人事に関する訴えは、次の各号のいずれかに該当するときは、日本の裁判所に提起することができる。
人事訴訟法
第一款 日本の裁判所の管轄権
身分関係の当事者の一方に対する訴えであって、当該当事者の住所(住所がない場合 又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。
身分関係の当事者の双方に対する訴えであって、その一方 又は双方の住所(住所がない場合 又は住所が知れない場合には、居所)が日本国内にあるとき。
身分関係の当事者の一方からの訴えであって、他の一方がその死亡の時に日本国内に住所を有していたとき。
身分関係の当事者の双方が死亡し、その一方 又は双方がその死亡の時に日本国内に住所を有していたとき。
身分関係の当事者の双方が日本の国籍を有するとき(その一方 又は双方がその死亡の時に日本の国籍を有していたときを含む。)。
日本国内に住所がある身分関係の当事者の一方からの訴えであって、当該身分関係の当事者が最後の共通の住所を日本国内に有していたとき。
日本国内に住所がある身分関係の当事者の一方からの訴えであって、他の一方が行方不明であるとき、他の一方の住所がある国においてされた当該訴えに係る身分関係と同一の身分関係についての訴えに係る確定した判決が日本国で効力を有しないとき その他の日本の裁判所が審理 及び裁判をすることが当事者間の衡平を図り、又は適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき。
一の訴えで人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求(当該人事訴訟における当事者の一方から他の一方に対するものに限る。)とをする場合においては、日本の裁判所が当該人事訴訟に係る請求について管轄権を有するときに限り、日本の裁判所にその訴えを提起することができる。
裁判所は、日本の裁判所が婚姻の取消し 又は離婚の訴えについて管轄権を有するときは、第三十二条第一項の子の監護者の指定 その他の子の監護に関する処分についての裁判 及び同条第三項の親権者の指定についての裁判に係る事件について、管轄権を有する。
裁判所は、日本の裁判所が婚姻の取消し 又は離婚の訴えについて管轄権を有する場合において、家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第三条の十二各号のいずれかに該当するときは、第三十二条第一項の財産の分与に関する処分についての裁判に係る事件について、管轄権を有する。
裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合においても、事案の性質、応訴による被告の負担の程度、証拠の所在地、当該訴えに係る身分関係の当事者間の成年に達しない子の利益 その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理 及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情があると認めるときは、その訴えの全部 又は一部を却下することができる。