障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

# 平成十七年法律第百二十三号 #
略称 : 障害者総合支援法 

第七十七条 # 市町村の地域生活支援事業

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百四号による改正

1項

市町村は、主務省令で定めるところにより、地域生活支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする。

一 号

障害者等の自立した日常生活 及び社会生活に関する理解を深めるための研修 及び啓発を行う事業

二 号

障害者等、障害者等の家族、地域住民等により自発的に行われる障害者等が自立した日常生活 及び社会生活を営むことができるようにするための活動に対する支援を行う事業

三 号

障害者等が障害福祉サービス その他のサービスを利用しつつ、自立した日常生活 又は社会生活を営むことができるよう、地域の障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等、障害児の保護者 又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供 及び助言 その他の主務省令で定める便宜を供与するとともに、障害者等に対する虐待の防止 及びその早期発見のための関係機関との連絡調整 その他の障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行う事業(次号に掲げるものを除く

四 号

障害福祉サービスの利用の観点から成年後見制度を利用することが有用であると認められる障害者で成年後見制度の利用に要する費用について補助を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると認められるものにつき、当該費用のうち主務省令で定める費用を支給する事業

五 号

障害者に係る民法明治二十九年法律第八十九号)に規定する後見、保佐 及び補助の業務を適正に行うことができる人材の育成 及び活用を図るための研修を行う事業

六 号

聴覚、言語機能、音声機能 その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等 その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等につき、意思疎通支援(手話 その他主務省令で定める方法により当該障害者等と その他の者の意思疎通を支援することをいう。以下同じ。)を行う者の派遣、日常生活上の便宜を図るための用具であって主務大臣が定めるものの給付 又は貸与 その他の主務省令で定める便宜を供与する事業

七 号

意思疎通支援を行う者を養成する事業

八 号
移動支援事業
九 号

障害者等につき、地域活動支援センター その他の主務省令で定める施設に通わせ、創作的活動 又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進 その他の主務省令で定める便宜を供与する事業

2項

都道府県は、市町村の地域生活支援事業の実施体制の整備の状況 その他の地域の実情を勘案して、関係市町村の意見を聴いて、当該市町村に代わって前項各号に掲げる事業の一部を行うことができる。

3項

市町村は、第一項各号に掲げる事業のほか、地域において生活する障害者等 及び地域における生活に移行することを希望する障害者等(以下この項において「地域生活障害者等」という。)につき、地域において安心して自立した日常生活 又は社会生活を営むことができるようにするため、次に掲げる事業を行うよう努めるものとする。

一 号

障害の特性に起因して生じる緊急の事態 その他の主務省令で定める事態に対処し、又は当該事態に備えるため、地域生活障害者等、障害児(地域生活障害者等に該当するものに限る次号において同じ。)の保護者 又は地域生活障害者等の介護を行う者からの相談に応じるとともに、地域生活障害者等を支援するための体制の確保 その他の必要な措置について、指定障害福祉サービス事業者等、医療機関、次条第一項に規定する基幹相談支援センター その他の関係機関(次号 及び次項において「関係機関」という。)との連携 及び調整を行い、又はこれに併せて当該事態が生じたときにおける宿泊場所の一時的な提供 その他の必要な支援を行う事業

二 号
関係機関と協力して、地域生活障害者等に対し、地域における自立した日常生活 又は社会生活を営むことができるよう、障害福祉サービスの利用の体験 又は居宅における自立した日常生活 若しくは社会生活の体験の機会を提供するとともに、これに伴う地域生活障害者等、障害児の保護者 又は地域生活障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供 及び助言を行い、併せて関係機関との連携 及び調整を行う事業
三 号

前二号に掲げる事業のほか、障害者等の保健 又は福祉に関する専門的知識 及び技術を有する人材の育成 及び確保 その他の地域生活障害者等が地域において安心して自立した日常生活 又は社会生活を営むために必要な事業

四 号

市町村は、前項各号に掲げる事業を実施する場合には、これらの事業を効果的に実施するために、地域生活支援拠点等(これらの事業を実施するために必要な機能を有する拠点 又は複数の関係機関が相互の有機的な連携の下でこれらの事業を実施する体制をいう。)を整備するものとする。

五 号

市町村は、第一項各号 及び第三項各号に掲げる事業のほか、現に住居を求めている障害者につき低額な料金で福祉ホーム その他の施設において当該施設の居室 その他の設備を利用させ、日常生活に必要な便宜を供与する事業 その他の障害者等が自立した日常生活 又は社会生活を営むために必要な事業を行うことができる。