一般社団法人及び一般財団法人に関する法律

# 平成十八年法律第四十八号 #
略称 : 一般社団・財団法  一般社団・財団法人法  一般法人法 

第四款 理事

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年六月十四日 ( 2023年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月26日 10時37分

1項

理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。

2項

理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する。

3項

前項の場合には、理事は、次に掲げる事項についての決定を各理事に委任することができない

一 号

従たる事務所の設置、移転 及び廃止

二 号

第三十八条第一項各号に掲げる事項

三 号

理事の職務の執行が法令 及び定款に適合することを確保するための体制 その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備

四 号

第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除

4項

大規模一般社団法人においては、理事は、前項第三号に掲げる事項を決定しなければならない。

1項

理事は、一般社団法人を代表する。


ただし、他に代表理事 その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。

2項

前項本文の理事が二人以上ある場合には、理事は、各自、一般社団法人を代表する。

3項

一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選 又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる。

4項

代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

5項

前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない

1項

一般社団法人は、代表理事 その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

1項

代表理事が欠けた場合 又は定款で定めた代表理事の員数が欠けた場合には、任期の満了 又は辞任により退任した代表理事は、新たに選定された代表理事(次項の一時代表理事の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有する。

2項

前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表理事の職務を行うべき者を選任することができる。

3項

裁判所は、前項の一時代表理事の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。

1項

民事保全法平成元年法律第九十一号第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事 又は代表理事の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。

2項

前項の規定に違反して行った理事 又は代表理事の職務を代行する者の行為は、無効とする。


ただし、一般社団法人は、これをもって善意の第三者に対抗することができない

1項

第七十七条第四項の規定にかかわらず、一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、社員総会は、当該訴えについて一般社団法人を代表する者を定めることができる。

1項

一般社団法人は、代表理事以外の理事に理事長 その他一般社団法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該理事がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。

1項

理事は、法令 及び定款 並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。

1項

理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。

一 号

理事が自己 又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。

二 号

理事が自己 又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。

三 号

一般社団法人が理事の債務を保証すること その他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。

2項

民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号 又は第三号の取引については、適用しない

1項

理事は、一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)に報告しなければならない。

1項

一般社団法人の業務の執行に関し、不正の行為 又は法令 若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、総社員の議決権の十分の一これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上の議決権を有する社員は、当該一般社団法人の業務 及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。

2項

前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き検査役を選任しなければならない。

3項

裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。

4項

第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、一般社団法人の子法人の業務 及び財産の状況を調査することができる。

5項

第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る)を裁判所に提供して報告をしなければならない。

6項

裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。

7項

第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、一般社団法人 及び検査役の選任の申立てをした社員に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。

1項

裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部 又は一部を命じなければならない。

一 号

一定の期間内に社員総会を招集すること。

二 号

前条第五項の調査の結果を社員に通知すること。

2項

裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第五項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。

3項

前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事 及び監事)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。

1項

社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為 その他法令 若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

2項

監事設置一般社団法人における前項の規定の適用については、

同項
著しい損害」とあるのは、
「回復することができない損害」と

する。

1項

理事の報酬等(報酬、賞与 その他の職務執行の対価として一般社団法人等から受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。