消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律

# 平成二十五年法律第九十六号 #
略称 : 集団訴訟法  消費者裁判手続特例法  消費者訴訟法 

第二目 簡易確定手続の開始

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

共通義務確認訴訟における請求を認容する判決が確定した時 又は請求の認諾によって共通義務確認訴訟が終了した時に当事者であった特定適格消費者団体は、正当な理由がある場合を除き、簡易確定手続開始の申立てをしなければならない。

2項

第二条第四号に規定する義務が存することを認める旨の和解によって共通義務確認訴訟が終了した時に当事者であった特定適格消費者団体は、正当な理由がある場合を除き、当該義務に係る対象債権について、簡易確定手続開始の申立てをしなければならない。


ただし、当該対象債権のうち、当該和解においてその額 又は算定方法のいずれかが定められている部分(当該和解において簡易確定手続開始の申立てをしなければならない旨が定められている部分を除く)については、この限りでない。

3項

和解金債権が存することを認める旨の和解によって共通義務確認訴訟が終了した場合において、当該和解において当該和解金債権の全部 又は一部について簡易確定手続開始の申立てをしなければならない旨が定められているときは、当該共通義務確認訴訟が終了した時に当事者であった特定適格消費者団体は、正当な理由がある場合を除き、当該定めに係る和解金債権について簡易確定手続開始の申立てをしなければならない。

1項

前条の場合において、簡易確定手続開始の申立ては、共通義務確認訴訟における請求を認容する判決が確定した日 又は請求の認諾、第二条第四号に規定する義務が存することを認める旨の和解 若しくは和解金債権が存することを認める旨の和解によって共通義務確認訴訟が終了した日(第九十三条第二項の規定による指定があった場合には、その指定を受けた日)から四月以内しなければならない。

2項

裁判所は、必要があると認めるときは、前条の規定により簡易確定手続開始の申立てをしなければならない特定適格消費者団体の申立てにより、二月以内の期間を定めて、前項の期間(この項の規定により当該期間が伸長された場合にあっては、当該伸長された期間。次項において同じ。)の伸長の決定をすることができる。


ただし、当該期間は、通じて八月超えることができない

3項

裁判所は、前項の規定により第一項の期間の伸長の決定をしたときは、前条の規定により簡易確定手続開始の申立てをしなければならない特定適格消費者団体 及び第十三条に規定する事業者等に対し、その旨を通知しなければならない。

1項

簡易確定手続開始の申立ては、最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければならない。

1項

簡易確定手続開始の申立てをするときは、申立てをする特定適格消費者団体は、第二十三条第一項の規定による公告 及び同条第二項の規定による通知に要する費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。

1項

簡易確定手続開始の申立ては、裁判所の許可を得なければ、取り下げることできない

2項

民事訴訟法第二百六十一条第三項 及び第二百六十二条第一項の規定は、前項の規定による申立ての取下げについて準用する。

1項

裁判所は、簡易確定手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てが不適法であると認めるとき 又は第十八条に規定する費用の予納がないときを除き、簡易確定手続開始の決定(以下「簡易確定手続開始決定」という。)をする。

2項

簡易確定手続開始の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

簡易確定手続開始決定は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を記載した決定書を作成してしなければならない。

一 号

共通義務確認訴訟において第二条第四号に規定する義務が認められたとき

当該義務に係る対象債権 及び対象消費者の範囲

二 号

共通義務確認訴訟において和解金債権が存する旨を認める和解をしたとき

当該和解金債権に係る第十一条第二項第一号 及び第三号に掲げる事項

1項

裁判所は、簡易確定手続開始決定と同時に、当該簡易確定手続開始決定に係る簡易確定手続開始の申立てをした特定適格消費者団体(第九十三条第一項の規定による指定があった場合には、その指定を受けた特定適格消費者団体。以下「簡易確定手続申立団体」という。)が第三十三条第二項に規定する債権届出をすべき期間(以下「届出期間」という。)及びその債権届出に対して簡易確定手続の相手方(以下この款において単に「相手方」という。)が認否をすべき期間(以下「認否期間」という。)を定めなければならない。

1項

裁判所は、簡易確定手続開始決定をしたときは、直ちに、官報に掲載して次に掲げる事項を公告しなければならない。

一 号
簡易確定手続開始決定の主文
二 号

第二十一条各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項

三 号
簡易確定手続申立団体の名称 及び住所
四 号
届出期間 及び認否期間
2項

裁判所は、簡易確定手続申立団体 及び相手方に対し、前項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。

1項

簡易確定手続開始決定がされた事件については、特定適格消費者団体は、更に簡易確定手続開始の申立てをすることができない

1項

裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより 又は職権で、届出期間 又は認否期間の伸長の決定をすることができる。

2項

裁判所は、前項の規定により届出期間 又は認否期間の伸長の決定をしたときは、簡易確定手続申立団体 及び相手方に対し、その旨を通知しなければならない。

3項

裁判所は、第一項の規定により届出期間 又は認否期間の伸長の決定をしたときは、直ちに、官報に掲載してその旨を公告しなければならない。