犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律

# 平成十九年法律第百三十三号 #
略称 : 振り込め詐欺救済法 

第三章 預金等に係る債権の消滅手続

分類 法律
カテゴリ   金融・保険
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 09月10日 19時05分


1項

金融機関は、当該金融機関の預金口座等について、次に掲げる事由 その他の事情を勘案して犯罪利用預金口座等であると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、速やかに、当該預金口座等について現に取引の停止等の措置が講じられていない場合においては当該措置を講ずるとともに、主務省令で定めるところにより、預金保険機構に対し、当該預金口座等に係る預金等に係る債権について、主務省令で定める書類を添えて、当該債権の消滅手続の開始に係る公告をすることを求めなければならない。

一 号

捜査機関等から当該預金口座等の不正な利用に関する情報の提供があったこと。

二 号

前号の情報 その他の情報に基づいて当該預金口座等に係る振込利用犯罪行為による被害の状況について行った調査の結果

三 号

金融機関が有する資料により知ることができる当該預金口座等の名義人の住所への連絡 その他の方法による当該名義人の所在 その他の状況について行った調査の結果

四 号

当該預金口座等に係る取引の状況

2項

前項の規定は、次の各号いずれかに該当するときは、適用しない

一 号

前項に規定する預金口座等についてこれに係る預金等の払戻しを求める訴え(以下この章において「払戻しの訴え」という。)が提起されているとき又は当該預金等に係る債権について強制執行、仮差押え 若しくは仮処分の手続 その他主務省令で定める手続(以下この章において「強制執行等」という。)が行われているとき。

二 号

振込利用犯罪行為により被害を受けたと認められる者の状況 その他の事情を勘案して、この法律に規定する手続を実施することが適当でないと認められる場合として、主務省令で定める場合に該当するとき。

3項

金融機関は、第一項の預金口座等に係る取引の状況 その他の事情を勘案して当該預金口座等に係る資金を移転する目的で利用されたと疑うに足りる相当な理由がある他の金融機関の預金口座等があると認めるときは、当該 他の金融機関に対し、同項の預金口座等に係る主務省令で定める事項を通知しなければならない。

1項

預金保険機構は、前条第一項の規定による求めがあったときは、遅滞なく、当該求めに係る書面 又は同項に規定する主務省令で定める書類の内容に基づき、次に掲げる事項を公告しなければならない。

一 号

前条第一項の規定による求めに係る預金口座等(以下この章において「対象預金口座等」という。)に係る預金等に係る債権(以下この章において「対象預金等債権」という。)についてこの章の規定に基づく消滅手続が開始された旨

二 号

対象預金口座等に係る金融機関 及びその店舗 並びに預金等の種別 及び口座番号

三 号

対象預金口座等の名義人の氏名 又は名称

四 号
対象預金等債権の額
五 号

対象預金口座等に係る名義人 その他の対象預金等債権に係る債権者による当該対象預金等債権についての金融機関への権利行使の届出又は払戻しの訴えの提起 若しくは強制執行等(以下「権利行使の届出等」という。)に係る期間

六 号

前号の権利行使の届出の方法

七 号

払戻しの訴えの提起 又は強制執行等に関し参考となるべき事項として主務省令で定めるもの(当該事項を公告することが困難である旨の金融機関の通知がある事項を除く

八 号

第五号に掲げる期間内に権利行使の届出等がないときは、対象預金等債権が消滅する旨

九 号

その他 主務省令で定める事項

2項

前項第五号に掲げる期間は、同項の規定による公告があった日の翌日から起算して六十日以上でなければならない。

3項

預金保険機構は、前条第一項の規定による求めに係る書面 又は同項に規定する主務省令で定める書類に形式上の不備があると認めるときは、金融機関に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。

4項

金融機関は、第一項第五号に掲げる期間内に対象預金口座等に係る振込利用犯罪行為により被害を受けた旨の申出をした者があるときは、その者に対し、被害回復分配金の支払の申請に関し利便を図るための措置を適切に講ずるものとする。

5項

第一項から第三項までに規定するもののほか第一項の規定による公告に関し必要な事項は、主務省令で定める。

1項

金融機関は、前条第一項第五号に掲げる期間内に権利行使の届出等があったときは、その旨を預金保険機構に通知しなければならない。

2項

金融機関は、前条第一項第五号に掲げる期間内に対象預金口座等が犯罪利用預金口座等でないことが明らかになったときは、その旨を預金保険機構に通知しなければならない。

3項

預金保険機構は、前二項の規定による通知を受けたときは、預金等に係る債権の消滅手続が終了した旨を公告しなければならない。

1項

対象預金等債権について、第五条第一項第五号に掲げる期間内に権利行使の届出等がなく、かつ、前条第二項の規定による通知がないときは、当該対象預金等債権は、消滅する。


この場合において、預金保険機構は、その旨を公告しなければならない。