資産の流動化に関する法律
第一編 総則
この法律において「特定資産」とは、資産の流動化に係る業務として、特定目的会社が取得した資産 又は受託信託会社等が取得した資産をいう。
この法律において「資産の流動化」とは、一連の行為として、特定目的会社が資産対応証券の発行 若しくは特定借入れにより得られる金銭をもって資産を取得し、又は信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)若しくは信託業務を営む銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。以下同じ。)その他の金融機関が資産の信託を受けて受益証券を発行し、これらの資産の管理 及び処分により得られる金銭をもって、次の各号に掲げる資産対応証券、特定借入れ及び受益証券に係る債務 又は出資について当該各号に定める行為を行うことをいう。
この法律において「特定目的会社」とは、次編第二章第二節の規定に基づき設立された社団をいう。
この法律において「資産流動化計画」とは、特定目的会社による資産の流動化に関する基本的な事項を定めた計画をいう。
この法律において「優先出資」とは、均等の割合的単位に細分化された特定目的会社の社員の地位であって、当該社員が、特定目的会社の利益の配当 又は残余財産の分配を特定出資を有する者(以下「特定社員」という。)に先立って受ける権利を有しているものをいう。
この法律において「特定出資」とは、均等の割合的単位に細分化された特定目的会社の社員の地位であって、特定目的会社の設立に際して発行されたもの(第三十六条の規定により発行されたものを含む。)をいう。
この法律において「特定社債」とは、この法律の規定により特定目的会社が行う割当てにより発生する当該特定目的会社を債務者とする金銭債権であって、第百二十二条第一項各号に掲げる事項に従い償還されるものをいう。
この法律において「特定短期社債」とは、特定社債のうち、次に掲げるすべての要件を満たすものをいう。
各特定社債の金額が一億円を下回らないこと。
元本の償還について、募集特定社債(第百二十二条第一項に規定する募集特定社債をいう。)の総額の払込みのあった日から一年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
利息の支払期限を、前号の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)の規定により担保が付されるものでないこと。
この法律において「優先出資証券」とは、優先出資につき特定目的会社が第四十八条第一項 及び同条第三項において準用する会社法(平成十七年法律第八十六号)第二百十五条第二項の規定により発行する出資証券をいい、「特定社債券」とは、特定社債につき特定目的会社が第百二十五条において準用する同法第六百九十六条の規定により発行する債券をいう。
この法律において「特定約束手形」とは、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項第十五号に掲げる約束手形であって、特定目的会社が第二百五条の規定により発行するものをいう。
この法律において「資産対応証券」とは、優先出資、特定社債 及び特定約束手形をいう。
この法律において「特定借入れ」とは、特定目的会社が第二百十条の規定により行う資金の借入れをいう。
この法律において「特定目的信託」とは、この法律の定めるところにより設定された信託であって、資産の流動化を行うことを目的とし、かつ、信託契約の締結時において委託者が有する信託の受益権を分割することにより複数の者に取得させることを目的とするものをいう。
この法律において「資産信託流動化計画」とは、特定目的信託による資産の流動化に関する基本的な事項を定めた計画をいう。
この法律において「受益証券」とは、特定目的信託に係る信託契約に基づく信託の受益権を表示する証券であって、受託者がこの法律の定めるところにより発行するものをいう。
この法律において「受託信託会社等」とは、特定目的信託の受託者である信託会社 又は信託業務を営む銀行 その他の金融機関をいう。
この法律において「代表権利者」とは、第二百五十四条第一項の規定により権利者集会により選任された者をいう。
この法律において「特定信託管理者」とは、第二百六十条第一項の規定により受託信託会社等により選任された者をいう。
この法律(第百九十四条第四項を除く。)の規定において会社法の規定を準用する場合には、
同法の規定中
「電磁的記録」とあるのは
「電磁的記録(資産流動化法第四条第四項に規定する電磁的記録をいう。)」と、
「電磁的方法」とあるのは
「電磁的方法(資産流動化法第四十条第三項に規定する電磁的方法をいう。)」と、
「法務省令」とあるのは
「内閣府令」と
読み替えるものとする。