先取特権は、債務者がその目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができない。
民法
第四節 先取特権の効力
先取特権と動産質権とが競合する場合には、動産質権者は、第三百三十条の規定による第一順位の先取特権者と同一の権利を有する。
一般の先取特権者は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるのでなければ、不動産から弁済を受けることができない。
一般の先取特権者は、不動産については、まず特別担保の目的とされていないものから弁済を受けなければならない。
一般の先取特権者は、前二項の規定に従って配当に加入することを怠ったときは、その配当加入をしたならば弁済を受けることができた額については、登記をした第三者に対してその先取特権を行使することができない。
前三項の規定は、不動産以外の財産の代価に先立って不動産の代価を配当し、又は他の不動産の代価に先立って特別担保の目的である不動産の代価を配当する場合には、適用しない。
一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、特別担保を有しない債権者に対抗することができる。
ただし、登記をした第三者に対しては、この限りでない。
不動産の保存の先取特権の効力を保存するためには、保存行為が完了した後 直ちに登記をしなければならない。
不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。
この場合において、工事の費用が予算額を超えるときは、先取特権は、その超過額については存在しない。
工事によって生じた不動産の増価額は、配当加入の時に、裁判所が選任した鑑定人に評価させなければならない。
前二条の規定に従って登記をした先取特権は、抵当権に先立って行使することができる。
不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価 又はその利息の弁済がされていない旨を登記しなければならない。
先取特権の効力については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、抵当権に関する規定を準用する。