内水面における第五種共同漁業(第六十条第五項第五号に掲げる第五種共同漁業をいう。次条第一項 及び第百七十条第一項において同じ。)は、当該内水面が水産動植物の増殖に適しており、かつ、当該漁業の免許を受けた者が当該内水面において水産動植物の増殖をする場合でなければ、免許してはならない。
漁業法
第八章 内水面漁業
都道府県知事は、内水面における第五種共同漁業の免許を受けた者が当該内水面における水産動植物の増殖を怠つていると認めるときは、内水面漁場管理委員会(第百七十一条第一項ただし書の規定により内水面漁場管理委員会を置かない都道府県にあつては、同条第四項ただし書の規定により当該都道府県の知事が指定する海区漁業調整委員会。次条第四項 及び第六項において同じ。)の意見を聴いて増殖計画を定め、その者に対し 当該計画に従つて水産動植物を増殖すべきことを命ずることができる。
前項の規定による命令を受けた者がその命令に従わないときは、都道府県知事は、当該漁業権を取り消さなければならない。
前項の場合には、第八十九条第三項から第七項までの規定を準用する。
農林水産大臣は、内水面における水産動植物の増殖のため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定による命令をすべきことを指示し、又は当該命令に係る殖計画を変更すべきことを指示することができる。
内水面における第五種共同漁業の免許を受けた者は、当該漁場の区域においてその組合員(漁業協同組合連合会にあつては、その会員たる漁業協同組合の組合員)以外の者のする水産動植物の採捕(次項 及び第五項において「遊漁」という。)について制限をしようとするときは、遊漁規則を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。
前項の遊漁規則(以下この条において単に「遊漁規則」という。)には、次に掲げる事項を規定するものとする。
遊漁料の額 及びその納付の方法
その他農林水産省令で定める事項
遊漁規則を変更しようとするときは、都道府県知事の認可を受けなければならない。
第一項 又は前項の認可の申請があつたときは、都道府県知事は、内水面漁場管理委員会の意見を聴かなければならない。
都道府県知事は、遊漁規則の内容が次の各号のいずれにも該当するときは、認可をしなければならない。
遊漁を不当に制限するものでないこと。
遊漁料の額が当該漁業権に係る水産動植物の増殖 及び漁場の管理に要する費用の額に比して妥当なものであること。
都道府県知事は、遊漁規則が前項各号のいずれかに該当しなくなつたと認めるときは、内水面漁場管理委員会の意見を聴いて、その変更を命ずることができる。
都道府県知事は、第一項 又は第三項の認可をしたときは、漁業権者の名称 その他の農林水産省令で定める事項を公示しなければならない。
遊漁規則は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
その変更についても、同様とする。
都道府県に内水面漁場管理委員会を置く。
ただし、その区域内に存する内水面における水産動植物の採捕、養殖 及び増殖の規模が著しく小さい都道府県(海区漁業調整委員会を置くものに限る。)で政令で定めるものにあつては、都道府県知事は、当該都道府県に内水面漁場管理委員会を置かないことができる。
内水面漁場管理委員会は、都道府県知事の監督に属する。
内水面漁場管理委員会は、当該都道府県の区域内に存する内水面における水産動植物の採捕、養殖 及び増殖に関する事項を処理する。
この法律の規定による海区漁業調整委員会の権限は、内水面における漁業に関しては、内水面漁場管理委員会が行う。
ただし、第一項ただし書の規定により内水面漁場管理委員会を置かない都道府県にあつては、当該都道府県の知事が指定する海区漁業調整委員会が行う。
内水面漁場管理委員会は、委員をもつて組織する。
委員は、当該都道府県の区域内に存する内水面において漁業を営む者を代表すると認められる者、当該内水面において水産動植物の採捕、養殖 又は増殖をする者(漁業を営む者を除く。)を代表すると認められる者及び学識経験がある者の中から都道府県知事が選任した者をもつて充てる。
前項の規定により選任される委員の定数は、十人とする。
ただし、農林水産大臣は、必要があると認めるときは、特定の内水面漁場管理委員会について別段の定数を定めることができる。
第百三十七条第二項から第六項まで、第百三十八条第四項、第百四十条から第百四十六条まで、第百五十七条、第百五十九条 及び第百六十条の規定は、内水面漁場管理委員会に準用する。
この場合において、
第百四十四条第一項中
「議会の同意を得て、これを」とあるのは
「これを」と、
第百五十九条第二項中
「各都道府県の海区の数、海面において漁業を営む者の数 及び海岸線の長さを基礎とし、海面」とあるのは
「政令で定めるところにより算出される額を均等に交付するほか、各都道府県の内水面組合(水産業協同組合法第十八条第二項の内水面組合をいう。)の組合員の数 及び河川の延長を基礎とし、内水面」と
読み替えるものとする。