に係る議決権の数と、当該株式取得会社の属する企業結合集団に属する当該株式取得会社以外の会社等(第四項において「当該株式取得会社以外の会社等」という。)が所有する当該株式発行会社の株式に係る議決権の数とを合計した議決権の数の当該株式発行会社の総株主の議決権の数に占める割合が、百分の二十を下回らない範囲内において政令で定める数値(複数の数値を定めた場合にあつては、政令で定めるところにより、それぞれの数値)を超えることとなるときは、公正取引委員会規則で定めるところにより、あらかじめ当該株式の取得に関する計画を公正取引委員会に届け出なければならない。


ただし、あらかじめ届出を行うことが困難である場合として公正取引委員会規則で定める場合は、この限りでない。

○3項

前項の場合において、当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる当該株式発行会社の株式に係る議決権には、金銭 又は有価証券の信託に係る株式に係る議決権(委託者 又は受益者が行使し、又はその行使について受託者に指図を行うことができるものに限る)、当該株式取得会社が銀行業 又は保険業を営む会社(保険業を営む会社にあつては、公正取引委員会規則で定める会社を除く次項 並びに次条第一項 及び第二項において同じ。)であり、かつ、他の国内の会社(銀行業 又は保険業を営む会社 その他公正取引委員会規則で定める会社を除く次項 並びに次条第一項 及び第二項において同じ。)の株式の取得をしようとする場合における当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる株式に係る議決権 及び当該株式取得会社が第一種金融商品取引業を営む会社であり、かつ、業務として株式の取得をしようとする場合における当該株式取得会社が当該取得の後において所有することとなる株式に係る議決権を含まないものとし、金銭 又は有価証券の信託に係る株式に係る議決権で、自己が、委託者 若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの(公正取引委員会規則で定める議決権を除く次項において同じ。)及び社債、株式等の振替に関する法律第百四十七条第一項 又は第百四十八条第一項の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。

○4項

第二項の場合において、当該株式取得会社以外の会社等が所有する当該株式発行会社の株式に係る議決権には、金銭 又は有価証券の信託に係る株式に係る議決権(委託者 又は受益者が行使し、又はその行使について受託者に指図を行うことができるものに限る)、当該株式取得会社以外の会社等が銀行業 又は保険業を営む会社である場合における当該株式取得会社以外の会社等が所有する他の国内の会社の株式に係る議決権 及び当該株式取得会社以外の会社等が第一種金融商品取引業を営む会社である場合における当該株式取得会社以外の会社等が業務として所有する株式に係る議決権を含まないものとし、金銭 又は有価証券の信託に係る株式に係る議決権で、自己が、委託者 若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの及び社債、株式等の振替に関する法律第百四十七条第一項 又は第百四十八条第一項の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。

○5項

会社の子会社である組合(民法明治二十九年法律第八十九号第六百六十七条第一項に規定する組合契約によつて成立する組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合(次条第一項第四号において単に「投資事業有限責任組合」という。)及び有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第二条に規定する有限責任事業組合 並びに外国の法令に基づいて設立された団体であつてこれらの組合に類似するもの(以下この項において「特定組合類似団体」という。)に限る。以下この項において同じ。)の組合員(特定組合類似団体の構成員を含む。以下この項において同じ。)が組合財産(特定組合類似団体の財産を含む。以下この項において同じ。)として株式発行会社の株式の取得をしようとする場合(金銭 又は有価証券の信託に係る株式について、会社の子会社である組合の組合員の全員が、委託者 若しくは受益者となり議決権を行使することができる場合 又は議決権の行使について受託者に指図を行うことができる場合において、受託者に株式発行会社の株式の取得をさせようとする場合を含む。)には、当該組合の親会社(当該組合に二以上の親会社がある場合にあつては、当該組合の親会社のうち他のすべての親会社の子会社であるものをいう。以下この項において同じ。)が、そのすべての株式の取得をしようとするものとみなし、会社の子会社である組合の組合財産に株式発行会社の株式が属する場合(会社の子会社である組合の組合財産に属する金銭 又は有価証券の信託に係る株式について、当該組合の組合員の全員が、委託者 若しくは受益者となり議決権を行使することができる場合 又は議決権の行使について受託者に指図を行うことができる場合を含む。)には、当該組合の親会社が、そのすべての株式を所有するものとみなして、第二項の規定を適用する。

○6項

第二項 及び前項の「子会社」とは、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社 その他の当該会社がその経営を支配している会社等として公正取引委員会規則で定めるものをいう。

○7項

第二項 及び第五項の「親会社」とは、会社等の経営を支配している会社として公正取引委員会規則で定めるものをいう。

○8項

第二項の規定による届出を行つた会社は、届出受理の日から三十日を経過するまでは、当該届出に係る株式の取得をしてはならない。


ただし、公正取引委員会は、その必要があると認める場合には、当該期間を短縮することができる。

○9項

公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとする場合には、前項本文に規定する三十日の期間 又は同項ただし書の規定により短縮された期間(公正取引委員会が株式取得会社に対してそれぞれの期間内に公正取引委員会規則で定めるところにより必要な報告、情報 又は資料の提出(以下この項において「報告等」という。)を求めた場合においては、前項の届出受理の日から百二十日を経過した日と全ての報告等を受理した日から九十日を経過した日とのいずれか遅い日までの期間)(以下この条において「通知期間」という。)内に、株式取得会社に対し、第五十条第一項の規定による通知をしなければならない。


ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

一 号

当該届出に係る株式の取得に関する計画のうち、第一項の規定に照らして重要な事項が当該計画において行われることとされている期限までに行われなかつた場合

二 号

当該届出に係る株式の取得に関する計画のうち、重要な事項につき虚偽の記載があつた場合

三 号

当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の二の規定による通知をした場合において、第四十八条の三第一項に規定する期間内に、同項の規定による認定の申請がなかつたとき。

四 号

当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の二の規定による通知をした場合において、第四十八条の三第一項の規定による認定の申請に係る取下げがあつたとき。

五 号

当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の二の規定による通知をした場合において、第四十八条の三第一項の規定による認定の申請について同条第六項の規定による決定があつたとき。

六 号

当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の五第一項第一号に係る部分に限る)の規定による第四十八条の三第三項の認定(同条第八項の規定による変更の認定を含む。)の取消しがあつた場合

七 号

当該届出に係る株式の取得に関し、第四十八条の五第一項第二号に係る部分に限る)の規定による第四十八条の三第三項の認定(同条第八項の規定による変更の認定を含む。)の取消しがあつた場合

○10項

前項第一号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、同号の期限から起算して一年以内前項本文の通知をしなければならない。

○11項

第九項第三号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、通知期間に六十日を加算した期間内に、第九項本文の通知をしなければならない。

○12項

第九項第四号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、通知期間に第四十八条の二の規定による通知の日から同号の取下げがあつた日までの期間に相当する期間を加算した期間内に、第九項本文の通知をしなければならない。

○13項

第九項第五号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、通知期間に九十日を加算した期間内に、第九項本文の通知をしなければならない。

○14項

第九項第六号の規定に該当する場合において、公正取引委員会は、第十七条の二第一項の規定により当該届出に係る株式の取得に関し必要な措置を命じようとするときは、第四十八条の五第一項の規定による決定の日から起算して一年以内第九項本文の通知をしなければならない。