民法

# 明治二十九年法律第八十九号 #

第三款 買戻し

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2024年 10月25日 21時20分

1項

不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金(別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額。第五百八十三条第一項において同じ。)及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。


この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。

1項

買戻しの期間は、十年超えることができない


特約でこれより長い期間を定めたときは、その期間は、十年とする。

2項

買戻しについて期間を定めたときは、その後にこれを伸長することができない

3項

買戻しについて期間を定めなかったときは、五年以内買戻しをしなければならない。

1項

売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対抗することができる。

2項

前項の登記がされた後に第六百五条の二第一項に規定する対抗要件を備えた賃借人の権利は、その残存期間中 一年を超えない期間に限り、売主に対抗することができる。


ただし、売主を害する目的で賃貸借をしたときは、この限りでない。

1項

売主の債権者が第四百二十三条の規定により売主に代わって買戻しをしようとするときは、買主は、裁判所において選任した鑑定人の評価に従い、不動産の現在の価額から売主が返還すべき金額を控除した残額に達するまで売主の債務を弁済し、なお残余があるときはこれを売主に返還して、買戻権を消滅させることができる。

1項

売主は、第五百八十条に規定する期間内に代金 及び契約の費用を提供しなければ、買戻しをすることができない

2項

買主 又は転得者が不動産について費用を支出したときは、売主は、第百九十六条の規定に従い、その償還をしなければならない。


ただし、有益費については、裁判所は、売主の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

1項

不動産の共有者の一人が買戻しの特約を付してその持分を売却した後に、その不動産の分割 又は競売があったときは、売主は、買主が受け、若しくは受けるべき部分 又は代金について、買戻しをすることができる。


ただし、売主に通知をしないでした分割 及び競売は、売主に対抗することができない

1項

前条の場合において、買主が不動産の競売における買受人となったときは、売主は、競売の代金 及び第五百八十三条に規定する費用を支払って買戻しをすることができる。


この場合において、売主は、その不動産の全部の所有権を取得する。

2項

他の共有者が分割を請求したことにより買主が競売における買受人となったときは、売主は、その持分のみについて買戻しをすることはできない