全国通訳案内士試験は、全国通訳案内士として必要な知識 及び能力を有するかどうかを判定することを目的とする試験とする。
通訳案内士法
第二節 全国通訳案内士試験
全国通訳案内士試験は、筆記 及び口述の方法により行う。
筆記試験は、次に掲げる科目について行う。
産業、経済、政治 及び文化に関する一般常識
口述試験は、筆記試験に合格した者につき、通訳案内の実務について行う。
次の各号のいずれかに 該当する者に対しては、その申請により、それぞれ当該各号に定める試験を免除する。
一の外国語による筆記試験に合格した者
次回の全国通訳案内士試験の当該外国語による筆記試験
一の外国語による全国通訳案内士試験に合格した者
他の外国語による全国通訳案内士試験の外国語以外の科目についての筆記試験
前条第二項各号に掲げる科目について筆記試験に合格した者と同等以上の知識 又は能力を有する者として国土交通省令で定める者
当該科目についての筆記試験
全国通訳案内士試験は、毎年一回以上、観光庁長官が行う。
全国通訳案内士試験に合格した者には、当該試験に合格したことを証する証書を授与する。
全国通訳案内士試験を受けようとする者は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の受験手数料を納付しなければならない。
前項の規定により納付した受験手数料は、全国通訳案内士試験を受けなかつた場合においても返還しない。
観光庁長官は、独立行政法人国際観光振興機構(以下「機構」という。)に、全国通訳案内士試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。
観光庁長官は、前項の規定により機構に試験事務を行わせるときは、その旨を官報で公示しなければならないものとし、この場合には、観光庁長官は、試験事務を行わないものとする。
機構が試験事務を行うときは、前条第一項の規定による受験手数料は、機構に納付するものとする。
この場合において、納付された受験手数料は、機構の収入とする。
機構は、試験事務の開始前に、試験事務の実施に関する規程(以下「試験事務規程」という。)を定め、観光庁長官の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
試験事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
観光庁長官は、第一項の認可をした試験事務規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、機構に対し、その変更を命ずることができる。
機構は、試験事務を行う場合において、全国通訳案内士として必要な知識 及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、全国通訳案内士試験委員(以下「試験委員」という。)に行わせなければならない。
機構は、試験委員を選任しようとするときは、国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
機構は、試験委員を選任したときは、国土交通省令で定めるところにより、観光庁長官にその旨を届け出なければならない。
試験委員に変更があつたときも、同様とする。
観光庁長官は、試験委員が、この法律(この法律に基づく命令 又は処分を含む。) 若しくは試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、機構に対し、試験委員の解任を命ずることができる。
試験事務に従事する機構の役員 若しくは職員(試験委員を含む。次項において同じ。) 又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
前項に規定する機構の役員 又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号) その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
前項の規定により刑法第百九十七条第一項、第百九十七条の二、第百九十七条の三、第百九十七条の五 又は第百九十八条の規定の適用がある場合においては、独立行政法人国際観光振興機構法(平成十四年法律第百八十一号)第十四条 及び第十五条の規定は、適用しない。
観光庁長官は、不正な手段により全国通訳案内士試験に合格しようとした者に対しては、その試験を停止し、又はその合格を無効とする。
観光庁長官は、前項の者に対しては、三年以内において期間を定め、試験を受けさせないことができる。
機構は、試験事務の実施に関し第一項に規定する観光庁長官の職権を行うことができる。
機構が行う試験事務に係る処分 又はその不作為については、観光庁長官に対し審査請求をすることができる。
この場合において、観光庁長官は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項 及び第三項、第四十六条第一項 及び第二項、第四十七条 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、機構の上級行政庁とみなす。
この法律に定めるもののほか、全国通訳案内士試験に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。